書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
年報カルチュラル・スタディーズ vol.4 特集〈資本〉
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年7月
- 書店発売日
- 2016年6月30日
- 登録日
- 2016年5月18日
- 最終更新日
- 2017年11月17日
紹介
資本制社会に生きる私たちが無意識に前提としている「資本」。
D・ハーヴェイが『資本の〈謎〉』で分析したのはリーマンショック後の世界金融恐慌でしかなかった。
しかし今、格差――下層/上流、若年/老年、男/女など――が拡大の一途をたどり、労働者が「奴隷化」を強いられるなかで問われねばならないのは、「資本」それ自体がいったい何なのか、である。
この問いの先にこそ、反資本主義の展望が開けるだろう。
なぜ私たちは自分の時間と労働を切り売りしているのか。
なぜ家事は女性の仕事とされるようになり、不可視化され、賃金が払われないのか。
――こうした根源的な問いをめぐり、反資本主義としての労働運動、「資本」主義への移行期にかんする歴史的分析、女性の無償労働と魔女狩りの関係性、資本をめぐる表象分析など、文化研究ならではの多面的な考察を展開する。
目次
カルチュラル・タイフーン2015「振り返り」
カルチュラル・タイフーン2015事務局
--
●特集〈資本〉
ここ掘れここ掘れ、ヘッジを倒せ――資本と自由、ついに離別
小笠原博毅
不可視な資本を視覚化する――アイザック・ジュリアンの近年の三連作について
近藤健一/小笠原博毅
労働の蓄積と女性の価値の切り下げ――「資本主義への移行」における「差異」の構築
シルヴィア・フェデリーチ(小田原 琳・後藤あゆみ 訳)
訳者解題
新たな階級闘争史の地平――シルヴィア・フェデリーチと反資本主義の闘い
後藤あゆみ
ネッド・ラッドとマブ女王――機械壊し、ロマン主義、1811-1812年における幾つかのコモンズ
ピーター・ラインボー(マニュエル・ヤン 訳)
訳者解題
X2めがけて投げる革命的コモンズのハンマーをつくる
マニュエル・ヤン
--
●投稿論文
吾妻新と沼正三によるズボン・スラックス論争――1950年代『奇譚クラブ』における日本的サディズムの萌芽
河原梓水
「ユニークで普通な身体」の意味――写真における障害者表象をめぐって
塙 幸枝
都市空間をめぐる地域アートプロジェクトの政治性――東京文化発信プロジェクト「墨東まち見世」を事例に
及川裕子
中野好夫と沖縄――「道義的責任」と主体化の論理
吉田 裕
--
●セッション報告
制度への仕掛け――「たまスタディーズ」という試み
高原太一
--
●書評/映画評/展覧会評
女たちはなぜチマチョゴリを着るのか
――書評:そんい・じゅごん(著)、早瀬道生(撮影)『きゃわチョゴリ』
成実弘至
魅了される身体から探る、常時接続社会への処方箋
――書評:ジョナサン・クレーリー『24/7』
ケイン樹里安
再発見、社会運動の力と可能性
――映画評:ジム・ハバート監督『怒りを力に』、マシュー・ワーカス監督『パレードへようこそ』
C.H.A.R.
白老と二風谷、ふたつのアイヌの博物館
――展覧会評:アイヌ民族博物館、平取町立アイヌ文化博物館
鋤柄史子
「イメージ」する東京に生きること
――展覧会評:「“TOKYO”――見えない都市を見せる」
居原田 遥
前書きなど
特集・資本
上記内容は本書刊行時のものです。