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ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全作品解説
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年12月
- 書店発売日
- 2013年12月6日
- 登録日
- 2013年11月8日
- 最終更新日
- 2020年4月10日
重版情報
4刷 | 出来予定日: 2021-04-15 |
3刷 | 出来予定日: 2020-04-07 |
2刷 | 出来予定日: 2016-01-29 |
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紹介
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)の全32曲のピアノ・ソナタは、一作一作が音楽史上の画期をなす金字塔であり、後世のすべてのピアニストにとって聖典ともいえる価値をもつ。本書は少年時代の佳作《選帝侯ソナタ》を含む全35作品を、豊富な譜例とともに解説。ベートーヴェンがハイドン、モーツァルトによって切り拓かれたソナタ形式といかに向き合い、格闘し、完成させたか、そしてピアノ・ソナタがいかに彼自身の交響曲や弦楽四重奏曲の発想の源となっているかが、作曲年代順の構成により、説得力をもって伝わってくる。
目次
はじめに
◎1770–1792 ボン時代
選帝侯ソナタ 変ホ長調 WoO. 47-1
選帝侯ソナタ ヘ短調 WoO.47-2
選帝侯ソナタ ニ長調 WoO.47-3
◎1793–1801 初期
ピアノ・ソナタ第1番 ヘ短調 作品2–1
ピアノ・ソナタ第2番 イ長調 作品2–2
ピアノ・ソナタ第3番 ハ長調 作品2–3
ピアノ・ソナタ第19番 ト短調 作品49–1
ピアノ・ソナタ第20番 ト長調 作品49–2
ピアノ・ソナタ第4番 変ホ長調 作品7
ピアノ・ソナタ第5番 ハ短調 作品10–1
ピアノ・ソナタ第6番 ヘ長調 作品10–2
ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 作品10–3
ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 作品13《悲愴》
ピアノ・ソナタ第9番 ホ長調 作品14–1
ピアノ・ソナタ第10番 ト長調 作品14–2
ピアノ・ソナタ第11番 変ロ長調 作品22
ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調 作品26《葬送》
ピアノ・ソナタ第13番 変ホ長調 作品27–1《幻想風》
ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 作品27–2《月光》
ピアノ・ソナタ第15番 ニ長調 作品28《田園》
◎1802–1813 中期
ピアノ・ソナタ第16番 ト長調 作品31–1
ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 作品31–2《テンペスト》
ピアノ・ソナタ第18番 変ホ長調 作品31–3
ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 作品51《ヴァルトシュタイン》
ピアノ・ソナタ第22番 ヘ長調 作品54
ピアノ・ソナタ第23番 へ短調 57《熱情》
ピアノ・ソナタ第24番 嬰へ長調 作品78《テレーゼ》
ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 作品79《かっこう》
ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調 作品81a《告別》
◎1814–1827 後期
ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調 作品90
ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 作品101
ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 作品106《ハンマークラヴィーア》
ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 作品109
ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 作品110
ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 作品111
◎付録
ピアノ・ソナタのロンド、メヌエット、スケルツォと変奏曲、小品について
◎エッセイ
小さなソナタに秘められた野望(平野 昭)
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ読破の夢(岡田暁生)
フォルテピアノの音域とベートーヴェンのピアノ・ソナタの創作
──限られた音域の中でベートーヴェンは何を模索したのであろうか(西原 稔)
ベートーヴェンのピアノ・ソナタと私(根岸一美)
作品31に寄せて(舩木篤也)
ソナタは実験台だった!?(野本由紀夫)
ハイドンから見たベートーヴェン
──ソナタ第24番《テレーゼ》を中心に(伊東信宏)
笑って、真面目に(長木誠司)
ベートーヴェンとピアノ(筒井はる香)
あとがき
註
参考文献
前書きなど
はじめに
ベートーヴェンのピアノ・ソナタは、交響曲・弦楽四重奏曲と並んで、ベートーヴェンの創作のもっとも重要なジャンルである。ピアノの「新約聖書」と呼ばれるように、音楽史上でもきわめて大切な曲集であり、ピアニストにとってはなくてはならないレパートリーである。ベートーヴェンが打ち立てた金字塔といっていいだろう。そのようなピアノ・ソナタを平明に説明し、簡単に入手できる本が、ほとんどなかった。そこで本書は音楽愛好家、ピアノニスト、ピアノ教育者・学習者の手引きとなるように、すぐに読める解説書をめざした。「簡潔」「正確」「読みやすい」「ためになる」がモットーである。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタといえば、第1番から第32番までの32曲とするのが一般的だが、少年時代にボンで作曲した《選帝侯ソナタ》も、弾く(聴く)に値する曲として加え、35曲とした。基本的に各曲読み切りとして、読みやすくすることを心がけたので、多少の記述の重複はご寛恕願いたい。作品成立の背景にも心をくだき、ソナタをとおしてベートーヴェンの生涯も概観できるようにした。とくに成立時期については、スケッチ研究の成果をできるだけ生かして、正確な時期を推測するように努めた。付録のエッセイはさらなるピアノ・ソナタ理解のために、補論は変奏曲などソナタ以外のピアノ作品に目を向けるために、それぞれ役立つだろう。
音楽を志すみなさんが楽しく読め、ハンドブックのように手元に置いて、作品を勉強したり鑑賞したりするために、少しでも活用していただければ幸いである。
上記内容は本書刊行時のものです。