書店員向け情報 HELP
ナラティヴ・セラピー
社会構成主義の実践
- 初版年月日
- 2014年12月
- 書店発売日
- 2014年12月20日
- 登録日
- 2016年9月9日
- 最終更新日
- 2016年9月9日
紹介
ナラティヴ・アプローチの原点
待望の復刊!
ナラティヴ・セラピーの登場以降,心理療法のあり方は,根底から変わった。セラピストとクライエントの関係性に注意が向けられるようになり,クライエント とコラボレイトしてゴールを目指すという姿勢も当たり前のものになった。「客観的現実」よりも「人々の間で構成される現実」がリアリティを持つようになっ た。
その出発点となったのがこの本である。
ホワイト,グーリシャン,アンダーソン,アンデルセン……新しい心理療法の時代をつくり,根づかせた臨床家たちの試みは,家族療法の分野で始まった。90 年代に入ると,この変化の全体を見渡せる視点やその思想的背景が見えるようになってきた。それが社会構成主義(ソーシャル・コンストラクショニズム)であ り,ナラティヴという視点であった。
多くの待望の声がありながら版が止まっていたものを,今回一部訳文の再検討をし,復刊。本書は,刊行から20年近くをすぎても今なお色あせない,一番新しい心理療法の原典である。
目次
序章 シーラ・マクナミー、ケネス・J・ガーゲン
押し寄せる波
構成主義という意識の芽生え
第一章 家族療法のための再帰的視点 リン・ホフマン
一 現代心理学における五つの聖なるもの
二 メンタルヘルスにおける植民地主義
三 居心地の悪さが増すなかで
四 「再帰的reflexive」という言葉
五 専門家を消し去ること
六 セラピストの物語
七 連想の形式
八 参加の倫理
第二章 クライエントこそ専門家である――セラピーにおける無知のアプローチ
ハーレーン・アンダーソン、ハロルド・グーリシャン
一 〈社会構造〉から〈意味生成〉へ
二 治療的会話――対話モード
三 会話的質問――理解の途上にとどまり続ける
四 ローカルな意味とローカルな対話
五 治療的質問とそうでないもの
要 約
第三章 「リフレクティング手法」をふりかえって トム・アンデルセン
一 今日の私の考え
二 初期の頃――内科医として
三 別の道を探る
四 大きな転換――リフレクティング
五 面接の方法と手順
六 言葉と「自己」形成
おわりに
第四章 治療を拡げる新しい可能性 ギアンフランコ・チキン
一 エネルギーから情報ヘ
二 「備わった特質」から「現実の共同制作」という見方ヘ
三 焦点を変える――「家族」から「治療者自身」へ
四 「どっちつかずの共同制作者」
第五章 書きかえ療法――人生というストーリーの再著述
デービッド・エプストン、マイケル・ホワイト
一 「ストーリー」あるいは「物語」
二 物語を具体化してゆく演技
三 物語の不確定要素――書きかえの可能性
四 人生の「改訂版」を作る――ローズの場合
五 「書きかえ療法」――前提と実践
第六章 ナラティヴ・モデルを越えて ケネス・J・ガーゲン、ジョン・ケイ
一 モダニストの治療物語
二 ポストモダンにおける治療的現実
三 物語と実践的有用性
四 物語を越えて
五 治療的な〈動き〉
上記内容は本書刊行時のものです。