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ぼくは君がなつかしい ほろほろ落花生(著/文) - 破滅派
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ぼくは君がなつかしい (ボクハキミガナツカシイ) ほろほろ落花生全集 (ホロホロラッカセイゼンシュウ)

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発行:破滅派
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ27mm
524ページ
並製
価格 2,700円+税
ISBN
978-4-905197-08-9   COPY
ISBN 13
9784905197089   COPY
ISBN 10h
4-905197-08-2   COPY
ISBN 10
4905197082   COPY
出版者記号
905197   COPY
Cコード
C0393  
0:一般 3:全集・双書 93:日本文学、小説・物語
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年4月29日
書店発売日
登録日
2024年2月20日
最終更新日
2024年3月14日
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紹介

アウトサイダー文学の決定版、破滅派よりついに発刊!!

破滅派の創設メンバーにして、福井の眠れる天才、怒りの子供部屋おじさん、のっぴきならないロスジェネ、孤高の反出生主義者……。

ほろほろ落花生の人生と文学のすべてが詰まった全集が破滅派より発刊!

詩・散文・小説・ノンフィクション・書簡・年表のほか、高橋文樹によるノンフィクション「クロニック・ペイン」「コール・ミー」も同時収録。当事者が言葉にできなかった忌まわしい男性による性被害の記憶、そして、謎の病気による就職氷河期での転落を記す。

目次

◼️巻頭詩
きれいな断面 ―5

◼️序文
ほろほろと生まれ変わる(高橋文樹) ―15

◼️東大仏文時代 1998-2003
ぱるんちょ祭り [小説] ―24
『田園交響楽』研究 [評論] ―50

◼️東京でストラグル 2003-2010
Re:現代文 [テスト問題] ―88
Re:現代文解答例 [テスト解答] ―112
ていうかさ [小説] ―132
対話篇 [小説] ―136
救出 [小説] ―148
だるま落とす [小説] ―152
クロニック・ペイン(高橋文樹) [ノンフィクション] ―158

◼️福井永蟄居 2010-
ぱるんちょ巡礼記 [詩] ―186
ふたり [小説] ―248
ゆすらうめ鉱 [詩] ―254
時計 [小説] ―260
リバレイト [散文] ―266
ざくろ [エセー] ―270
幸福の回収 [小説] ―280
コール・ミー(高橋文樹) [ノンフィクション] ―286

◼️反出生主義 2013-
犯人 [小説] ―310
布告 [箴言集] ―322
最後の文学者 [インタビュー] ―360

◼️イノセントほろほろ 1990-1991
90m走 [作文] ―400
地球ファミリー [作文] ―402
雪とぼく [作文] ―404
五年生の思い出 [作文] ―406

◼️付録
書簡ほか ―410
略年譜 ―476

◼巻末詩
オプンティア ―494

前書きなど

心を壊すような(ハート・ブレイキング)

「中原を理解することは私を理解することだ」という言葉を大岡昇平は自身の編纂した『中原中也詩集』に寄せている。私もそんな気分だ。『ぼくは君がなつかしい ほろほろ落花生全集』を理解することは、私を理解することであるし、破滅派を理解することでもある。この奇妙な名前を持つ文芸団体の魂のような部分が本書には書かれているのだ。

 この本を世に問うにあたり、私は獣を野に放つような気持ちでいる。獣の入った檻の鍵をそっと開ける。寝息を立てて上下する獣の腹に耳を当て、その強こわい毛を頬に感じながら、獣の覚醒がほど近いことを確信する。私は鍵を開け放したまま、そっと檻を出る。足音を立てないように歩み去り、離れるにつれて走り出す。だんだん息が切れてきて、度を越したイタズラの結果が恐ろしくなってくる――そんな気分だ。この本を読んだ人がどうなってしまうのか、私には確信が持てない。単なる幸福や絶望を感じてほしいわけではない。本書の核心に触れた読者の魂が根底から揺さぶられ、どうしようもなく変わってしまうことを私は期待している。

 本書を編纂するにあたって、どうしても入れたかった逸話が二つある。ロスジェネ世代の勝ち組・負け組をわける分岐点についてと、男性の性被害についてである。私はこの逸話について、いつか書かれるべきだと思っていたし、書き手として、その逸話を自身が書くことを夢見てきた。思いとどまったのは、それが他でもない彼自身の物語だったからだ。今回、ほろほろ落花生自身から代わりに書くことを許された。編者という立場には分不相応な紙幅を占めるノンフィクション二篇「クロニック・ペイン」と「コール・ミー」は、それぞれ私に取って、二〇年越しの文学的宿願である。

 詩、小説、文学評論、箴言集アフォリズム、随筆、書簡といった様々な形式のテキストが本書には収められている。およそ一人の人間が残すことのできるテキストの種類としては、申し分のないバラエティだ。それらの多様なテキストには、やはり一貫性が、戯れに砕いた黒曜石オブシディアンのガラス質の刃やいばのような鋭さが、秘められている。本書の核心コアを――ほろほろ落花生という才能がその魂を搾り出すようにして紡いだ文学的半生を――私は読者の胸に刻みつけたい。本書にも引かれる“heartbreaking”という英語表現があるが、その言葉通り、私はあなたの心を破壊してしまいたいのだ。

文・高橋文樹

著者プロフィール

ほろほろ落花生  (ホロホロラッカセイ)  (著/文

ほろほろ落花生(ホロホロラッカセイ)

1979年、福井県に生まれる。地元の進学校を卒業し、東京大学に入学。詩作をはじめとした文芸創作にのめり込み、太宰治、大江健三郎などの尊敬する作家の所属した仏文科に進学。 新日本製鐵の内定を得て卒業するが、原因不明の疼痛が発生。療養生活を経たのち、出社時に行方をくらまし、フランスに逃亡。パリのホテルから退社メールを提出。 高橋文樹と北千住で同居を開始。教員免許の取得を目指すが挫折し、福井へ戻る。翌年、地元の先輩を頼って再び上京、社会福祉法人のアルバイトをしながら保育士資格を取得。 2007年、高橋文樹らと破滅派を結成。保育士資格取得後、社会福祉法人を辞めてフリーライターに。2010年に面倒を見てくれていたライターと対立、再び福井に戻る。 福井では反出生主義へ傾倒し、文学作品への昇華を目指すが、その思想の過激さゆえ周囲と徐々に対立。 2021年、コロナ禍による飲酒量の増大とともに人生の黄昏時が近づきつつあることを悟る。高橋文樹『アウレリャーノがやってくる』に触発され、人生を総括する書の出版を決意する。

高橋文樹  (タカハシフミキ)  (編集

高橋文樹(タカハシフミキ)

1979年千葉県千葉市生まれ。1998年、千葉県立千葉高校を卒業し、東京大学文科Ⅲ類に入学。私淑する大江健三郎のあとを追い、仏文科へ進学。
2001年、『途中下車』で大学在学中に幻冬舎NET学生文学賞大賞を受賞しデビュー。その後、次作に恵まれず、2007年オンライン文芸誌「破滅派」を立ち上げ、また、同年「アウレリャーノがやってくる」で新潮新人賞を受賞。
2010年、株式会社破滅派を設立。オープンソースソフトウェアWordPressをベースにしたウェブ制作を行いながら、電子書籍の発刊やイベント開催、ISBNなしの書籍販売などを手がける。
2016年にはゲンロン主催大森望SF創作講座に参加し、ゲンロンSF新人賞飛浩隆賞を受賞。ワールドコンへの参加、SF同人誌『Sci-Fire』の創設、千葉市SF作家の会 Dead Channel JPの設立など、精力的に活動を続ける。
2021年、破滅派から初のISBN付き書籍を発行。

上記内容は本書刊行時のものです。