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世界の夜
非時間性をめぐる哲学的断章
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年10月31日
- 書店発売日
- 2021年10月25日
- 登録日
- 2016年12月28日
- 最終更新日
- 2021年10月25日
書評掲載情報
2022-01-14 |
週刊読書人
3423号 評者: 市田良彦 |
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紹介
非時間性=「革命」の水脈
シュンペーター、シュトラウス、ラクラウ――
「イノベーション」や「アントレプレナー」、
新保守主義と政治哲学、
そしてラディカル・デモクラシーで知られる
一見相容れない3人の思想を
根源的に捉えぬいた果てに立ち現れる未知の相貌。
目次
はじめに
第0章 台詞がなかったペルセースのために
●第1部 シュンペーター
第Ⅰ章 シュンペーターの終末論
第Ⅱ章 資本化と政治的威信
第Ⅲ章 新結合をめぐって――イノベーションとその主体に関するいくつかの考察
●間奏 ラクラウ
第Ⅳ章 回帰する人民――ポピュリズムと民主主義の狭間で
●第2部 シュトラウス
第Ⅴ章 末人たちの共和主義――レオ・シュトラウスと“政治哲学”
第Ⅵ章 闘う聖人
前書きなど
主人であろうが奴隷であろうが、資本家であろうが労働者であろうが、「人は皆」愚者としてただ在る。
パイを奪う速度と「生活術」の優劣を競い合う者たちの傍らで、不気味な隣人がいまだに間延びした表情のまま日々に倦んでいる。その「間延びした表情」が、しかし、不条理な過程を経て一気に硬直する瞬間がある。それはまさにベンヤミンのいう「現在時」であり、それまで円滑に動いていたかに見えた凡常の暦が停止、霧消して、代わりに廃墟に放置されていたがらくたたちが動きだす瞬間でもある。
本書はその瞬間に惹かれ、とらわれ、あるいは実際に立ち会った幾人かの思想家たち――シュンペーター、シュトラウス、ラクラウ――を中心に論じるものである。未来へのいかなる種類の空約束をも信じることができなくなって久しいわれわれが、暦の停止する「現在時」を横領せんとする醜悪な《王》に心奪われることがないよう願いつつ――。
――「序にかえて」より
上記内容は本書刊行時のものです。