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取引取次:
地方小
直接取引:あり(その他)
谺せよ
多田薫句集
発行:花乱社
四六判
194ページ
上製
価格
2,000円+税
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年2月22日
- 書店発売日
- 2019年3月1日
- 登録日
- 2019年2月18日
- 最終更新日
- 2019年3月11日
紹介
命響き合う、空へ──
少年の如き天真なる直覚、
人の世の哀歓に寄り添う稟性、そしてどこまでも真っ直ぐな俳句への愛。多田薫の句業。
全山の木の実降らせよ谺せよ
風花と唇合うて仰ぐ空
ぶらんこに立つてこぐ子のひざのばね
薫風やブロッコリーのやうな森
目次
序詩 森崎和江
画 長谷川陽三
序 多田薫句集『谺せよ』に寄せて 筑紫磐井
いつもの場所で[秋]
ふたり生きて[冬]
土のにほひを[春]
薫風や[夏]
いつかまた[平成三十年夏]
あとがき 多田孝枝/季題別索引 題字:山本素竹/装画:西島伊三雄
前書きなど
■序より 筑紫磐井
「蜻蛉の眼にある太古光りをり」
蜻蛉に類した生きものは古代から生息している。メガネウラと呼ばれる巨大昆虫(全長七〇センチ)で、二億九千万年前の古生代石炭紀の地層から化石も見つかっているという。ささやかな蜻蛉にも、時間にすれば長い歴史があるのであり、その奥底の眼光は人間の誕生などを遙かに見尽くしている。
「絵踏みせし村にしづかな時代来る」
踏絵は現実にあるわけではない観念的な季語であり、現代の作家としてはこうした詠み方とならざるを得ないと思う。そうした中で「時代来る」という生な言葉が生きている。我々が経験するどんな切実で命がけの事件であっても、やがて歴史の中に埋もれていく。踏絵という風俗より、そうした歴史の哲理の方に作者の思いを読むことが出来る。
上記内容は本書刊行時のものです。