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忘れえぬ人びとの跫音 それゆけ もっと! 歴史街道
- 初版年月日
- 2023年3月
- 書店発売日
- 2023年3月15日
- 登録日
- 2023年2月17日
- 最終更新日
- 2023年2月17日
紹介
前作「それゆけ! 歴史街道 よこ道、うら径、まわり路、ときにゆきどまり途」から2年。その後も、著者の彷徨は飽くことなく続き、ここに第二弾が成就されることとなった。著者の歴史好きは子どものころからといい、「歴史をたどるという作業は、素人は素人なりに楽しい事である」としている。本書でも著者は、前作と同じように歴史の現場にすべて足を運ぶことで歴史を“疑似体験"している。そこには思い込みはなく、あくまでもエビデンスと客観的な眼で歴史をとらえ返している。
小堀遠州を扱った「なすことも なき身の夢の さむるあけぼの」では「遠州の治績を振り返ると、彼は、近江などの豊かな土壌と商業的先駆性に育まれながら、戦乱の武ばった世界から文治・安定の世界への変革期を、ソフトパワーで脚色したテクノクラートぶりで駆け抜けたように映る」とある。ここには、同じくテクノクラートであった著者自身の姿勢が表れているといっていいだろう。そして、それこそ現在およびこれからの日本にとっても必要な人間の在り方であり構え方でもあるだろう。哲学者吉本隆明は、“これからは素人の時代"と言ったが、まさに素人の柔軟な発想による歴史語りこそが、この国に求められている未来の指針になってきているのではないだろうか。
また、前作「それゆけ! 歴史街道」と同様に表紙は著者本人が描いている。
目次
はじめに
託孤寄命に導かれ
紡ぎ伝えられる遺命(その一) ─武田松姫の生涯─
紡ぎ伝えられる遺命(その二) ─保科正之の生涯─
細川家にとっての「関ヶ原」
心の種をのこす言の葉 ─細川幽齋─
梓弓もと立つばかり道を正して ─忠興とガラシャ─
吾れ時局に臨みかく始末せり
員に備わるのみ ─大久保一翁にみる敗戦処理の美学─
恐れながらお尋ねにつき申上げ奉り候 ─幕末期のある経世家の足跡─
日露戦役を蔭で支えた益荒男たち
怡与造と林太郎そして源太郎のクラウゼヴィッツ
独り剣を撫して虎穴に入らん ─日露戦役をインテリジェンスはどう支えたか─
宏猷を翼賛するは此秋に在り ─三寸の舌 三尺の腕 の威力─
渡りて聞かむ雁金の声 ─高橋是清の奮闘─
小評論
鎌倉草創期の「真実」
なすことも なき身の夢の さむるあけぼの ─テクノクラート小堀遠州にみる近世行政官の矜持─
水晶 瑞松 随所に誉れあり ─我が国特許第一号─
〈付録〉折々に詠みし戯れ和歌
初出掲載一覧
上記内容は本書刊行時のものです。