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田紳有楽
発行:烏有書林
四六判
352ページ
定価
2,400円+税
- 初版年月日
- 2012年6月
- 書店発売日
- 2012年6月12日
- 登録日
- 2015年8月20日
- 最終更新日
- 2024年6月26日
書評掲載情報
2012-07-08 | 東京新聞/中日新聞 |
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紹介
【2024年7月現在、新本が定価(2,400円+税)で購入可能】
「午後八時、日没とともに床に入る。腹がへったので右脚を切って食い、明日の活力にそなえてストロンチウム90を十錠飲んで平和な眠りにつく。」(「静男巷談」より)
私小説が「私」を超えたとき、なにが姿を現したか。初期の創作説話から「私倍増」小説にいたる、藤枝文学の特異な軌跡を刻印する。
眼科医のかたわら小説を書きつづけた藤枝静男の軌跡をたどる作品7篇を収録。志賀直哉らの影響を受け自らも「私小説」と呼ぶその作風は、ときに私小説の枠を軽く飛び越える。代表作「田紳有楽」をはさみ、初期の説話風小説「龍の昇天と河童の墜落」、軽妙な随想録「静男巷談」、私小説「壜の中の水」から悟入の境地を思わせる後期作品まで、奇作「田紳有楽」をより深く楽しむための作品をセレクトした。
※七北数人氏を監修者に迎えた「シリーズ 日本語の醍醐味」は、“ハードカバーでゆったり、じっくり味わって読みたい日本文学”をコンセプトに、手に汗握るストーリーではなく、密度の濃い文章、描写力で読ませる作品、言葉自体の力を感じさせる作品を集成してゆきます。
目次
龍の昇天と河童の墜落
文平と卓と僕
静男巷談(抄録)
壜の中の水
田紳有楽
みな生きもの みな死にもの
老いたる私小説家の私倍増小説
解説/七北数人
上記内容は本書刊行時のものです。