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風土紀行
第1版
地域の特性と地形環境の変化を探る
- 出版社在庫情報
- 絶版
- 初版年月日
- 2009年3月
- 書店発売日
- 2009年3月20日
- 登録日
- 2020年6月5日
- 最終更新日
- 2020年6月5日
紹介
《地理の授業実践と地理学の復興》 *野外巡検一覧と資料例付*
森林サバナ帯の「ガリー」(雨裂)や房総の「川まわし」の人為地形を考察し、ビャクシン(柏槙)の巨樹や古木を各地に訪ね歩き、「ういろう」(外郎)の沿革や「くだら」(百済)の読みを探る
‘A General Geographer’の最新作
目次
第Ⅰ章 地形的自然と風土
1 地形と風土
2 日本の風土と自然災害の性格
3 富士山の特質を考える
4 人為が影響した峡谷の形成
5 風土と地域・環境との関わり
6 「地理学巡検」を顧みる
第Ⅱ章 樹林地に風土を探る
1 木を見て森を見る
2 湯河原など沿岸地帯のビャクシン
3 ビャクシン探訪三題
4 ビャクシンの種々相
5 建長寺のビャクシン、古長禅寺のビャクシン
6 林道を歩く
7 沼津の千本松原
8 諏訪湖畔を歩く
第Ⅲ章 都市近郊の丘陵・山地に風土を探る
1 大磯の附近―高麗山とその山麓
2 新緑の頃、生藤山に行く
3 黒山三滝
4 伊香保へ行く
5 川原湯温泉
6 甲子温泉とその周辺
7 折々の箱根路・足柄路
8 箱根の碓氷峠と十国峠
9 太閤の石風呂
10小夜の中山
第Ⅳ章 集落や市街地に風土を探る
1 「ういろう」考
2 カラスのこと、百済のこと―隣国に関わる話
3 品川界隈―東海七福神
4 鶴見二景
5 三浦の西浦 佐島、芦名の辺り
6 関宿訪問―平将門の痕跡
7 本庄を歩く
8 筑豊や水明の日田に寄る
9 桜島の降灰と地理の卒論
前書きなど
風土」の語はとても耳障りがよいと思う。古くから使われてきたし、本来の意味から離れて一般化されてもいる。例えば「企業風土」とか「相撲界の風土」といったように使われている。企業の体質とか相撲界の体質と表現すれば済みそうなものだが、やはり「長年にわたり蓄積され、つちかわれてできた性質」の意味をこめたいとする表現として、まずは適切かと思われる。
「風土」は地表の場所ごとに、そこの自然に立脚しながら人の営みが続けられ、長年にわたり培われて来たものの醸し出す地域の特性である。風土はそこの自然とは切り離せないが、その自然は住民達の経験を介して捉えられる範囲にある。「風土」を理解し感得するには、その場所まで出かけて行って、つまり旅をして接触し感得するのが最良の方法と思われる。地図や画像や統計数値はそれなりに利用するに越したことはないが、現地に踏み込んで見聞し確認する自らの体験に優るものはない。まさにフイールド・スタデイの好目標となるであろう。
版元から一言
注目のフィールド・スタディ文庫、第3弾
上記内容は本書刊行時のものです。