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バクバクっ子、街を行く! バクバクの会~人工呼吸器とともに生きる~(著) - 本の種出版
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バクバクっ子、街を行く! 人工呼吸器とあたりまえの日々

発行:本の種出版
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ15mm
重さ 305g
284ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-907582-19-7
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年7月28日
書店発売日
登録日
2019年5月16日
最終更新日
2019年11月7日
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紹介

未熟児で生まれ、あるいは難病を得て、人工呼吸器をつけることになった子どもたちがいます。医療と医療機器の進歩で在宅生活が可能になった子どもたち、そしてその家族は、地域であたりまえに暮らすことを実現しようとします。残念ながら、療育施設も学校も、交通機関等も、社会システムは医療的ケア児の利用を想定していません。無理解や拒否など困難は当然あるのです。でも、出会い、ともにすごすことで、まわりの人にとってもその存在があたりまえになっていく……。だからこそ、「呼吸器をつけておもてへ出よう!」

目次

はじめに
バクバクっ子に必要な機器と医療的ケア
1 自慢の幼稚園バッグで地域デビュー(正木 篤・小4)
2 風を切って障害者スキー(中井沙耶・小4)
3 どんなときも、みんなといっしょ(林 京香・中1)
4 夢は海外旅行とディズニーランド(三原健太郎・小6)
5 卒業。社会とつながる未来へ(新居優太郎・高4)
6 障害、結婚、そしてチャレンジ!(安平有希・成人)
おわりに

前書きなど

人工呼吸器と聞くとどんなイメージをもつでしょうか。ほとんどの人は、終末期医療や事故などで重篤患者につける「延命装置」を思いうかべるのではないでしょうか。本著に登場する6人をはじめ、バクバクっ子(人工呼吸器をつけている子ども〈大人をふくむ〉の愛称)たちは、難病や事故などで誕生してすぐに、あるいは成長していく途中で自力での呼吸が困難になり、人工呼吸器をつけることから生きることが始まっています。つまり人工呼吸器は、バクバクっ子にとっては「魔法の小箱」、メガネなどと同じ生活のための道具です。
 バクバクの会(旧:人工呼吸器をつけた子の親の会)は、1989年5月大阪の淀川キリスト教病院で、長期にわたり人工呼吸器をつけている子どもたちの院内家族会として結成され、翌年5月に全国組織として活動を開始しました。会員は当事者とその家族や支援者で、会員数は約500人、子どもたちの「いのちと思い」を何よりも大切にし、人工呼吸器をつけていても、どんな障害があっても、〝ひとりの人間、ひとりの子ども〟として地域の中であたりまえに自立して生きられる社会の実現をめざし、活動しています。
 会の大きな特徴としては、人工呼吸器をつけているという「状態」の集まりで、人工呼吸器をつけるに至った理由は病気や難病であったり事故であったりとさまざまなうえ、身体的状況も、呼吸器をつけながら元気に走り回れる子どももいれば、意識障害が重く寝たきりの子どももおり、病態も様態も異なる人工呼吸器使用者が集まっていることです。当事者の年齢も0~50歳くらいと幅広く、会員がかかえている問題や課題は常に多様で多岐にわたっています。
 会の名称の「バクバク」とは、バッグバルブ(手動式人工呼吸器)のゴムでできたバッグ部分をおすときに出る音を表現したもので、当会にふさわしい名称と思っています。
 「バクバクの会の本を出版しませんか」。2017年11月2日、大津市で開催された「糸賀一雄記念賞・糸賀一雄記念未来賞」の授賞式と記念講演を終えたロビーで、本の種出版の編集者小林恵子さんから声をかけられたことがこの本の始まりでした。出版企画を受け会員によびかけ、手を挙げた当事者や父母が執筆しました。本著には、小学生から成人まで6人のバクバクっ子が登場します。登場者は病気や障害と向き合い、人工呼吸器をつける選択をし、就学問題と戦い、国内に限らず海外へも旅行し、さらに自立、結婚など、それぞれ波乱万丈の人生を歩み、本人も家族もともに人生を楽しんでいます。

 近年、医療技術の進歩により人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、痰の吸引や経管栄養など日常的に医療的ケアが必要な子どもが増加しています。厚生労働省によれば、医療的ケア児(0~19歳)は、2015年で1万7209人いて、うち人工呼吸器児(同)が3069人となっています。年に、前者で約700人、後者で約300人ずつ増えています(厚生労働科学研究「医療的ケア児に対する実態調査と医療・福祉・保健・教育等の連携に関する研究」2018年5月)。
 こうした状況から2016年には法改正も行われ、医療的ケア児が条文に明記されるようにもなっています。たとえば児童福祉法では、第56条の6第2項に「人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児」に対して、地方公共団体が、支援のための体制を整備する努力義務が規定されました。
 病気や障害があると特別支援学校に行くのがあたりまえと思っていませんか。今は、医療的ケア児も本人・保護者の希望で、近所の友達といっしょに地域の学校へ行くことができるような制度になっています(2013年9月学校教育法施行令の一部改正)。本著には、地域の学校でいきいきとすごすバクバクっ子や、ともに学ぶクラスメートのようすがつづられています。この本で、人工呼吸器をつけ医療的ケアが必要な重度障害児・者でも、あたりまえにふつうの人と同じような生活ができることを知っていただければ幸いです。

 2019年6月
バクバクの会~人工呼吸器とともに生きる~会長  大塚孝司

版元から一言

常に医療的ケアが必要。そして、この街でみんなと生きる―未熟児で生まれ、あるいは難病を得て、人工呼吸器をつけることになった子どもたち=バクバクっ子。みんなと同じ学校に通う、自分のしたいことをする。地域で「ふつうに」今を生きている、バクバクっ子の日常がここにあります。

著者プロフィール

バクバクの会~人工呼吸器とともに生きる~  (バクバクノカイジンコウコキュウキトトモニ)  (

バクバクの会~人工呼吸器とともに生きる~
1989年5月、長期にわたり人工呼吸器をつけている子どもたちの、安全で快適な入院生活と生きる喜びを願い、淀川キリスト教病院の院内家族の会「人工呼吸器をつけた子の親の会」として発足。翌年、人工呼吸器をつけていてもどんな障害があっても、ひとりの人間ひとりの子どもとして社会の中であたりまえに生きるためのよりよい環境づくりをめざし、ネットワークをひろげ、全国組織として始動。「子どもたちの命と思い」を何よりも大切にしながらさまざまな活動に取り組んできた。2015年、発足当時は小さかった子どもたちもすでに大人になったことから、名称を「バクバクの会~人工呼吸器とともに生きる~」に変更。「本人たちの命と思い」をより大切にした活動を、当事者とともに進めている。2019年1月現在、会員は全国に約500名。
出版物に『バクバクっ子の為の生活便利帳 第5版』(2014年)、『バクバクっ子の為の退院支援ハンドブック』(2014年)、『人工呼吸器使用者のための防災ハンドブック 改訂版』(2017年)、ドキュメンタリーDVD『風よ吹け! 未来はここに!!』(2016年)などがある。
https://www.bakubaku.org/
[執筆者]
1 正木寧子・一(まさき やすこ・はじめ)
2 中井早智(なかい さち)
3 林 有香(はやし ゆか)
4 三原大悟(みはら だいご)
5 新居大作(あらい だいさく)
6 安平有希(やすひら ゆき)

関連リンク

http://honnotane.com/
https://www.bakubaku.org/

上記内容は本書刊行時のものです。