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都構想の真実  「大阪市廃止」が導く日本の没落 藤井 聡(著/文) - 啓文社書房
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9784899920724

都構想の真実  「大阪市廃止」が導く日本の没落

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発行:啓文社書房
四六判
価格 1,200円+税
ISBN
978-4-89992-072-4   COPY
ISBN 13
9784899920724   COPY
ISBN 10h
4-89992-072-5   COPY
ISBN 10
4899920725   COPY
出版者記号
89992   COPY
Cコード
C0095
一般 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2020年9月18日
最終更新日
2020年10月12日
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紹介

 2015年の住民投票で、大阪市民は自らの自治を廃止することについて「No」の判断を下した――なぜ、否決された住民投票が復活したのか?

 大阪都構想が実現すれば、現在の大阪市のカネ(約2000億円)と権限が大阪府に吸い上げられ、その分、大阪市民のサービス水準が下落すること
は間違い無い。
 
 ”都構想=大阪市廃止解体構想”についての住民投票における理性的な投票判断こそが、「強く豊かな大阪」を作るうえで、決定的に重要である。

 疲弊しつつある大阪を立て直すために、大阪のみならず、関西全域の産、官、学のあらゆる関係者のやる気を少しずつ引き出し、チームを作り上げ、強化することは不可能ではない!
 最終的に、東京を中心とした東日本巨大都市圏に匹敵する「大(だい)大阪」都市圏で大阪は飛躍的に発展。その形成に必要なのは「投資」だ!

大阪都構想 住民投票(11/1)目前!
日本の未来の民主政治のあり方とは!?
“明るく強靭な日本”を自分たちの手で実現し続けるため、必読の書!!

目次

□はじめに 都構想の是非は民主政治のあり方につながる


□第一章 なぜ、否決された住民投票が復活したのか?

・繰り返される住民投票
・維新と公明党が何を考えていたのか?
・「都構想で大阪は成長し東京と同格になる」という「幻想」
・「大阪都構想」とは大阪市民の自治を廃止する「百害あって一利なし」な改革
・そもそも日本の行政は「三重行政」を行うのが基本の形
・「知らない人」が賛成し「知っている人」が反対する、という「詐欺」の構造


□第二章 大阪都構想:知っておいてもらいたい7つの事実

・11月1日に,「住民投票」があります
・大多数の無関心と,一部で巻き起こる「賛成派vs反対派」論争

【事実1】今回の住民投票で決まっても,「大阪都」にならず「大阪府」のまま。
【事実2】今の「都構想」は,大阪市を四つの特別区に分割する「大阪市四分割」の構想です。
【事実3】大阪市民は、年間2000億円分の「おカネ」と「権限」を失います。
【事実4】2000億円が様々に「流用」され、大阪市民への行政サービスが低下するのは決定的。
【事実5】特別区の人口比は東京7割,大阪3割。だから大阪には東京のような「大都市行政」は困難。
【事実6】東京23区には「特別区はダメ。市にして欲しい」という大阪と逆の議論があります。
【事実7】東京の繁栄は「都」の仕組みのおかげでなく,「一極集中」の賜(たまもの)です。


□第三章 大阪都構想:知っておいてもらいたい7つの「真実」
【真実1】「都構想」は「一度やってみて、ダメなら元に戻す...」は絶望的に難しい。
【真実2】 大阪都構想という「大改革」を行うためのコストは莫大にかかる。
【真実3】「都構想」とは、大阪市民が自分たちの『自治』を失う話なのです。
【真実4】 いろんな行政の手続きが「三重化」して複雑化します。結果、行政サービスが低下することは決定的です。
【真実5】「都構想」の実現で、大阪の都心のまちづくりが停滞し、大阪全体が「ダメ」になることは、決定的です。
【真実6】 「都構想」は、大阪という大切な「日本の宝」の喪失をもたらします。
【真実7】 「大阪の発展」に必要なのは、「改革」でなく「プロジェクト」である。

・「二重行政」の「解消効果額」は、どのように変遷していったのか 
・「ニアイズベター」や「ワン大阪」について


□第四章 「大(だい)大阪」が日本を救う

・大(だい)大阪の繁栄と、今日の大阪凋落
・東京を中心とした「新幹線ネットワーク」が築き上げた「東日本巨大都市圏」
・新幹線が無いせいで、築き上げそこなった「大(だい)大阪」都市圏
・新幹線がつくり上げる、「大(だい)大阪」圏
・大阪のパワーを「内向きの改革」でなく「外向きのプロジェクト」に投入する
・リニアの名古屋大阪同時開業
・「北陸・関空・四国」縦貫新幹線構想(1):「北陸接続」が「大(だい)大阪」形成の第一歩
・「北陸・関空・四国」縦貫新幹線構想(2):「四国接続」を急げ
・「北陸・関空・四国」縦貫新幹線構想(3):「北陸・四国」新幹線を、関空につなげ
・西日本におけるさらなる新幹線プラン
・国家プロジェクトの中に「大(だい)大阪」圏の形成を位置づけよ
・「大(だい)大阪」圏をつくり上げるための、効率的な「防災投資」:友ヶ島プロジェクト
・新大阪・ウメキタ再開発:「大(だい)大阪」コア形成プロジェクト
・「大(だい)大阪」が日本を救う

前書きなど

今年令和2年の11月1日に、いわゆる「大阪都構想」の住民投票が行われることになりました。5年前に否決したのだから、なぜまたーーーと不思議に思われる方も多いかもしれませんが、大阪の政治の「かけひき」を通して、住民投票が決定されることになったのです。
 大阪の皆さんは既に5年前に「賛否の判断」をされておられるので、改めて考える必要もないとお考えかも知れませんが、あれから随分時間もたっているので、どういうものか忘れてしまった方も多いと思います。あるいは、今回、また少し内容が変わっているのではないかと思われる方もいるかもしれません。
 ついては、筆者は5年前に出版した『大阪都構想が日本を破壊する』を、現状を踏まえて改めて全面改定し、出版することとしました。
 「都構想」の中身は基本的には何も変わっていないのですが、設置される特別区が5つから4つに変わったということと、「公明党」と「維新」との交渉の過程で一部内容が微修正されていますので、まずは、ここでは、その微修正がどういうものだったのかを解説したいと思います。
 「第一章」で詳しく解説しますが、公明党は、自分の大阪での選挙区での衆議院選挙で、「維新」の選挙協力を取り付けるために、大阪都構想に「賛成」する意向を固めました。それが、今回都構想の住民投票が繰り返される最大の原因となったのですが、その交渉の過程で、公明党は、
「行政支出を増やさないようにする」
「住民サービスを低下させない」
という条件をつきつけ、維新がこれを了承。結果、都構想の「協定書」に、その二点が明記されたのですがーーー残念ながら、この二点は「そういう文章が書かれた」というだけの話となっています。
 (第二章、第三章で詳しく解説しますが)そもそも「都構想」とは、「大阪市を廃止」して「特別区を4つ」つくるというもの。だから、都構想をすれば、普通は「新しい特別区役所を4つ」作ることになるのですがーーーそれでは「行政支出が増える」ということになり、公明党の条件に合わなくなります。
 だから今回は無理矢理、「新しい役所をつくらない」ということにしたのです。じゃぁ、どうするのかというと、既存の「大阪市役所」と「区役所」の建物をそのまま使い続けることにしたのです。ですがこれによって、住民サービスは絶対下がることは必至です。なぜなら、行政の手続きをしようとした場合、これまでは「区役所」で全てのサービスを受けられていた案件でも、これからは理論上、「特別区役所」の建物、「現・区役所」の建物、「現・市役所」の建物のどれか、あるいは、全てに分散されてしまうことになってしまうからです。利用者としてはどこにいけば良いのか分からない、ということにもなってしまいますし、それがもし避けられたとしても、行政組織が「たこ足」の様なものになってしまうので、行政内部の手続きが煩雑になって、役所で待たされる時間の激増が危惧されます(実際、郵便局が改革されたとき、窓口のサービス水準は激減したのですが、それと同じ事が起こるわけです)。
 しかも、そもそも大阪都構想になれば、現在の大阪市のカネ(約2000億円)と権限が大阪府に吸い上げられるので、その分、大阪市民のサービス水準が下落することはほぼ間違い無い状況なのです(第二章、第三章で詳しく解説します)。
 したがって、一応、協定書には、「サービス水準は下がらない」と描いてあったとしても、そういう風には「ならない」、つまり、サービス水準は都構想で下がってしまうとしか考えられないのです。したがって、この公明党の条件によって、大阪の行政のサービス水準は改善されるどころかさらに下落してしまうことが危惧されるのです。ついては、本書を改定して出版するにあたり、タイトルを、より直接的な、

「都構想」で大阪はダメになる

というものに改めた上で、出版することといたした次第です。
 いずれにしてももしもここで指摘したようなサービス水準の引き下げを「避けたい」のなら、新しく役所を作る他有りません。あるいは、サービスを維持するための増税や料金値上げなどが必要になるのですがーーーそれでは「行政支出を増やさないようにする」という条件が満たされなくなります。
 つまり、公明党が突きつけた「カネも使うな、でもサービスレベルを維持しろ」という条件は、何をどうしたって、普通に考えれば絶対に無理な条件だったわけです。行政を十分理解している役人や専門家なら、この点は100人が100人とも認めざるを得ないところでしょう。
 ―――ということで、結局は、今回の協定書は、政治的な駆け引きの結果、文章の一部が修正されたり、内容にも「微調整」が加えられたものの、本質的には何も変わっていないのです。
 ついては、前回の書籍を改定するにあたり、まず第一章で今回の経緯を改めて詳しく論じた商を追記すると共に、第二章以降を現状の内容に合わせて改定することとした次第です。

 いずれにしても、大阪都構想の賛否判断は、大阪の有権者が決めるべきもの。ただし、住民投票結果は、大阪の未来を大きく左右することは間違いないわけですから、有権者の皆様方は今、できるだけたくさんの情報を、都構想について理解し、それぞれがしっかりと判断していくことが求められています。
 ついては、そうした有権者の皆様型に、賛成者、反対者を問わず皆様に本書が読まれることを、そして、「日本の未来の民主政治のあり方そのもの」にも直結する本件に、ご関心の全ての日本国民の皆様に読んでいただくことを、強く祈念したいと思います。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。

著者プロフィール

藤井 聡  (フジイ サトシ)  (著/文

藤井聡(ふじい・さとし)
1968年奈良県生まれ。大阪教育大学付属高等学校平野校舎、および、京都大学卒業。同大学助教授、東京工業大学教授などを経て、京都大学大学院教授。京都大学レジリエンス実践ユニット長、2012年から18年までの安倍内閣・内閣官房参与を務める。専門は公共政策論。文部科学大臣表彰など受賞多数。著書に『大衆社会の処方箋』『<凡庸>という悪魔』『プラグマティズムの作法』『維新・改革の正体』『強靭化の思想』『プライマリーバランス亡国論』。共著に『デモクラシーの毒』『ブラック・デモクラシー』『国土学』など多数。新共著に『対談「炎上」日本のメカニズム』(文春新書)。「表現者塾」出身。「表現者クライテリオン」編集長。

上記内容は本書刊行時のものです。