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十五歳の露国少年の書いたカムチャツカ旅行記 復刻改訂版
発行:新函館ライブラリ
A5判
縦297mm
横148mm
厚さ10mm
重さ 239g
164ページ
並製
価格
952 円+税
1,047.2 円(税込)
- 初版年月日
- 2013年1月
- 書店発売日
- 2013年1月23日
- 登録日
- 2015年12月15日
- 最終更新日
- 2015年12月15日
紹介
横浜の聖ヨセフ学院に通っていたロシア人少年ジョルジュ君は、1918年夏、父に連れられ、カムチャツカを旅します。
父は、日本とロシアを股にかけ手広く水産業を営んでいたクラマレンコ氏。カムチャツカではデンビー商会2代目アルフレット・デンビー氏の別邸を宿としました。
デンビー商会も、日ロを股にかけた有力な水産業者。本拠地・函館で雇用していた日本人は千人を下らなかったといわれ、カムチャツカでは高度に自動化された缶詰工場を操業していました。
緻密な観察眼により綴られた旅の風景。当時のロシアのブルジョワジーたちの暮らしぶりや先進の工場の様子が垣間見られ、函館経由の道中では、日本を途上国と見なす少年の視点もうかがわれます。
それにしても、父子が旅した1918年とはロシア革命の翌年にあたり、少年の父やデンビー氏も含めた民間資本家は未曾有の窮地に立たされていたはず。なのに父子はデンビー氏やその兄弟と狩猟三昧の日々を送り、少年の目に、周囲の大人たちに去来したはずの苦悩はみじんも感じられません。
当初、ロシアで出版される予定だったこの旅行記は、ロシア革命により出版活動が停止されたため、1922年にベルリンで出版され、日本ではその翌年、富山県の高岡新報に連載されます。
本書はそれを現代かな遣いで再編集した復刻版。新たに探り当てた資料も盛り込み、読みやすく、分かりやすいものとしています。
上記内容は本書刊行時のものです。