書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
鴎外 わが青春のドイツ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年11月20日
- 書店発売日
- 2020年11月17日
- 登録日
- 2020年10月21日
- 最終更新日
- 2021年1月27日
紹介
19世紀末、森鴎外が留学の地ドイツに赴き滞在したベルリン、ライプツィヒ、ドレスデン、ミュンヘンの四都市を、「舞姫」「文づかひ」「うたかたの記」「独逸日記」などの作品を取り上げ、写真と解説で追体験する。
目次
まえがき
Ⅰ ベルリン―『舞姫』の舞台
マリーエン教会/ブランデンブルク門/ベルリン森鴎外記念館/コッホ研究所/シャウシュピール
ハウス/クロスター教会/ペルガモン博物館
Ⅱ ライプツィヒ・ドレスデン ―『文づかひ』の舞台
ライプツィヒ駅/オペラ座/旧市庁舎界隈/デーベン城/マッヘルンの騎士の館/ドレスデン王宮/ゼンパーギャラリー/ゼンパーオーパー/下宿跡/アルベルト王との対面/もう一人のエリス/女性解放運動家ルイーゼとの出会い/ゴオリスでの送別の宴
Ⅲ ミュンヘン―『うたかたの記』の舞台
ミュンヘンの凱旋門/ババリア像/王立美術学校/演劇の都/シュタルンベルク湖/ノイシュヴァンシュタイン城
あとがき
鴎外留学日録 一八八四年(明治十七)~一八八八年(明治二十一)
前書きなど
そのように個性豊かな四都市(ベルリン、ライプツィヒ、ドレスデン、ミュンヘン)で留学生活を送った若き鴎外は、まさしく人生の青春の旅を送っていたと言えるだろう。四都市は「青春」というドラマの舞台であると呼ぶことができる。四都市は、「青春」というドラマの四幕それぞれの舞台であり、鴎外は舞台に立つ若き俳優である。しかも、舞台である各都市の歴史や文化という舞台背景により、主役である鴎外の役柄は異なっていた。ミュンヘンではイタリア風の芸術の都という舞台背景により、鴎外には芸術家の風貌が認められ、ライプツィヒ、ドレスデンでは音楽、学術、王宮といった華麗な舞台背景により、鴎外には外交官や学者といった風貌があり、ドイツ帝国の大首都ベルリンでは官僚としての堅苦しい表情が強まる。
そもそも鴎外のドイツ留学は、軍医である官吏として明治国家に命じられたものであり、医学研究が目標であったが、内面では学問芸術好きの若者として西洋の学問芸術を「処女のごとき官能」で味わい尽くしたいという意欲を秘めていた。その意味で、鷗外の知性と感性、すなわち頭脳と五感を全的に満足させるために、これらドイツの四都市を経めぐる「青春の旅」が予定されていたのである。「青春のドイツ」の旅は若き鴎外の夢の実現であり、発見と解放の旅であった。ドイツにおける鴎外の足跡をたどることで、誰もが鴎外の青春の豊穣さに驚くことであろう。(本書「まえがき」より一部抜粋)
上記内容は本書刊行時のものです。