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対話沖縄の戦後
政治・歴史・思考
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2017年6月12日
- 登録日
- 2018年11月12日
- 最終更新日
- 2020年12月29日
紹介
戦後沖縄とは何だったのか、沖縄と本土の関係はどうだったのか。
政治学・行政学の第一人者(河野康子、天川晃、雨宮昭一、村松岐夫、荒木田岳、福永文夫、村井良太、平良好利)と、7名の「証言者」との濃密な対話の記録。
目次
解題――沖縄の戦後をどう考えるか (平良好利)
第Ⅰ部 証言者との対話――沖縄「保守」とはなにか
第1章 儀間文彰氏に聞く――アメリカ統治時代の政治と経済
終戦直後の沖縄経済/基地依存型輸入経済の形成/基地建設と軍工事ブーム/
サルベージとスクラップ輸出/B円からドルへ/講和条約締結後、本土から沖縄に戻る/
立法院議員選挙に出馬/実力者・兼次佐一との対決/沖縄選挙における白と黒/
「土建業界の両雄」、國場幸太郎と大城鎌吉/島ぐるみ闘争秘話/琉球政府厚生局長として/沖縄における公衆衛生看護婦制度/稲嶺一郎について
第2章 仲本安一氏に聞く――沖縄社会大衆党と戦後政治
沖縄戦から米軍占領へ/政党の結成と日本復帰問題/沖縄県祖国復帰協議会の結成/
キャラウェイ高等弁務官について/松岡政保について/保守と革新について/沖縄は第二のハワイになるなかれ/「琉球特別自治州」構想/社会大衆党の存在価値/日本復帰と社会大衆党/民族政党としての社会大衆党/山中貞則、小渕恵三について/社会大衆党と選挙/沖縄自立の課題と展望
第3章 比嘉幹郎氏に聞く――西銘保守県政と沖縄政治
米国留学から土地収用委員会の通訳へ/アメリカ総領事館の顧問として/琉球大学教授から政治の世界へ/沖縄の保守と「オール沖縄」/西銘県政の基地への対応/西銘県政の課題/沖縄自治州構想と自立的発展/西銘順治と社会大衆党/佐藤政権への評価/沖縄のエリートについて/ウチナーンチュ意識/アジアとの交流
第4章 照屋義実氏に聞く――沖縄の建設業界と商工会
福島での学生生活と沖縄問題/沖縄に戻り、父の会社へ/商工会活動と政治との関わり/建設業界と談合問題/二〇一〇年の沖縄県知事選挙と建設業界/二〇一四年の沖縄県知事選挙と経済界/沖縄県政策参与に就任/全国商工会青年部連合会会長として/商工会と補助金/建設業界の過去と現在/オール沖縄の奔流
第Ⅱ部 研究者との対話――戦後沖縄研究の諸相
第5章 沖縄現代史研究をめぐって――その射程と課題 鳥山 淳
「破たんする現実主義」という視点/今後の四つのテーマ/沖縄における「戦後」をどう考えるか/沖縄にとっての近代経験とその終焉/沖縄にとっての「戦後体制」とは/現実主義をめぐって/戦後初期の社会構造/戦前・戦後の連続性と非連続性/朝鮮戦争と沖縄社会/「まだ見ぬもの」への期待/ナショナリズムをめぐって/「島ぐるみ」をめぐって/沖縄における地域間関係について/「民主化」と「自治」
第6章 いわゆる「周辺」の視点から
――米軍政下の大東諸島における「自治」 黒柳保則
「琉球弧」のなかの大東諸島/大島諸島への調査団の派遣と「自治」制度の施行/大東諸島における「自治」の問題/大東諸島の資源と政治行政/燐鉱と大東諸島の政治行政/
大東諸島における「自治」の内容や位置づけ/選挙権と自治制度/製糖会社と地域社会の構造/文化運動と移住/キャラウェイ高等弁務官による土地所有権認定とその背景
自治制度の施行と地域/政党や社会運動の存在、群島間の関係性/四群島に分離された理由と、この地域についての研究の問題点
第7章 戦後日本の沖縄像〈認識〉
――矢内原忠雄、中野好夫、大江健三郎を例に 我部政男
矢内原忠雄の沖縄訪問/「軍事植民地」としての沖縄/沖縄の精神的な復興/イスラエルと民族意識/中野好夫の沖縄との関わり/大江健三郎と渡嘉敷島の集団自決問題/戦時の支配秩序から考える集団自決問題/三名に共通する「使命感」/「合図」によって作動する集団自決構造/戦後民主主義と沖縄/本土と沖縄の占領/沖縄の知的リーダーについて/沖縄の基地問題をどう考えるか
おわりに(河野康子)
主要人名索引
上記内容は本書刊行時のものです。