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誰が世界を翻訳するのか
- 出版社在庫情報
- 在庫僅少
- 初版年月日
- 2015年11月21日
- 書店発売日
- 2020年8月5日
- 登録日
- 2020年7月28日
- 最終更新日
- 2021年10月21日
紹介
金沢21世紀美術館「誰が世界を翻訳するのか」(2015年9月19日-2015年12月13日)のカタログ。
出品作家は、エル・アナツイ、チウ・ジージエ、ペドロ・レイエス、イザベル&アルフレド・アキリザン、シルパ・グプタ、スサンタ・マンダル、アルトゥル・ジミェフスキ、ジャナーン・アル=アーニ、照屋勇賢、ザイ・クーニン、リクリット・ティラヴァニ。
[展覧会情報]
誰が世界を翻訳するのか
金沢21世紀美術館
2015年9月19日-2015年12月13日
2015年度の金沢21世紀美術館展覧会事業は、「ザ・コンテンポラリー」と題し、今日の世界を照射する現代美術の作品について考察しています。
春・夏の「ザ・コンテンポラリー1 われらの時代:ポスト工業化時代の美術」では、日本の美術の現在を知るうえで重要と考える「関係性」「日常」「メディア」「ヴァナキュラー」の4つのキーワードを手がかりに、特に2000年以降に活躍が目覚ましい作家10組による作品を紹介しました。
続く秋・冬の「ザ・コンテンポラリー2 誰が世界を翻訳するのか」は、異なる文化に立脚した現代美術作家たちが、自らが属する共同体を取り巻く世界の有り様をどのように捉え、伝えていこうとしているのか。特に異文化間を「移動」「横断」していくことが常態化している現代社会においては、あらゆる関係が流動的であり、これまでに描かれた歴史や価値観も、誰がそれを伝えるのかによって、さまざまな意味を浮き彫りにします。本展は特に周縁地域から爆発的に生まれ続ける多様な作品を生への「実践」と捉え、私たちと同じ時代に別々の場所で別々の時間を生きる人々が、世界をどのように見ているのかについて、考えていきます。
美術の領域に現れる作品は、「ABC」や「あいうえお」といった決まった記号(コード)による表現とは異なり、さまざまな素材や方法を自由に組み合わせることで、曖昧でユニークな表現を可能にしています。ひとつの作品は作り手から発せられる言葉や振る舞いであり、個人的なことであれ共同体のことであれ、作り手が、自身を取り巻く世界をどのように認識しているかの表れだといえるでしょう。では文化的背景が異なる土壌から生まれる表現について、私たちはどのようにアプローチすべきなのでしょうか。特に20世紀後半までの西欧中心史観が見直されたポスト・コロニアル批評を経た現在、多くの表現者が西欧によって翻訳された言葉や振る舞いでなく、自らの言語で正当に理解されるための翻訳行為を取り戻そうとしています。また、たえず多方向から押し寄せる表現が異文化間の混交によってあらたな意味を持つとしたら、誰がそれを翻訳するのかで大きく意味を変えてしまうことに注意を払う必要があります。見る者との間に共感関係を創出する展覧会という創造の場において、異なる視点に立つ表現を捉え、文化(作品)が世界を翻訳することを見届ける試みとなることを目指すものです(同展プレスリリースより転載)
目次
エル・アナツイ
チウ・ジージエ
ペドロ・レイエス
イザベル&アルフレド・アキリザン
シルパ・グプタ
スサンタ・マンダル
アルトゥル・ジミェフスキ
ジャナーン・アル=アーニ
照屋勇賢
ザイ・クーニン
リクリット・ティラヴァニ
真島一郎「翻訳論ver.2015――生の振幅をめぐる賭け」
黒澤浩美「誰が世界を翻訳するのか――新しい歴史の地平のために」
ジャナーン・アル=アーニ「消滅の美学――人のいない土地」
セン・ユジン「夢の時間――タイム・トラヴェラーの不安」
ザイ・クーニン「漂う世界/我々の家は、あらゆる場所に存在する」
照屋勇賢「On Okinawa、過去と未来からのコレクション」
スサンタ・マンダル アーティストトーク「不確実性とはかなさ」
アン・エルグッド「人々の国際連合総会」
ジョンソン・チャン「未来についての考古学的見解」
リサ・M・バインダー「アフリカについてあなたに最後に手紙を書いた時」より序文
アルトゥル・ジミェフスキ インタビュー「出発点としての差異」
Selected Solo Exhibitions
上記内容は本書刊行時のものです。