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海の上の建築革命 中村 享一(著/文) - 忘羊社
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海の上の建築革命 近代の相克が生んだ超技師(スーパーエンジニア)の未来都市〈軍艦島〉

工業・工学
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発行:忘羊社
四六判
縦194mm 横135mm 厚さ25mm
重さ 500g
288ページ
上製
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-907902-25-4   COPY
ISBN 13
9784907902254   COPY
ISBN 10h
4-907902-25-5   COPY
ISBN 10
4907902255   COPY
出版者記号
907902   COPY
 
Cコード
C1052
教養 単行本 建築
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年9月1日
書店発売日
登録日
2020年8月6日
最終更新日
2020年8月6日
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書評掲載情報

2020-10-18 熊本日日新聞
評者: 磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
2020-10-11 大分合同新聞
評者: 磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
2020-10-11 琉球新報
評者: 磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
2020-10-11 下野新聞
評者: 磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
2020-10-11 徳島新聞
評者: 磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
2020-10-11 高知新聞
評者: 磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
2020-10-11 新潟日報
評者: 磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
2020-10-11 岩手日報
評者: 磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
2020-10-11 秋田魁新報
評者: 磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
2020-10-11 中国新聞
評者: 磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
2020-10-11 沖縄タイムス
評者: 磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
2020-10-11 愛媛新聞  朝刊
評者: 磯達雄氏(建築ジャーナリスト)
2020-09-26 西日本新聞  朝刊
評者: 倉方俊輔氏(建築史家/大阪市立大学准教授)
2020-09-20 長崎新聞    朝刊

紹介

あの時代に、誰がこんな建築を?
巨匠コルビュジエの提唱を10年も遡る大正初期に誕生した海の上のモダニズム建築の謎に迫る、もう一つの日本近代建築史。
日本最古の鉄筋コンクリートマンション「30号棟」を擁する世界遺産〈軍艦島〉はなぜ生まれたのか?
近代三菱の鉱業・造船・土木・建築をリードしたエンジニアたちが、
台風・疫病・労働問題といった課題に直面しながら、
洋上の孤島を埋め尽くす高層建築群を
生み出していくまでの知られざる歴史を描く。

目次

序 超技師(スーパー・エンジニア)たちの未来都市
近代三菱を牽引した炭坑の島/この時代に、誰がこんな建築を?/コルビュジエより一〇年早いモダニズム建築「三〇号棟」/もう一つの日本近代建築史

第1章 近代の幕開けと長崎
◎日本近代の〝ゆりかご〟
「日本は世界的な投機の対象となるだろう」/長崎海軍伝習所総取締役・永井尚志/長崎海軍伝習所と長崎製鉄所の誕生/カッテンディーケ、咸臨丸で来崎/ハルデスの功績――内燃機関から煉瓦、セメントまで/イギリス初代公使オールコックの見た長崎製鉄所

【column】 居留地から鉄橋、近代病院まで

◎天草の大棟梁・小山秀之進
代々、貿易・造船・土木を手がけた土地柄/土木工事から労務まで、幅広く炭坑に関与/グラバー住宅の普請/初期グラバー住宅の美しさ/初代大浦天主堂を手がける/ フュレ神父の高い評価/パリのサン・ロラン教会をイメージ/日本の職人技を巧みに融合

◎明治以前の高島
製塩・鍛冶に利用/鍋島藩家老・深堀鍋島家が直営

【column 】宣教師フルベッキと近代日本

第2章 高島炭坑と近代
◎高島とグラバー
幕末の動乱とグラバーの活躍/ 鍋島藩とグラバー商会が共同経営化/ 国内初の蒸気機関による竪坑/グラバー商会の破綻/高島坑の官営化/その後のグラバー

◎小山秀、後藤象二郎の挫折と岩崎彌太郎の登場
小山秀、端島に進出/端島の坑道が台風で崩壊/高島坑、後藤象二郎に払い下げ/納屋制度下、相次ぐ事故・疫病と坑夫暴動/難航した岩崎彌太郎への譲渡/三菱、中ノ島坑を入手

◎高島炭坑事件
納屋頭による圧制を糾弾/納屋制度の廃止/所帯分離と労働力の安定確保/ 不況から生まれた大改革

【資料 】端島研究史

第3章 明治の三菱と士魂の坑山師
◎大改革への布石――海運業の切り離しと長崎造船所の払い下げ
反三菱・渋沢栄一率いる共同運輸との競争/長崎造船所の借り受けと海運業からの撤退/長崎造船所の払い下げ

◎明治期三菱の坑山師――炭坑・鉱山事業を率いた超技師(スーパー・エンジニア)たち
新体制の陣容/欧米帰りのエリート坑山師/「肥前の炭坑王」高取伊好/三菱から独立、唐津炭田の発展に寄与/坑山師の役割/初期の外国人坑山師/ 外国人技師の権限を制限

【column 】三菱と〝御雇外国人〟坑山師
◎士魂の坑山師・長谷川芳之助
居並ぶ英才が認めた鋭利さ/高島炭坑の№2を経て国内屈指の吉岡鉱山長に/「経済に精通する鉱山学者」/三菱の筑豊進出と製鉄業への夢

◎製鉄か地所か――丸ノ内開発計画と長谷川芳之助
「大番頭」荘田平五郎/ 製鉄業進出を前提に筑豊の大坑区を獲得/ 寝耳に水の丸ノ内オフィス街構想/「三菱の富は岩崎一家の私有財産に非ず/ 端島の都市化を準備した丸ノ内の開発

◎「製鉄事業は予の命」――その後の長谷川芳之助
長谷川芳之助の〝構想力〟/ 操業開始早々の失敗をめぐり長官らを面罵

第4章 エンジニア・アーキテクトの近代
◎エンジニア・アーキテクト
「模倣」を批判した村野藤吾、日本の伝統美を称賛したレーモンド/「建築家的技術者」

◎世界の建築・デザインと三菱の技師――船舶の室内意匠をめぐって
イギリス仕込みの技術で大型貨客船を建造/外洋汽船で培われた技術力とデザイン力/「建築界は遥かに劣る」―新しい芸術をいち早く感受

【column 】岩崎家の国際感覚と欧米の技師

◎丸ノ内建築所初代所長・曾禰達蔵
丸ノ内の初期煉瓦建築を設計/早くからコンクリートの有効性に着目

【column 】早逝の俊英・山口半六

◎大土木家・白石直治 鉄道、築港から船渠、発電所まで
アメリカから帰国後、関西鉄道の難工事を主導/筑豊炭田の大動脈、九州鉄道と若松港の改修に寄与/神戸を拠点に大工事を指揮/わが国初の鉄筋コンクリート造建築群

【column 】土佐モダニストの血脈

◎条件を克服する建築――実用化される鉄筋コンクリート
神戸・和田岬のコンクリート・ケーソン工事/土木から普及した鉄筋コンクリート

【column 】コンクリートとダム、造船

◎〝建築様式のデパート〟保岡勝也
曾禰達蔵の後任として三菱の建築部門をリード/保岡勝也の見たイギリスの労働者住宅/丸ノ内初の鉄筋コンクリート造建築を手がける/和洋様々の建築様式を駆使/「日本初の住宅作家」/アーツ・アンド・クラフツ運動に通じる作風/先駆者・保岡の真価/セセッション(分離派)の旗手たち

【column 】鉄筋コンクリート小史

第5章 端島から〈軍艦島〉へ――モダニズム建築都市への道のり
◎端島はなぜ開発されたのか
日露戦争後の不況と二子島の開発/ 端島海底は「一大宝庫」

◎端島から〈軍艦島〉へ
(1)護岸と埋立の始まり/(2)三菱の関与はいつからか?/ (3)埋立変遷史の再検討/ (4)海底の大炭田を獲得/(5)居住環境の変化/(6)労働環境の改善要求と動力の電化/(7)決算書等から見る住宅整備の進展/ (8)台風と労働者不足が生んだ三〇号棟

◎〈軍艦島〉誕生への〝三つの画期〟
第一段階:納屋制度廃止と居住施設整備/第二段階:復活をかけた二子坑開削/第三段階:一九一四年(大正三)の台風被害

◎誰が三〇号棟を建てたのか?
三菱建築陣との接点/アメリカ人が原設計?/三〇号棟に先駆けた「混構造」建築/三〇号棟の立役者、日下部義太郎

【column 】 古写真で見る軍艦島

◎三〇号棟は偶然の産物か
幻に終わった海底トンネル/なぜ鉄筋コンクリートだったのか?/ 欧米の潮流と端島ならではの課題/三〇号棟と「近代建築五原則」/〝課題〟に向き合った合理的建築

結び 三〇号棟を生んだ〝矛盾〟と〝制約〟

前書きなど

「軍艦島の資料を目の当りにするにつれ、なぜこの時代に、誰がこんな海上都市を計画し、建築を手がけたのかという点についてわかりやすく解説したものがなく、謎を解きたいという欲求が抑えられなくなった。例えば、鉄筋コンクリート造の高層集合住宅としてわが国で最も早くに建設された端島の通称「三〇号棟」は一九一六年(大正五)の竣工だが、鉄筋コンクリート造の建築物自体がまだ稀な時代に、長崎沖の洋上に浮かぶ小島になぜそのような最先端の技術を用いた労働者向け住宅が誕生したのか。…加えて筆者にとってスリリングだったのは、この三〇号棟の構造やスタイルが、建築界の巨匠ル・コルビュジエが定義したという「近代建築」の条件をほぼすべて備えたものだという点である。…コルビュジエがこれを提唱するより一〇年も前の一九一六年(大正五)から一八年(大正七)にかけ、端島ではすでにその定義をほとんど満たすような建築が誕生していたのだ」(「序」より)

著者プロフィール

中村 享一  (ナカムラ キョウイチ)  (著/文

中村享一(なかむら・きょういち)
1951年、長崎市飽之浦生まれ。建築家。芸術工学博士。「一宇一級建築士事務所」代表。1974年、長崎造船大学工学部建築学科卒業後、白石建設株式会社に入社。1982年、福岡市で独立し「中村建築設計室」設立。1987年、松植樹の環境保護活動「はかた夢松原の会」に発足委員として参画。1997年、九州建築塾(JIA日本建築家協会九州支部)を創設、実行委員長としてプロフェッションによる建築教育を開始。2000年、「旧長崎水族館保存再生問題」を機に、建築の臨終と再生を考える「建築再生デザイン会議」を招集し、副議長を務める。2011年、長崎市に拠点を移動。2013年、「旧長崎市公会堂」の保存再生を求め「長崎都市遺産研究会」を設立、市民運動を展開。2016年、九州大学大学院にて芸術工学博士の学位取得(「明治期三菱端島坑の形成過程に関する研究~端島から軍艦島へ」)。主な受賞歴に1991年:JIA日本建築家協会オープンデザインコンペ銅賞(「長崎の都市の再構築」)、1996年:UIA 世界建築家連合バルセロナ大会公募論文「住居部門」最優秀、2003年:日本商環境設計家協会デザイン賞優秀賞(福砂屋松が枝店)、2004年:第5回JIA 環境建築賞(「E7-project」、現在シェアハウス一宇邨)

上記内容は本書刊行時のものです。