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王朝活劇 歌の声 高野 澄(著) - 人文書館
.
連作 後白河法皇 【上】

王朝活劇 歌の声

発行:人文書館
四六判
368ページ
上製
価格 3,800円+税
ISBN
978-4-903174-40-2
Cコード
C0095
一般 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年9月30日
書店発売日
登録日
2019年9月23日
最終更新日
2019年10月9日
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紹介

遊びをせんとや生(うま)れけむ、
戯(たわぶ)れせんとや生れけん、
遊ぶ子供の聲きけば、
我が身さえこそ動(ゆる)がるれ。

練達のヒストリー・テラーによる、奇想天外な歴史ファンタジー小説!
主題は軽やかに展開するが、背後に隠れているメッセージを読者に読みとってほしい。
この時代だからこそ伝えたい。

この国を覆う閉塞感、政治不信と平和不信に陥っている、
私たち現代人への問い掛け!

平安時代の京都と昭和時代の東京のあいだを往ったり来たりする物語。
後白河法皇は、昭和時代の東京で、グンブが威張っているのがお気に召さない。
そこで、「平安時代の流行歌の今様(いまよう)歌を東京で流行させ、
ひとのこころを平安にすればグンブが威張れるのはむずかしくなるはずだ」と、
まあ、このようにお考えになったんですね。
東京に住む声のいい女の子を拉致して京都に集め、
―今様の本場の美濃(みの・岐阜県)の青墓(あおはか)の
歌い手たちを青墓傀儡(くぐつ)というのですが―
彼女たちに今様歌のレッスンを受けさせ、東京に送り込む作戦をたてた。
ここまではいいが、さて、その先は、となると、
ゴタゴタ、テンデンバラバラの繰り返し。
そして、昭和11(1936)年、2月26日の恐怖の大事件が結末となる。

* 後白河法皇(1127~92)
名は雅仁(まさひと)。
熾烈をきわめた権力闘争のなか、二条天皇、平清盛などと対立し、
幾度となく幽閉され、院政も停止されたが、
たくみな権謀でその度に復権している「治天の君」である。
源頼朝による鎌倉幕府の武家政権とは多くの軋轢も抱えたが、
その後の公武関係の枠組みを構築、
古代末期の政治過程の中に大きな役割を果たした。
和歌は不得手であったようだが、当時流行した
今様(いまよう)を『梁塵秘抄』に書きとどめるなど、
文化的にも大きな功績を残している。
後白河院は、乙前(おとまえ)という遊女を今様の師とし、
当代一の芸能者となり、戯歌、男女の機微などを歌う
今様歌謡の編集・集成を手掛けた。

* 今様とは、平安時代中期から鎌倉時代の流行歌謡であり、
遊女たちが唄った今様には、貴族の文学にはない、
素朴な詩情が溢れている。

目次

一ノ章 ひとさらい
二ノ章 法皇雅仁は今様歌を政治の具とする
三ノ章 浅草のカフェー黒竜江
四ノ章 平安京でレコードとチコンキを実験製造
五ノ章 カフェー黒竜江 両軍対峙の火花
六ノ章 二十世紀の新作今様歌 ♪ナンノ掟があるものか
七ノ章 苦境のヤマト・レコード 起死回生の秘策
八ノ章 法皇の密使 狩出し作戦
九ノ章 昭和十一年二月二十五日 東京の夜は清冽に更(ふ)ける
十ノ章 歌合戦・歩兵連隊・女の大群
十一ノ章 ♪空にゃ今日も アドバルーン

前書きなど

【筆者より】
後白河法皇の密使が昭和の東京に現れた。
声のいい女の子がつぎつぎと行方不明になる。
攫われた女の子は平安時代の青墓で傀儡として訓練され、
密使とともに東京に潜入する。
一方、法皇に職を奪われた楽人の山階逸男は、
源頼朝をそそのかして平家打倒に立ちあがらせ、
怨みかさなる法皇の背後勢力を削ごうと伊豆にゆくが、
箱根の関所で道をまちがえ、かつはマッチのラベルに描かれた
デンチクの絵に心ひかれて浅草のカフェー黒竜江に姿を現した。
このカフェー黒龍江こそは法皇の密使の拠点なのだ。
あやうし、法皇の密使!
青墓―アオハカという地名の面白さ、この一点だけにひかれて構想がふくらんだもの。
歌舞音曲が大好きという、ぼくの知られざる一面をお目にかけたいと考えております。

*以下、続刊予定
連作 後白河法皇【中】『大原寂光院 亡魂慰霊の鐘の音』
連作 後白河法皇【下】『阿波内侍から島倉千代子へ 祈りの響き』

著者プロフィール

高野 澄  (タカノ キヨシ)  (

1938年、埼玉県坂戸市生まれ。
同志社大学文学部社会学科卒業。新聞学を専攻。
立命館大学大学院史学科修士課程修了。
専攻は、日本近代史。
立命館大学助手を経て、著述専業、歴史研究家・作家に。
これまでの刊行著作は百十冊。

主な著書
『徳川慶喜 近代日本の演出者』(NHKブックス)
『麒麟、蹄を研ぐ 家康・秀忠・家光とその時代』(NHK出版)
『武芸者で候 武蔵外伝』(NHK出版)
『風狂のひと 辻潤 尺八と宇宙の音とダダの海』(人文書館)
『オイッチニーのサン 「日本映画の父」マキノ省三ものがたり』(PHP研究所)
『京都の謎(シリーズ)』(祥伝社)
『文学でめぐる京都』(岩波ジュニア新書)
 (復刊タイトル『古典と名作で歩く本物の京都』)
『大杉 栄』(清水書院)など。

上記内容は本書刊行時のものです。