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物品と動作の呼称検査
その背景・特色と呼称セラピーのための評価
- 初版年月日
- 2017年12月
- 書店発売日
- 2017年12月25日
- 登録日
- 2018年1月23日
- 最終更新日
- 2018年1月24日
紹介
エスコアールより販売している「物品と動作の呼称検査」に同梱されている手引き書の単品販売です。
(まえがきより)
わたしたちの世界は、「もの(物)」と「こと(行為、出来事)」からなる。「もの」と「こと」を表現する言葉を獲得することは言語を用いる基本である。ゆえに、脳損傷により言語機能障害をきたした場合、「もの」と「こと」の言葉をどの程度使用できるのかをみることは、言語機能評価の根幹をなす。この見地から「物品と動作の呼称検査」は、「物」と「行為」、それぞれを表す言葉の表出をみる道具として開発された。さらに呼称セラピーのために、「キューによる呼称評価」という観点と方法を提示した。
「行為」の言葉は「物」の言葉に比べ、意味の範囲が広い、獲得するのに時間がかかる、言語による相違があり翻訳の安定性が低いなど、この二者に関する現象的相違が指摘され、それは意味ネットワークという表象レベルの違いに因るという考え方も出されている(Gentner, 1981)。そして脳血管障害による失語症患者で、「物」と「行為」の言葉の表出において二重解離現象が報告されてきた事実がある(Mӓtzig et al., 2009)。なぜ、特定の症例において「行為」より「物」の言葉が良好になるのか、あるいは「物」より「行為」の言葉が良好になるのかについては、様々な議論がある。刺激絵と刺激語を吟味した本検査が、この現象に関する実証的研究の糸口となれば幸いである。
目次
はじめに
1. 検査の目的と特徴
1.1 本検査開発の背景
1.2 本検査開発の目的
2. 本検査の刺激語
3. 本検査の実施方法と採点/ 評価方法
3.1 実施方法
3.2 採点/ 評価方法
4. 本検査の作成過程
4.1 刺激絵としての妥当性の検討
4.2 単語属性の検索
4.3 健常者調査のための対象語の選定と刺激絵の調整
4.4 健常者調査
4.5 検査語の決定
4.6 刺激絵の提示順決定と刺激絵の最終調整
5. 本検査の妥当性と信頼性
6. 本検査の失語症患者への適用
6.1 トライアングル・モデルの枠組みからみた呼称障害
6.2 本検査の失語症患者への適用結果と解釈
文献
添付資料
上記内容は本書刊行時のものです。