書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
社会を変える教育 Citizenship Education
英国のシティズンシップ教育とクリック・レポートから
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年10月
- 書店発売日
- 2012年10月1日
- 登録日
- 2012年8月16日
- 最終更新日
- 2018年12月4日
重版情報
2刷 | 出来予定日: 2019-01-10 |
MORE | |
LESS |
紹介
2002年のブレア政権下に導入された英国のシティズンシップ教育。政治への参加、ボランティアへの参加や地域で支え合う市民(シティズン)を育む教育カリキュラムである。
この教育カリキュラムが欧米でも日本でも話題を呼んでいる。日本では、品川区の「市民科」、各地の「ご当地科」が生まれたり、教育課程の見直しもなされている。
シティズンシップ教育だけでなく、ナショナルテストの導入や、教育基準局(OFSTED)の設立など、英国の教育改革を評価し、日本に導入しようとする動きが多くみられるようになっている。
本書では、英国のシティズンシップ教育の事例をもとにして、日本の公民・社会科の今後のあり方、日本におけるシティズンシップ教育の導入の可能性を論じている。(第1・2編)
第三編では、英国の政治学者バーナード・クリックを委員長とする「シティズンシップ教育に関する諮問委員会」の最終報告書(通称:クリック・レポート)の邦訳版を収録。英国におけるシティズンシップ教育の導入過程や議論などを知るための重要な文献である。
教育関係者だけでなく、国・地域の政策立案に携わる方、教育や政策、市民活動やボランティアについて関心のある方に、ぜひ読んでいただきたい一冊。
目次
第一編 現下の教育課題とシティズンシップ教育
1. 教育をめぐる現代的課題とシティズンシップ
2. 社会参加・政治参加としてのシティズンシップ教育
第二編 わが国におけるCitizenship Education の導入の可能性について
-英国の事例との比較分析から-
1. 社会の変化と日本の教育における状況
2. わが国における社会科の系譜とCitizenship の教育をめぐる新しい動き
3. 英国の教育改革とCitizenship Education の導入過程
4. 英国におけるCitizenship Education の事例分析-その内容と組織体制-
5.Citizenship Education の導入,その現状と課題
6. わが国における教育の今後の改善にむけて
第三編 シティズンシップのための教育と学校で民主主義を学ぶために
Education for citizenship and the teaching of democracy in schools
Final Report of the Advisory Group on Citizenship, 1998, QCA
1. はじめに
1. 序 2.Citizenship の意義 3. 市民教育:その必要性とねらい
2. 提言
4. 提言の骨子 5. 今後の方法
3. 詳説
6. 市民教育の枠組み:到達目標
7. 他の教科と連携により市民教育を実現させる方法についての提案
8. 市民教育における学習を主要技能の育成に役立たせる方法
9. 学校全体の課題
10. 意見の分かれる問題を取り扱う際の指導法
11. おわりに
前書きなど
本書は,日本におけるCitizenship 教育の可能性を英国のそれを基底に
探った論考である。
第一編では現下の教育課題を概観し,いまなぜCitizenship 教育が求め
られるのかを述べた。執筆はボランティア学習の視点からCitizenship 教
育を研究してきた長沼豊が担当した。
第二編は日本におけるCitizenship 教育の導入の可能性について多角的
に検討したものである。執筆は社会科教育,政治教育の視点からCitizenship
教育を研究してきた大久保正弘が担当した。
第三編は1998 年に英国教育省のCitizenship 教育のための諮問委員会
が発表した「Education for citizenship and the teaching of democracy in
schools」(通称:クリックレポート)を全訳したものである。2002 年から
英国の中等教育段階で必修教科となったCitizenship は,この報告書が基
になって実践が開始されたものである。その意味で,なぜ英国がそのよう
な道を歩んだのかを知るための最も重要な文献であると言っても過言で
はない。敢えて全訳を掲載したのは,こうした理由による。和訳は,政
治的リテラシーについて研究してきた鈴木崇弘と,英語教育の視点から
Citizenship 教育を分析してきた由井一成が担当した。
本書が,これからの日本のCitizenship 教育の発展・推進に資すること
ができれば幸いである。
版元から一言
2002年に英国で導入されたシティズンシップ教育。地域社会の支え合いやボランティア活動などの社会参加、民主主義社会の有権者としての政治参加における市民(シティズン)を育む教育カリキュラムである。
バーナード・クリックを座長とした英国諮問委員会報告書「シティズンシップのための教育と学校で民主主義を学ぶために」を翻訳し、収録。
本報告書を読み解き、英国のシティズンシップ教育と日本の公民教育を比較分析し、日本での導入の可能性について論考。
公教育のありかたを問う一冊。
上記内容は本書刊行時のものです。