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「精神薄弱」乳幼児福祉政策の戦後史 井原 哲人(著/文) - 高菅出版
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「精神薄弱」乳幼児福祉政策の戦後史 権利保障体系の展開と変質

発行:高菅出版
A5判
縦210mm 横151mm 厚さ17mm
364ページ
並製
価格 3,700円+税
ISBN
978-4-901793-70-4
Cコード
C3036
専門 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年3月
書店発売日
登録日
2017年2月22日
最終更新日
2018年2月16日
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目次

序 章
 第1節 問題の所在
 第2節 研究の視角と方法

第Ⅰ部
第1章 法理念の具体化に向けた葛藤と労働力育成のための運用
 第1節 「権利」の具体化に向けた胎動
 第2節 「将来の労働力」育成としての児童福祉法の運用
第2章 権利としての発達を否定する人的資質向上策の展開
 第1節 平等を基礎とした発達保障思想の形成と普及
 第2節 効率的な人的資質向上策による施策体系の序列化
 
第Ⅱ部
第3章 権利獲得運動の展開と行政裁量の拡大
 第1節 発達保障思想の普及による権利獲得への道程
 第2節 限定的な「権利」規定の下での施策拡大
第4章 権利保障体系と行政裁量の交錯
 第1節 療育システム化への萌芽
 第2節 権利保障体系の沈滞と行政裁量による糊塗

第Ⅲ部
第5章 「日本型福祉社会論」にもとづく施策の総合化
 第1節 専門性に依拠した療育システム構想の提起
 第2節 国家責任の転嫁を進める「日本型福祉社会論」
第6章 行革審による構造改革への助走
 第1節 権利と利便性の混在する療育システム構想
 第2節 国家責任の限定化と統制の強化
第7章 構造改革に誘導する療育システムの整備
 第1節 構造改革の促進と対抗の交錯
 第2節 権利保障体系の形骸化をすすめる療育システム
終 章

補論 2000年以降の市場化の展開と行政の管理統制による「準市場」の現状
 第1節 構造改革のさらなる展開
 第2節 児童発達支援への再編による権利保障水準の低下
 第3節 保育所を超える支援センターの民営化
あとがき
引用文献・参考文献

前書きなど

 本研究は、戦後、児童福祉法が制定されてから、「精神薄弱」乳幼児福祉施策の供給体制として通園施設や保育所等を構成要素とする「療育システム」が構築されるまでの期間(1947年~1999年)を対象とし、憲法・児童福祉法および児童福祉施設最低基準に担保されてきた権利保障体系の変容過程を明らかにするとともに、権利保障に資する精神薄弱乳幼児福祉施策を構築するための課題を明らかにする。そのために本研究では、政策主体による「対象の対象化」によって精神薄弱乳幼児福祉政策が創出・管理・運営されたものととらえ、政策における基本的構成要素である目標・対象・手段の設定がどのようなものであったのかを検討する。本研究が「精神薄弱」を対象とするのは、「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護」される権利を有するとした児童福祉法の理念に対して(法第1条第2項)、精神薄弱児施設においては「保護するとともに、独立自活に必要な知識技能を与える」と、経済的自立が中心的課題として設定され、法制定当初から能力主義の見地から、あるいは「発達不能」等により最も差別視されてきたことによる。それは、「能力主義によって『能力が劣るとされる』人は、その基準しだいで、『すべり坂』を転げるようにいかようにでも広げられる」と、能力主義による弱者排除の連続性が指摘されるように、これまで排除されてきた精神薄弱乳幼児の権利保障に資する福祉施策の構築が、普遍的な児童の権利保障に通底していると思われるためである。

版元から一言

 膨大な資料をもって書かれた力作です。どうぞ手にして読んでください。

著者プロフィール

井原 哲人  (イハラ アキヒト)  (著/文

白梅学園大学子ども学部家族・地域支援学科講師

上記内容は本書刊行時のものです。