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現代の貧困と公的扶助
低所得者に対する支援と生活保護制度
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年4月
- 書店発売日
- 2016年5月15日
- 登録日
- 2016年8月18日
- 最終更新日
- 2018年2月16日
目次
はじめに
第1章 現代の貧困と公的扶助
第1節 現代の貧困問題
第2節 貧困概念の変遷
第3節 公的扶助の概念・範囲とその役割
第2章 公的扶助の歴史
第1節 イギリスの公的扶助の形成
第2節 日本における公的扶助の形成
第3章 生活保護制度の仕組み
第1節 生活保護の理念と目的―最低生活保障と自立助長、個人の尊厳と自己実現
第2節 生活保護の基本原理
第3節 生活保護の原則
第4節 生活保護の種類
第5節 保護の実施責任
第6節 保護施設
第4章 生活保護基準
第1節 生活保護法における生活保護基準の内容と特徴
第2節 生活保護基準の実際
第3節 生活保護基準算定方式の変遷
第4節 生活保護基準をめぐる動向と課題
第5章 生活保護における権利と義務
第1節 被保護者の権利および義務
第2節 不正受給(第78条、第85条)
第3節 不服申立てと訴訟
第4節 生活保護裁判の歴史と争点
第6章 生活保護の運営実施体制
第1節 国・都道府県・市町村の役割
第2節 福祉事務所の役割
第3節 資格制度と専門性の確保をめぐる現状と課題
第4節 これからの福祉事務所を考える
第7章 生活保護の動向
第1節 被保護世帯数および被保護人員
第2節 保護世帯の動向
第3節 保護の開始・廃止の動向
第8章 生活保護における相談援助活動
第1節 生活保護における相談援助活動
第2節 相談援助の展開過程
第3節 相談援助の実際―事例
第4節 生活保護法における相談援助と自立支援
第5節 生活保護の在り方に関する専門委員会報告と自立支援プログラム
第6節 生活保護法改正と自立支援
第9章 生活困窮者自立支援法
第1節 貧困・生活困窮の拡大・深化
第2節 第二のセーフティネットと生活支援戦略
第3節 生活困窮者自立支援法
第4節 求職者支援制度
第10章 低所得者対策の概要
第1節 生活福祉資金
第2節 母子世帯と児童扶養手当
第3節 子どもの貧困
第4節 ホームレスの対策
第5節 その他の低所得者対策
巻末資料
索引
前書きなど
本書は、社会福祉士、精神保健福祉士国家試験受験者向けの公的扶助論(低所得者への支援と生活保護制度)のテキストであるとともに、福祉現場で働く関係者に、ともすれば誤解を生みやすい生活保護制度を、生活保護法本来の趣旨に基づきわかりやすく解説したものです。
本書の特徴は、第1に、社会福祉士、精神保健福祉士国家試験向けのテキストとして、過去に出題された分野、論点はもとより最新の法改正や政策の動きを基本的に網羅しました。また、貧困概念、公的扶助の原理、原則や保護基準、生活困窮者自立支援法をはじめとした自立支援の方策、公的扶助ケースワーク、福祉事務所等の実施体制、生活福祉資金、ホームレスやひとり親など低所得・生活困窮者向けの制度などについて、単なる概念や制度の紹介だけでなく、「なぜそのような概念や原理や原則、制度が存在するのか」、制度の存在理由まで立ち返って学ぶことができるように努めました。
第2に、本書は、福祉現場で貧困と向き合っている福祉関係者の実践に役に立つ書でもあります。貧困や格差が拡大している現代の日本は「貧困大国」と言われています。福祉事務所の生活保護ケースワーカーを始め、多くの福祉関係者は日々貧困と向き合い日夜格闘しています。現場の福祉関係者にとって、生活保護制度は所得保障と支援(ケースワーク)がセットとなった強力なツールです。しかし、制度と受給者への偏見があおられ、支援者の中にも誤解が広がっています。この点で本書は、現場で起きがちな疑問や誤解に対し、生活保護本来の考え方と実践的な解決法を簡潔に示すことに努めました。
上記内容は本書刊行時のものです。