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市電でめぐる函館100選
- 初版年月日
- 2013年11月
- 書店発売日
- 2013年11月11日
- 登録日
- 2015年12月15日
- 最終更新日
- 2015年12月15日
紹介
大正2年、馬車鉄道に代わる私営の路面電車として開業、平成25年に100周年を迎えた函館市電でめぐる名所100を厳選し、地図や写真もふんだんにわかりやすく紹介。約30年ぶりに刊行された函館の総合ガイドブック
目次
1.旅の振り出しは函館駅前
函館駅前電停周辺
〈コラム〉馬車鉄道に始まる路面電車
2.ハイカラを訪ねて十字街へ
十字街電停から元町へ
十字街電停からベイエリア方面
函館駅前~十字街の途中下車案内
〈コラム〉女性運転士昨今
3.北の大都会の面影、末広町へ
末広町電停から元町へ
〈コラム〉行列のできる車体広告に市電グッズ 100年電車の経営努力
4.函館のはじまり 大町から函館どつく前
大町電停周辺
函館どつく前電停周辺
5.古きよき文化の薫る 宝来町・青柳町・谷地頭
宝来町電停周辺
青柳町電停周辺
谷地頭電停周辺
6.大函館の光と影 松風町から中央病院前
松風町電停周辺
五稜郭公園前までの途中下車案内
〈コラム〉東京に里帰りした函館市電、その軌道幅にまつわる秘話
7.五稜郭から函館の奥座敷・湯の川へ
五稜郭公園前電停周辺
湯の川までの途中下車案内
湯の川温泉・湯の川電停周辺
前書きなど
函館の路面電車は、平成25(2013)年6月に開業100周年を迎えました。開港場としていち早く西洋の文明が流れ込んだこの町で、明治30(1897)年に登場した馬車鉄道を引き継ぎ、北海道初の路面電車として大正2(1913)年に走り始めて以来、実に1世紀が経過しました。
当時先進の都市交通だった路面電車は全国に広まり、昭和7(1932)年には65都市のメインストリートに電車が走ります。ところが戦後、モータリゼーションの波が押し寄せるとともに渋滞の元凶と目されたり、運行コストや輸送効率の面で競争力を失ったりなど厳しい逆風に押し流され、現在、路面電車の走る町は20にも満たなくなりました。近年、環境や人にやさしい交通機関として路面電車が見直され、各地で復活を望む声が上がっていますが、なかなか実現には至っていません。何事につけ一度失ったものを取り戻すのは並大抵のことではありません。函館の路面電車よ、よくぞ走り続けてくれたものです。
函館の路面電車にとっても100年の道のりは平坦ではなく、12系統・総延長17.9キロメートルの路線を擁した最盛期から、現在の2系統・総延長10.9キロメートルへと縮小を余儀なくされています。それでも事業の効率化はもとより、車体広告を導入したり、復元チンチン電車「箱館ハイカラ號」やカラオケ電車を走らせたりなど、経営努力とアイデアにより、市民の足としての務めを果たすのみならず、貴重な観光資源として、エキゾチックな街並みの中を元気に走り続けています。
1世紀という長い歴史への敬意を込めて、またこの先いつまでも走り続けてほしいという願いを込めて、この愛すべき函館の路面電車でじっくりめぐるにふさわしい100のテーマを厳選しました。異国情緒だけでなく、わが国近代史の生き証人としても魅力あふれる函館を堪能する一助となれば幸いです。(裏表紙より)
上記内容は本書刊行時のものです。