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BIOCITY ビオシティ 96号
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年7月10日
- 書店発売日
- 2023年10月7日
- 登録日
- 2023年9月20日
- 最終更新日
- 2023年10月10日
紹介
★この書籍の小売店頭価格は、2,500円+税です。
96号の特集は、1993年に屋久島と白神山地が第1号として登録されて30周年を迎える日本の世界自然遺産を取り上げる。日本では、2021年の「奄美・沖縄」まで、5つの自然遺産が生まれた。2023年1月これまでに登録された5地域の22自治体・2団体が屋久島に集い、「世界遺産5地域会議」を発足。特集では、5地域の遺産の魅力と課題、創造的な取り組み事例を紹介しながら、自然保護と地域振興の両立モデルの可能性を探る。
目次
特集「日本の世界自然遺産30年 自然保護と暮らしの両立モデルへ」
企画監修 世界自然遺産5地域会議
巻頭言 岩槻邦男(兵庫県立人と自然の博物館)
「共生=環境文化」という独自の自然観 小野寺 浩(屋久島環境文化財団)
世界自然遺産の舞台裏 奥田直久(環境省)
知床半島 点から線へ、そしてゾーニングへ 村田良介(知床財団)
白神山地 自然と共生してきたマタギ文化の継承 桑田豊昭(西目村長)
一つの白神、森と営みを伝える 佐々木文明(藤里市長)
小笠原諸島、 進化と変化を続ける島々 井上直美(小笠原村)
屋久島 巨木の森と島の暮らしを未来へ 中山直樹(鹿児島県)
奄美・沖縄 生物多様性の保全から活用へ 小野寺 浩
奄美 自然保護と持続可能な観光 安田壮平(奄美市長)
アマミノクロウサギの保護活動 伊集院 幼(大和村長)
沖縄島北部と西表島 首里王朝の地を発信中心地へ 宇賀神知則(環境省)
奄美とやんばるのマングース対策 阿部慎太郎(環境省)
データから読み解く世界の自然遺産 堀上 勝(環境省)
日本における世界自然遺産の課題 吉田正人(筑波大学)
2025年大阪・関西万博への期待 中村利雄(イベント学会長)
「5地域会議」が目指す日本独自の自然保護 小野寺 浩
暮らしのネットワークが育む地域の環境文化 中村耕治(南日本放送)
前書きなど
世界自然遺産に関わる人たちにとっては、優れた資産に関わることに誇りをもち、日本の資産の優れた像を、それと気づかない人たちに明示し、文化の推進に寄与することが、「人」として生きる者として、最も愉快な活動だろう。
五遺産の側から見れば、登録された遺産から何を発信するかが課題といえよう。一方、世界遺産の素晴らしさを享受する利用者の側から見れば、すでに登録された五つの遺産の他に、日本の自然で誇るべきものは何か、さらなる資産の真実を見出すことももう一つの貢献を打ち立てる作業だろう。
日本の自然遺産には、日本列島ならでは、の優れた側面があり、それが現在も保全されている姿には、列島に生きる人々の生き方が反映している。五地域会議が一体となって、日本の自然遺産の実体を世界に向けて発信することにより、地球に生きる人の文化の豊かさに貢献することができれば、世界遺産が設けられた精神が正しく生かされると期待する。
版元から一言
世界遺産に登録されると観光客が殺到し、地元が潤うというスキームが崩れ、いまはオーバーツーリズムなどが地元の暮らしを脅かしています。とりわけ自然遺産をかかえる地元は、自然保護と暮らしという相矛盾する二つをどのように両立させるかに頭を悩ましています。一方で、日本には「自然と人との共生」という固有の自然観があります。5地域が連携することで、再びそこに立ち戻って、「環境文化」という新しい考え方で、日本の自然と暮らしの両立をめざします。
関連リンク
https://www.bookend.co.jp/biocity-86/
https://www.bookend.co.jp/biocity-90/
https://www.bookend.co.jp/biocity-95/
https://www.bookend.co.jp/biocity-96/
上記内容は本書刊行時のものです。