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ケアのフォークロア
対人援助の基本原則と展開方法を考える
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年2月
- 書店発売日
- 2013年3月15日
- 登録日
- 2016年9月11日
- 最終更新日
- 2018年3月9日
目次
序
第1章 ケアの原風景を考える
―救済としてのケア、死を思うケア、そして人格の統合と再生、そして調和の物語
1 ケアを語る原風景としての文学と絵画、そしてファンタジー
2 「救済としてのケア」について考える―芥川龍之介『蜘蛛の糸』から
3 メメント・モリ(死を思え)とケアの意味―グスタフ・クリムトの『人生の三時期』から
4 人格の統合と再生、調和の物語としてのケア―U.K.ル=グウイン『ゲド戦記』の世界から
第2章 ライフの視点とケアをめぐる言葉たち
1 ライフの視点:ケアという言葉、そして希望としてのケア
2 ケアの周辺にある言葉たち
3 「痛み・苦痛」に向かうケアの指向性―緩和と除去の意味
4 危機介入におけるケアの担い手の基本的役割
5 ケアをめぐるクーラの物語―ケアと人間の存在様式
第3章 ケアの基本原則と生活問題の構造的理解の方法
1 バイスティックの「ケースワークの7原則」を考える
2 クライエントの問題状況をどのように理解するか―事例をとおして、生活問題の特徴・視点・構造的理解の方法を学ぶ
3 事例演習の中で「生活問題を構造的に理解する視点」を学ぶ―問題事例創作ワークの展開方法
4 ケアの現場を支える援助の視点と基本原則―アリアドネの糸としてのケアとは
第4章 ケアの担い手の病理現象とは何か―バーンアウト・シンドローム(燃え尽き症候群)への理解
1 バーンアウト・シンドロームと呼ばれる病理現象―ケアの担い手を支える方法について
2 バーンアウト状態から、ケアの担い手はどのように回復するのか
3 バーンアウトを予防する方法と今日的課題
第5章 対象喪失とケアの方法―「喪(悲哀・悼み)」へのケアを考える
1 「喪(悲哀)の仕事」とは何か
2 喪(悲哀)の仕事とケアの視点―悲哀の心理と回復過程を中心に
3 「悲哀の物語」から「希望の物語」へ
第6章 ケアの稽古論―援助技能が身に付くとは、どういうことなのか
1 ケアの担い手を育てるときに必要なこと―指導者・教育者が理解しておくべきことは何か
2 芸事(アート)として、ケアの「型」について考える―相談援助面接の技能を習得する場合
3 ケアの身体論―「皮・肉・骨の事」
4 「形から型へ」、そして、「実践へ向かう型」―序・破・急の意味
5 学習の場から稽古の場へ
第7章 シャーマニズムとケアの関係論―ケアの人類学を求めて
1 シャーマニズムとは何か?
2 ネオ・シャーマニズムにおけるシャーマンの概念
3 ケガレとケアの関係
第8章 ケアの現場で生きること―ケアは深くて暗い迷宮から始まった
1 援助実践の場としてケアの現場を考える
2 ケアにおける時間性の問題を考える―時間を回復する意味と援助計画
3 庭師としてのケアの担い手―手入れの思想
4 有能であること、無害であること―信頼される援助者とは誰か
5 ケアの覚書―「型」としての6つの基本技法
6 クライエントにとって、ケアの担い手の存在とは
7 ケアの担い手に関する精神的健康度―7つの基準について
終章 ケアの寓話、そして、大切なもの
1 ケアの寓話―ケアの担い手に、問われていること
2 ケアにとって大切なもの―ケアの境界線を超えて
エピローグ ささやかな感謝と願いを込めて
前書きなど
ケアについて語ること
対人援助の実践現場で日々繰りかえされる仕事の中でケアの担い手(対人援助職者)は何を思い、何に悩み、何を願い、何を考えているのだろうか?
そして、ケアという仕事の中で、対象者(例えば、クライエント・障害者・高齢者・患者・子ども達)や同僚達との関わりの中で、実は、心と身体の芯まで疲れ果て、悩み続けているケアの担い手たちは私たちのまわりに一体どれだけいるのだろうか。
この「問い」は、他人事ではなくまさにケアの担い手である「自分自身への問いかけ」なのだと理解してほしい。
版元から一言
大学のテキストなのですが、しかし、エッセイのような。ケアの本質を語るということは結局それに関わる人間について語らねばならないということを教えられるような本です。社会福祉を学ぶ間よりも、人生の節目節目にふと開いて読めます。
上記内容は本書刊行時のものです。