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日韓民衆史研究の最前線
新しい民衆史を求めて
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年12月
- 書店発売日
- 2015年12月25日
- 登録日
- 2015年11月18日
- 最終更新日
- 2016年2月9日
書評掲載情報
2016-01-24 |
東京新聞/中日新聞
評者: 小倉紀蔵(京都大学教授) |
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紹介
民衆運動史研究がかつてのような活力を失ってしまった今、民衆史研究はどのように展開されていくのであろうか。日本と韓国の研究者が意見を交換するなかで生まれた成果である本書は、日本だけでなく韓国の民衆史研究者も参加した共同論集である。最近の民衆史研究の方法を踏まえながら、東学農民戦争に参加した農民、「産業戦士」と呼ばれた日本や韓国の労働者たちなどの多様な民衆、アイヌや被差別民、女性などのマイノリティや民衆による彼らへの暴力の問題などを描き出す。日韓の研究者が新しい民衆史を求め、一国史的発想の打破を試みる。
目次
はじめに 深谷克己
第Ⅰ部 方法論をめぐる葛藤
一 メディアを利用しての民衆史研究 須田 努
二 民衆運動史研究の方法 趙 景 達
三 東学農民戦争に対する新しい理解と内在的接近 裵 亢 燮(鶴園 裕・飯倉江里衣 訳)
第Ⅱ部 多様な民衆像
一 東学の布敎と儒敎倫理の活用 李 京 遠(趙 景 達 訳)
二 一八九四年 東学農民軍の郷村社会内での活動と武装蜂起についての正当性論理 洪 東 賢(伊藤俊介 訳)
三 甲午改革における警察制度改革と民衆の警察認識 伊藤俊介
四 足尾鉱毒反対運動指導者田中正造における「自然」 中嶋久人
五 民衆の徴用経験 佐々木啓
六 産業化初期の韓国における労働福祉制度の導入と労働者の対応 張 美 賢(金 鉉 洙 訳)
第Ⅲ部 マイノリティからの視点
一 マイノリティ研究と「民衆史研究」 檜皮瑞樹
二 民衆の暴力と衡平の条件 張 龍 経(伊藤俊介 訳)
三 神戸の港湾労働者と清国人労働者非雑居運動 青木 然
四 孤独な叫び 蘇 賢 淑(金 鉉 洙 訳)
五 「貞操」言説の近代的形成と法制化 韓 奉 錫(久留島哲 訳)
六 奄美諸島における「周辺」型国民文化の成立と展開 高江洲昌哉
交流の歩み アジア民衆史研究会二五年の「回顧と展望」 鶴園 裕
表「交流の記録」 中西 崇
上記内容は本書刊行時のものです。