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『箴言』の読み方
命に至る人生の舵取り
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年11月20日
- 書店発売日
- 2023年11月20日
- 登録日
- 2023年10月18日
- 最終更新日
- 2023年11月20日
紹介
最新の聖書学的知見に裏打ちされた優れた入門書
小友聡氏推薦(東京神学大学教授、 牧師)
聖書の知恵文学の一つであり、旧約の中でも人気のある『箴言』は、これまで手軽に読める資料があまりありませんでした。『箴言』を読み、学び、理解し、その知恵を味わい、キリストがいかに知恵の体現者であるかという洞察へ導きます。旧約学者小友聡氏による「解説」付。
箴言集全体を概観し、古代イスラエル以外の知恵との関係や、他の偉大な知恵の書『ヨブ記』や『コヘレトの言葉』とも対話し、より大きな視点から『箴言』ひも解きます。
目次
第1部『箴言』を理解するために
第1章 なぜ『箴言』を読むのか?
第2章 命の道を歩む
第3章 知恵の女と愚かな女─どちらを選ぶか
第4章『箴言』の真意とは? その目的は?
第5章『箴言』はいかなる場合も真実か?
第2部 文脈の中で『箴言』を読む
第6章 ソロモンはアメンエムオペトやアヒカル
を知っていたか?
第7章 『箴言』と『ヨブ記』『コヘレトの言葉』との対話
第8章 行動に移された『箴言』の知恵
第9章 『箴言』に神はおられるか
第3部『箴言』のテーマをたどる
第10章 『箴言』の多様なテーマを学ぶために
第11章 正しい女を愛することについて
第12章 賢い言葉と愚かな言葉
まとめ 『箴言』を読むときの原則
結びの言葉
付録1『箴言』の著者と執筆時期について
付録2『箴言』の注解書
解説 小友 聡
訳者あとがき
索引
前書きなど
第1章
なぜ『箴言』を読むのか?
人生は甘くない。たとえ束の間の安らぎを楽しめたとしても、複雑な状況や人間関係から完全に解放される人はいない。抱える問題もさまざまである。都合の悪いタイミングで陪審員に選ばれた通知が届くなど、小事に煩わされることもあれば、深刻な病いの発覚や長年の夫婦仲が壊れたりなど、大きな災難もあるだろう。朝起きて、今日もまたひっきりなしに立ちはだかる雑事をこなすだけの一日かと思い巡らす。私たちは、それらの問題を最小限に抑えられる人生の舵取りをしたいと、つねに願っている。
聖書は、神に従うなら問題と無縁な人生を送れるとは決して語っていない。むしろ、その真逆を教えている。もちろん人生には喜びがあるが、コリントの信徒への手紙二1章5節を見ると(「キリストの苦しみが私たちに満ち溢れているように、私たちの受ける慰めもキリストによって満ち溢れているからです」)、その喜びは苦難の中にさえあることが分かる。そして究極の喜びは天でしか味わうことができないのだ。この地上に生きる限り、私たちは問題から逃れることはないのである。
では、私たちは人生の問題にどう対処すべきなのか? やっかいな人物や気詰まりな状況をどう扱うべきか? 何を語り、どのように行動すればよいのか? 感情をどう表現すべきなのか? 聖書は、人生の舵取りを心得ている人を、ある呼び方で呼んでいる。それは、「知恵ある人」である。このような人は多くの困難を避けることはできなくとも、たくましく生きることができる人である。
しかし、私たちはどこから知恵を得ることができるのだろうか? ここで箴言の序文を読み、この問いに答えてみようと思う。
箴言の目的とは
箴言は、読者に対してじつにはっきりとその目的を伝えている。ソロモンと関連づける冒頭の言葉に続くのは、著者が箴言に抱いている明確な宣言である。
これは知恵と諭しを知り 分別ある言葉を見極めるため。
見識ある諭しと 正義と公正と公平を受け入れるため。
思慮なき者に熟慮を 若者に知識と慎みを与えるため。
知恵ある人は聞いて判断力を増し 分別ある人は導きを得る。
箴言と風刺を 知恵ある言葉と惑わす言葉を見極めるため。
主を畏れることは知識の初め。無知な者は知恵も諭しも侮る。(箴1:2-7)
上記内容は本書刊行時のものです。