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沖縄フール曼荼羅 平川宗隆(著/文) - ボーダーインク
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書店員向け情報

沖縄フール曼荼羅 いにしえの〈豚便所〉トイレ文化誌

社会科学
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A5判
136ページ
定価 2,200円+税
ISBN
978-4-89982-409-1   COPY
ISBN 13
9784899824091   COPY
ISBN 10h
4-89982-409-2   COPY
ISBN 10
4899824092   COPY
出版者記号
89982   COPY
Cコード
C0039
一般 単行本 民族・風習
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年7月30日
書店発売日
登録日
2021年7月9日
最終更新日
2021年7月9日
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書評掲載情報

2021-10-02 朝日新聞  朝刊
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紹介

〈身土不二〉という言葉を知っていますか。
これには、「人間と自然は一体である」という意味があるそうです。

さて、いにしえの沖縄には「フール」という世にも珍しいトイレがありました。フールとは、豚小屋とトイレが一体になった「豚便所」のこと。かつて沖縄の各家庭では、豚を飼育しながら同じ場所でトイレを使い、豚はそれを食べて大きくなって、肉となり人間の食べものになりました。
究極のゼロエミッションともいえるこの仕組み。どうしてこのような摩訶不思議なトイレができたのか?
本書『沖縄フール曼荼羅』では、沖縄でさかんな養豚との関わりから、フールの発生から衰退までの歴史をひもといていきます。戦後、フールは一気に衰退していき、今ではかろうじて遺構が各地に残されているのみです。このフールの遺構を沖縄独特の文化を学ぶための文化財として活用できないか。そんなことも本書では提案されています。

時代が進めばトイレ事情も変化します。フール亡きあとの米軍統治時代のトイレから、日本のトイレ、世界のトイレのルポも収録。めずらしいマチュピチュのインカ帝国王のトイレ、モロッコなどイスラム圏のトイレ、湖を利用した東南アジアのトイレは必見です。
わたしたちが毎日お世話になっているにも関わらず、あまり顧みられることがないトイレ。実は曼荼羅のように複雑で、人の生活や文化そのものがあらわれていると思うのです。冒頭で紹介した〈身土不二〉の言葉は、まさにトイレに通じるものだと思わせられます。

目次

はじめに/古写真に見るフール

第一章 琉球・沖縄 トイレ世替わり
 琉球のトイレ事情とフール
 カルチャーショック! フール初体験
 琉球弧に残されたフールを巡る
 各地のフール 国頭村奥/渡嘉敷村/座間味村/粟国村/渡名喜村/具志川村(現久米島町)/石垣市/竹富町/奄美大島/花街・辻
 新聞等で見るフールの話題

第二章 フールをめぐる琉球の文化
呼び名や信仰まで、フールをめぐる文化あれこれ
 フールの呼称/フールの語源/屋敷におけるフールの位置/フールと信仰

第三章 文化財になったフール
 名護市源河ウェーキヤー跡の4連式フール/沖縄こどもの国・沖縄市ふるさと園のフール(旧平田家住宅)/中村家住宅のフール/北谷町うちなぁ家ふーる/糸満市・真壁ちなーのフール/おきなわワールド旧知念家住宅フール/琉球村旧平田家住宅フール

第四章 フールの発生と衰退
沖縄の養豚の歴史を知ろう!
 豚の来歴/朝鮮人が見た琉球の豚/冊封使が見た琉球の豚/フールとアグー/牛肉、馬肉、山羊肉から豚肉へ
切っても切れない中国とフールの関係
 キーワードは圂(こん)/便所の身土不二/明器泥象が語るもの/フールが受け入れられたわけ
なぜフールは衰退したか
 フールと寄生虫/フールと衛生/フールと環境問題/豚のサイズが大きくなった

【コラム】便所の考古学/身土不二 世界のトイレ

【ドキュメント】
末吉村落跡の民家のフール/素晴らしいフールに出会う/フールは泣いている/関林堂(河南省洛陽)における汲み取り風景

あとがきに代えて
主な引用・参考文献

著者プロフィール

平川宗隆  (ヒラカワムネタカ)  (著/文

獣医師 博士(学術) 調理師 ノンフィクション作家
1945年8月23日生 
1964年 コザ高等学校卒業
1969年 日本獣医畜産大学獣医学科卒業
1994年 琉球大学大学院法学研究科修士課程修了
2008年 鹿児島大学大学院連合農学研究科博士課程修了
1969年 琉球政府厚生局入庁
1972年 JICA・青年海外協力隊員としてインドへ赴任(2年間)
1974年 帰国後、沖縄県庁へ復職
2006年 定年により退職

著書
『沖縄トイレ世替わり』 ボーダーインク 2000年
『
沖縄のヤギ〈ヒージャー〉文化誌』 ボーダーインク 2003年
『ヒージャー天国』ボーダーインク 2018年
『豚国・おきなわ』 那覇出版社 2005年
『
Dr.平川の沖縄・アジア麺喰い紀行』 楽園計画 2013年
『
世界に広がる沖縄SOBA』 編集工房 東洋企画 2018年 他多数

上記内容は本書刊行時のものです。