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退院してよかった
俺の仲間 くらし 未来
- 初版年月日
- 2009年9月
- 書店発売日
- 2009年9月1日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
全国の人に病気の苦しみを知ってほしいと,各地で精神障害の体験を語る講演活動をしている須藤守夫さんが,自分の歩いてきた道のりを本にした.
須藤さんは,本書で語られている貧しかった少年時代,会社に就職し精神病になったこと,精神病院でのつらい体験を,やっと多くの人に語れるようになった.やどかりの里での仲間づくりやアパート生活から得た「俺は退院してよかったよ」という思いを未だ精神病院に長く入院している仲間にぜひ届けたい1冊である.
目次
Ⅰ.私の生い立ち
結構多忙な生活を送っている/水戸っぽを生み出した故郷/7人兄弟が1つの蚊帳の中に/兎を飼って小遣いにした/みんな貧しかった時代だった/鳥,豚,牛,山羊とともに暮らす/暇をもらって家の手伝いをする/農産加工科で,物を作る楽しみを体験/民間の会社に入って病的になった
Ⅱ.精神病院
疲れて,やる気がなくなり,おかしくなった/作業療法という名目で働かされた/外勤療法でクリーニング屋へ行った/3回目の入院,かなり苦しかった/13年と長くなってしまった3回目の入院/がちゃがちゃーんと,鉄の扉が閉まる/入院してかえって病気が悪くなった/病院の食事,こたえた麦飯に/人間扱いされなかった/閉鎖病棟で,甘いものが食べたい!/男泣きした桜の花の散りどき/先行き希望のない13年間は苦しかった/「人のためになる人間になれ」……親父の言葉/幻聴,妄想,鬱……苦しい体験
Ⅲ.やどかりの里と地域での生活
見学時に仲間が話しかけてくれた/家庭的で自由があることがうれしかった/やどかりの里の職員だといってアパートに/自分の心の偏見が自分を頑なに/ひとりぼっちの不安と緊張/ようやく仲間ができて/やっぱり俺も病気なんだ/1人で暮らしてみたい/グループホームの会話には未来がある/くり返し体験することで自信がつく/自由があることこそ社会と病院との決定的な違い/怖いやくざがかわいい女学生に/自立する自信がついて援護寮を出た/仲間づくりの基礎を学んだ/納得するまで話し合う/みんなで朝食を食べ合う/できるだけ自分たちで支え合う/先輩との出会い もう一つの生き方の発見/体験を語る充実感/グループホームのリーダーとして/自分の体験を生かした仕事を/兄貴分みたいな存在に/環境がいい所では調子よく暮らせる
版元から一言
<やどかりブックレットとは>
障害があっても働ける!一人暮らしも!結婚も!
精神障害のある人が回復の体験と知恵を語る
『やどかりブックレット』は,障害のある人自らが,発病から回復に向けての体験,障害を持ちながらの暮らしなど,率直に,ありのままを語っている本です.希望のふちにいる人,病気になって戸惑っている人,将来への希望が見出せるはずです.
また,この本の企画・編集・印刷・販売には,多くの精神障害のある人たちが携わっています.
上記内容は本書刊行時のものです。