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治安維持法 断想 来栖宗孝(著) - 社会批評社
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治安維持法 断想 徳田球一上申書に寄せて

発行:社会批評社
四六判
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-907127-10-7
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
2014年9月
書店発売日
登録日
2014年9月6日
最終更新日
2017年6月27日
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紹介

治安維持法の適用者は、1943年までに検挙6万7223名、起訴6024名。そして、同法廃止まで10万名以上の左翼・労組・言論人・宗教者などが検挙された。この希代の悪法は、戦前、猛威を振るい、一切の言論・文化を封殺した。その成立・拡大・適用の全過程を検証する。

目次

はじめに  3
 第一章 自由と人権の感覚  5 
 第二章 天皇制  15
 第三章 既成行為の追認・弾圧の開始(拡大のⅠ)  32
 第四章 既成行為の追認・目的遂行行為(拡大のⅡ)  51
 第五章 治安維持法の改正・拡張(荒廃・堕落のⅠ)  71
 第六章 転 向  93
 第七章 治安維持法の完成――狂気の時代(荒廃・堕落のⅡ)  116
 第八章 治安維持法の廃止  146
 結 章 德田上申書  167
 ●資料 特定秘密保護法案について思う  193
 あとがき  209

前書きなど

 治安維持法が、二〇世紀前半における世界にも例をみない悪法であったことは今さらいうまでもない。それは、正しくは、国民の権利・義務関係を画定する意味での法律の名に価しないところの、取締り官憲の恣意的行為を容認する支配体制側の宣言書であり、国民の一切の自由と人権を無視し蹂躙したものである。この「法」は、対内的には民主主義の成長、市民社会の成熟、したがって学問、藝術、技術の発展を妨げ、対外的には中国をはじめ各国に対する帝国主義侵略戦争を容易にする道具の一つとして有効に働き、第二次世界戦争における日本国の破綻と完敗とによって自らの実態を曝露したのである。
 治安維持法については、すでに専門研究家によってかなりの程度解明がなされている。もちろんそれは緒に就いたばかりといってよく、関連する多数の治安立法とともにますます体糸的に追究されなければならない。この法は過去にこのような暴虐な人民弾圧法があったという歴史上の一事象で終っているものではなく、国家独(寡)占資本主義、すなわち柔軟で弾力性があり巧妙に国民を操作する管理社会――現代型ファッシズム――の現在においても形を変え姿をいっそう美しく装って復活しつつあるからである。
 本稿では、これまでに貴重な研究が積み重ねつつある治安維持法の沿革についてはそれぞれの労作に讓り、主として社会的思想的視点から、つまり(広義の)文化論として捉えてみようとするものである。ただ、本稿は体糸的叙述を後日に俟ち断想とすることをお許しいただきたい。

版元から一言

戦前、猛威を振るい、一切の言論を封殺した治安維持法。その成立・拡大・適用の全過程を検証する。

著者プロフィール

来栖宗孝  (クルスムネタカ)  (

1920年生まれ。元東海大学文明研究所教授。
「刑事政策の諸問題」などの刑事政策関係著作(共著を含む)論文多数。日本左翼運動史などの論文、紹介多数。

上記内容は本書刊行時のものです。