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贈られるお菓子に真実の幸せを添えたい
孤高の味わいを作り上げた心の歴史とともに
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年11月
- 書店発売日
- 2012年11月30日
- 登録日
- 2012年1月10日
- 最終更新日
- 2012年12月4日
紹介
代官山「ラ・パティスリー イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ」で人気の手土産、クッキー、サブレ、パイ、ダックワーズ、クリスマスのシュトレン、ビルヴェッカなど完全網羅。「ここが日本一おいしいフランス菓子店」を自負する、パティスリーの味が自宅でも作れます!
目次
第1章
開店から今までずっと、常にイル・プルー・シュル・ラ・セーヌの顔
~こんなに多くの素晴らしい味わいの表情のダックワーズとクッキー~
アーモンドプラリネのダックワーズ
アーモンドプラリネのダックワーズ(キッチンエイド仕込み)
コーヒーとキャラメルのダックワーズ
柚子のダックワーズ
ココナッツのダックワーズ
チョコレートのダックワーズ
マロンのダックワーズ
松の実のダックワーズ
バトネ・フロマージュ
サブレ・ノワ・ドゥ・ココ
サブレ・ショコラ
サブレ・プラリネ
チュイル・オ・ザマンドゥ
第2章
驚かずにはいられない、一人のパティスィエが作り上げた、果てしなく広い味わいの世界
~店の歴史そのものの、とびきりのおいしさの数々の懐かしいお菓子から新作~
ポンス・ノワゼットゥ
サブレ・デュ・マンディアン
パレ・オ・プラリネ・アマンドゥ
ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール&オ・テ
ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール(キッチンエイド仕込み)
チーズとアーモンドの塩味のクッキー
チーズとアーモンドのカレー味のクッキー
ギャレットゥ・ノワ
あくの強いチョコレートと塩味のクッキー
クレオル
リーフパイ
ラング・ドゥ・ブッフ・ア・ラ・キャネル
西洋かりんと
ピーナッツのクッキー
ナッツのクッキー
チョコレートとナッツのクッキー
かぼちゃのクッキー
パン・オ・フリュイ・セック
第3章
フランスの昔からのお菓子も、この日本でもさらに豊かな表情を見せる
~本場よりもおいしいと言わしめた数々の味わい~
ガレット・ブルトンヌ
フィナンスィエ
マドゥレンヌ
ガトー・ウイークエンドゥ
フール・ポッシュ(オランジュ、アーモンド、松の実)
ガトー・バスク、ガトー・バスク・オ・ショコラ
アンガディーネ
ヌガー・ドゥ・モンテリマール
ヌガー・ドゥ・モンテリマール・ショコラ
ヌガー・ドゥ・モンテリマール・ピスターシュ
マンデル・シュトレン
ビルヴェッカ
ポルボロン
パンデピス
前書きなど
弓田亨 挨拶文
この本はある意味ではこれまでイル・プルー・シュル・ラ・セーヌが歩んできたお菓子作りの道筋を振り返るものです。
それぞれの時期に、イル・プルーの顔であり続けた多彩な贈り物としての焼き菓子のシリーズです。
これらのうちの、どれ一つをとっても食べる人に大きな満足感を与えない物はありません。これらのお菓子の90%は全くの私のオリジナルであり、この日本で生まれた味わいなのです。様々のお菓子があります。そのうちのどれをとっても味わいの表情は異なります。それぞれに豊かな表情と物語があるのです。
お菓子に限らず、一人の人間が作る作品はほぼ似通った方向性とトーンに縛られています。でも私が作る様々のお菓子は一つ一つが他とははっきりと異なる個性を持っています。一人の人間が作ったとは思えない様々な味わいの方向性とトーンを持っているのです。
私は自分のつくる味わいは、私の人間性が作り出すと考えています。
私の生まれおちてからの辿ってきた人生の総体が今、様々の味わいを作り出すと考えています。
特に激しい多感に喘いでいた頃に読んだ様々の本から得た様々の人生、感情、そしてこれまでの様々な時には異常ともいえる感情の動き。これらすべてが私の心の奥深く、下り行き、年月の中でそれらはドロドロに混ざり合い、そしてフツフツと醸成し続け、新たな私の表情となって今、意識の表面に浮き上がり、私に様々の表情のお菓子を作らせているのです。
ある方からこんな手紙を頂きました。イル・プルー・シュル・ラ・セーヌのお菓子を久しぶりに代官山のパティスリーで食べました。とても心にしむおいしさでした。そして家についてからは涙が溢れ出てきました。私はこんなことを語って頂き本当に嬉しい。
私のお菓子にはあの時の身をよじり、喘いだ、心捨てられた悲しみや幸せに身を震わす感情が味わいとなって現れているのです。
この本に出てくるお菓子の全てが私の一部分であり、これを束ねたものが私という人間なのです。この本では今までよりさらに一つ進めてそれぞれのお菓子の味わいを作り出した背景、私の心の表情を一つずつなぞって言葉に表しました。私は、私の初めての著書『Pâtisserie francaiseそのimaginationⅠ』で他の国で培われてきたフランス菓子などを作る必然性などは何もないこの日本で真のフランス的な味わいを作り上げるには、精神性が必要であると声を挙げました。しかしこれは殆どの人には特異な考えと眉をひそめられました。何故ならこれは今でも全く同じ状態なのですが、お菓子は配合によって作られるものであり、それが全てなのだ。配合に従って材料を量り、機械的に混ぜればお菓子は出来るものだと考えられていたからです。
しかし今でも「精神性がお菓子を作る」という考えは少しも変わっていませんし、完全な確信となって私のフランス菓子作りの中核となっています。
上記内容は本書刊行時のものです。