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進化医学入門 森 治郎(著) - ポリッシュワーク
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進化医学入門 人生を生き抜くための

四六判
縦189mm 横130mm 厚さ18mm
重さ 322g
264ページ
並製
価格 1,700円+税
ISBN
978-4-906907-06-9
Cコード
C0047
一般 単行本 医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年9月
書店発売日
登録日
2016年8月29日
最終更新日
2016年10月3日
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紹介

現代病のルーツを進化の観点から紐解く「進化医学」の入門書決定版。疾病に留まらず、虐待などの社会問題も人類の進化史から根源的な理由を探る。メタボ、腰痛、うつ、虐待、老化……現代人の悩みは、進化の代償だった。

目次

  目次
  はじめに

  進化医学とは
  進化医学では病気に対してhowではなくwhyからアプローチする
  進化医学的アプローチは視点をこう変える
  進化医学は、多くの健康・社会問題に「納得」を提供してくれる智慧

第一章 生物の進化現象
 進化とは
  ダーウィンが明らかにした進化現象
  進化医学は「時間」という座標軸を加えて立体的に考える学問

 遺伝とは
  偶然の「エラー」で書き換えられてきた生物の設計図
  DNAの遺伝情報はたった四種類の塩基の組み合わせ
  無限の遺伝的バリエーションが生み出されるメカニズム
  コラム:真核生物と原核生物
  親から子へ伝わる特徴は想像以上に多い
  なぜ男女が存在するのか
  「適応度」:すべての生物の営みを説明する共通原理
  コラム:ハミルトンの法則

第二章 ヒトの進化史と生物学的特徴
 ヒトの歩んだ軌跡
  ヒトのユニークな特徴
  まだ謎の多い人類進化の軌跡
  Y染色体とミトコンドリアDNAの分析でヒトの軌跡が明らかにされた
  日本人には世界中のY染色体が揃っている
  ヒトゲノムの個体差は極めて小さい
  コラム:トバ事変
  コラム:ボトルネック効果

 ヒトが高度な知性を獲得するに至った過程
  直立二足歩行の意味
  肉食が、脳の巨大化を可能にした
  脳内報酬系:進化の過程で強化されてきた「快感」のシステム

 私たちの祖先の暮らし
  実は人類の歴史の大半は狩猟採集生活
  祖先たちはどのような食生活を送っていたのか
  ミーム:ヒトだけが持つことを許されたもう一つの「自己複製方法」
  コラム:アクア説


第三章 進化医学からみた病気
  究極要因による病気の分類
  究極要因の本質は「なじみの環境が急速に変化すること」
  進化医学が有用な局面
  コラム:感染経路と病原微生物の戦略

 進化医学でみた病気
  痛風:尿酸は人体にとって諸刃の剣
  鎌状赤血球症:マラリアの流行が、異常遺伝子の適応度を高めた
  腰痛:狩猟採集をやめた人類が背負った宿命
  コラム:ストレスと腰痛
  アレルギー:行き場を失った免疫システムの暴走

 労働者の健康問題と進化医学
  コラム:産業医学とは
  生活習慣病:飽食の時代に間に合わなかった進化
  糖尿病と肥満:世界でもっともありふれた健康問題
  高血圧:陸に上がった生物に課せられた代償
  コラム:サラリーマンの語源
  コラム:レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RAA系)
  生活習慣病に対する進化医学的アプローチ
  コラム:健康的な食習慣、運動習慣とは

 成人病胎児期発症説(DOHaD仮説)と若い女性のやせ
  生活習慣病は胎児期に始まっている
  若い女性の「やせ願望」を進化医学で紐解く
  生活習慣病に世代を隔てて考える視野を

 進化医学でみたメンタルヘルス
  メンタルヘルス対策はますます重要性を増している
  精神障害と進化医学
  不安障害:「不安」を感じられる者が生き残った
  アルコール依存症:アルコール好きは食料探しの名人だったか
  統合失調症:現生人類の進化の原動力?
  うつ病:一度立ち止まり、資源の振り分けを考える機会

第四章 進化医学から見た育児
 育児に関するヒトの特徴
  ヒトは短期間では成熟しないようにできている
  ネオテニー:「幼さ」も一つの武器
  「おばあさん」のおかげで、ヒトは勝ち残った?
  常にヒトは捕食者から狙われながら進化してきた

 現代社会と育児をめぐる環境
  現代人がこんなにも育児に悩むのは二つの理由から
  「母性」は最初から備わっているわけではない
  育児における対立もまた男と女の宿命
  知能や情緒の発達にもメリットが多い母乳育児
  授乳やスキンシップが母性を開花させる
  コラム:Fight or flight reaction(闘争‐逃走反応)
  世界から評価された日本人の伝統的育児
  父親も育児に関わることで脳に変化が起こる

 子ども虐待とヒトの育児
  日本における虐待の現状
  日常生活にひそむ生物学的虐待
  コラム:エピジェネティクス
  虐待現象の普遍性
  コラム:哺乳類の子殺し
  強いストレスで成長期の脳は傷つく
  虐待は百年近い人生に深い爪痕を残す
  虐待現象の究極要因:男女の存在そのものと子どもの脳の悲しい適応能力
  これからもヒトらしい社会をつくり続けるために

第五章 進化医学から見た労働
 労働と健康障害
  ストレスとは
  五人に三人が強いストレスを感じている日本人労働者
  労働とストレスの因果関係とは
  過重労働が社会全体に深刻な影響をもたらしている

 日本人と過重労働
  日本人の長時間労働は世界最高水準
  国内の労働時間の変遷
  海外から不気味がられる「過労死」のインパクト
  「神様も働いている」日本人の労働観
  特殊な成り立ちが日本人の労働観を作った

 労働とは
  ヒトはいったいなぜ働くのか
  労働の変遷に翻弄されてきたヒト
  動物学者の考える労働と幸福
  労働のなかに狩猟の要素を
  コラム:バタフライ・エフェクト
  進化医学が教えてくれる究極のメンタルヘルス対策
  コラム:現代に発掘されたワークエンゲイジメント
  今後のメンタルヘルス対策


第六章 進化医学から見た老化、死、そして人生
  老化と死の恐怖
  老化現象:なぜヒトは老いを嘆くか
  細胞レベルでみた死のメカニズム
  死は生のためにある
  老化と死に向き合い、人生をヒトらしく生き抜くために
  無意味な人生を生きることは不可能

  おわりに
  参考文献

前書きなど

日常生活の合間に、ふと立ち止まってさまざまな疑問が頭に浮かぶことがあります。

なぜこんなにもストレスの多い生活なのか。
なぜ健康のために我慢しなければいけないことばかりなのか。
なぜ医学は進歩したのに病気に苦しむのか。
なぜ心身をすり減らして働かなければいけないのか。
なぜ可愛いはずの子どもを虐待してしまうのか。
なぜ老いるのか。
なぜ愛する人や自分がいつか死ななければいけないのか。
そして必ず死ぬとわかっていながら生きるのは一体何のためなのか…

これらの疑問は模範回答がないものばかりです。頭に浮かび、たまに悩むことはあっても、忙しい日常生活に引き戻され、深く考えることができないものがほとんどだと思います。本書ではこのような答えの出ない疑問に対して、「進化医学」という視点で考察することで、新しい解釈を見出そうとしています。

著者プロフィール

森 治郎  (モリジロウ)  (

福岡県出身
産業医科大学医学部卒業
産業医科大学小児科学教室に入局後、特に新生児学を学び小児および新生児の体液管理に関する臨床研究に携わる
日本小児科学会専門医・指導医
現在は企業の産業医として労働者の健康管理に従事する
主な研究テーマは「人類の進化と労働史」、「労働者の科学的時間管理法」

上記内容は本書刊行時のものです。