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敗北と憶想 長原 豊(著) - 航思社
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敗北と憶想 戦後日本と〈瑕疵存在の史的唯物論〉

発行:航思社
四六判
縦188mm 横130mm
424ページ
上製
定価 4,200円+税
ISBN
978-4-906738-39-7
Cコード
C0010
一般 単行本 哲学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年7月15日
書店発売日
登録日
2019年5月11日
最終更新日
2019年8月12日
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書評掲載情報

2019-10-25 週刊読書人    3312
評者: 長濱一眞

紹介

日本のモダニティを剔抉する

吉本隆明、小林秀雄、花田清輝、
埴谷雄高、丸山眞男、萩原朔太郎、谷川雁、黒田喜夫……
過去を想起‐憶想し、受け取り直すこと。
その反復で生産される微細な差異を感受‐甘受すること。
近代日本における主体と歴史、そして資本主義のありようを踏査し、
〈瑕疵存在の史的唯物論〉を未来に向けて構築するために。

目次

はじめに 敗北の憶想、あるいは彗星とラス前

Ⅰ 歴史叙述の作法
 第1章 死者が生者を捕らえる──ふたたびマルクスとともに
 第2章 非精確な歴史叙述──だがドゥルーズ的小林秀雄が

Ⅱ 気分
 第3章 気分はいつも、ちぇっ!──埴谷雄高の「不快」
 第4章 風に向かって唾を吐くな!──であればこそ、かのニーチェが

Ⅲ 「私」の反復
 第5章 予感する記憶──三島由紀夫の「不快」とその編集
 第6章 不自由な「私」──戦後近代(文学)とEcce Ego
  補論 余白と置字──荻原朔太郎の「球体」

Ⅳ 反復と跳躍
 第7章 睥睨する〈ラプラスの魔〉と跳躍──小林秀雄が切線する
 第8章 契がもたらす疚しさに拮抗する──吉本隆明の「切断」
  補論 肉月の詞──詩人 吉本隆明

Ⅴ 確信‐期待という「主体」
 第9章 こうして世界は複数になる──谷川雁と丸山眞男の絶対的疎隔
 第10章 反時代的「確信」──藤田省三の「レーニン」
  補論 雑業の遺恨──黒田喜夫と「ぼく」

前書きなど

キェルケゴールにとって「ふたたび-受け取る(受け取り-直す)」ことである「反復」は、すべての「認識が想起だと教えた」ギリシアの人びと――プラトンの想起説――にとっては「想起-内面化」、あるいはしたがって、内面にこびりつく「決定的な言葉」であり、〔…〕「想起されるものはかつてあったものであり、したがって後方に向かって反復される」が、それとは反対に、「本当の反復-受け取り直し」とは、したがって、過去のむしろ憶想を不可避の軌道として「物事を前方に向かって想起する」ことであり、それそのものとして、期待=不安定――不安・畏れ・戦き――をもたらすことをそれは意味している。そしてまさにここでこそ、「歴史とは構成の対象であり、その構成がなされる場は、均質で空虚な時間ではなく、現在〔いま〕の時に充ちている時間」とされるのである。

――「はじめに――敗北の憶想、あるいは彗星とラス前」より

著者プロフィール

長原 豊  (ナガハラ ユタカ)  (

長原 豊(ながはら・ゆたか)
法政大学経済学部教員。1952年生まれ。
著書に『天皇制国家と農民』(日本経済評論社)、『われら瑕疵あるものたち』(青土社)、『ヤサグレたちの街頭』(航思社)、『政治経済学の政治哲学的復権』(編著、法政大学出版局)、『債務共和国の終焉』(共著、河出書房新社)、訳書にアルベルト・トスカーノ『コミュニズムの争異』、スラヴォイ・ジジェク『2011 危うく夢見た一年』(ともに航思社)、『迫り来る革命』(岩波書店)、アラン・バディウ『ワーグナー論』、フレドリック・ジェイムソン『ヘーゲル変奏』(ともに青土社)、ロバート・ブレナー『所有と進歩』(共訳、日本経済評論社)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。