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精神医学における仮説の形成と検証
- 書店発売日
- 2021年4月10日
- 登録日
- 2021年2月26日
- 最終更新日
- 2021年3月19日
紹介
精神医学を医療として成り立たせる基盤の本質を実地的視点から考えるシリーズ第5巻。精神医学は他の医学領域とは異なり、《基盤》を明確にすることは難しい。自然科学であろうとすれば異論が唱えられる。精神医学そのもののを否定する政治や思想もある。脳のメカニズムの解明と薬物療法が《基盤》となったようにもみえる。精神医学の基盤は、政治学となり、心理学となり、社会学となり、生物学となった。このシリーズは、本書は「精神医学の科学的基盤」を「科学」「仮説」「エビデンス」の3つの観点からアプローチすると3部作の第2部である。今日の精神科臨床に求められている「科学的知識」としての仮説を、斯界の第一人者が自由な観点から各論レベル
で深化させる。
目次
対談 精神医学における仮説の役割と現状 石郷岡純×大森哲郎/メランコリー親和型と社会 ー 精神医学史研究に向けて 本村啓介/うつ病治療における食事・栄養 ー リスク因子と介入法について 功刀 浩/モノアミンとうつ病:再考 ー モノアミン仮説はどこまで検証されているのか? 中川 伸/うつ病の神経回路仮説とニューロフィードバック 上敷領俊晴,岡田 剛,高村真広,市川奈穂,岡本泰昌/双極性障害の分類とスペクトラムをめぐる仮説と検証 仙波純一/コラム いつまでも仮説で良いのか 加藤忠史/統合失調症というカテゴリー 大森哲郎/神経発達障害仮説の形成と検証 ー 統合失調症の臨床病期ごとの脳病態解明を目指して 笠井清登/統合失調症ドパミン仮説からグルタミン酸仮説へ 西川 徹/統合失調症のゲノム研究 ー 全ゲノム関連解析がもたらした成果と臨床応用の可能性 谷口 賢,齋藤竹生,池田匡志,岩田仲生/iPS細胞から見える統合失調症の特徴 豊島 学,原 伯徳,吉川武男/神経症の消滅とその後の展開 黒木俊秀/不安・恐怖のセロトニン仮説 井上 猛,内田由寛,館 千歌/自閉スペクトラム症をめぐる仮説とその検証 岡田 俊/ADHDの病態は明らかとなったか ー 仮説というファントム 岩波 明,林 若穂
上記内容は本書刊行時のものです。