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ぼくの〈那覇まち〉放浪記 新城和博(著者) - ボーダーインク
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ぼくの〈那覇まち〉放浪記 追憶と妄想のまち歩き・自転車散歩

四六判
224ページ
並製
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-89982-278-3
Cコード
C0095
一般 単行本 日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2015年5月
書店発売日
登録日
2015年5月22日
最終更新日
2015年5月22日
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紹介

変化する街、失われた町、それが〈那覇まち〉。
■沖縄・那覇生まれ育ちの著者が、復帰後の那覇、戦前の那覇の風景、痕跡をもとめて、ひとりほろほろと歩いて綴った待望の〈まち歩き〉エッセイ。
 琉球王朝時代からの港町で沖縄一の市場を抱えた那覇は、戦争で消滅した。アメリカ統治下、復帰後と復興・発展した那覇は懐かしくて新しい姿をしている。〈那覇まち〉の戦前の古い地図と復帰後の記憶を片手に、ご近所のすーじ小(路地)の角を曲がって、まち歩き・自転車散歩(ポタリング)したら、切なくも新しい風景が見えてきました。
■沖縄の現代史を個人的な記憶・体験とクロスして軽妙な筆致で綴った『ぼくの沖縄〈復帰後〉史』に続く、硬軟織り交ぜた沖縄を語るエッセイ。〈那覇まち〉の風景写真多数収録。まち歩き、沖縄・那覇の旅のウラガイドとしても最適……かも。

目次

まえがき 〈那覇まち〉を、ほろほろと放浪する 


すーじ小の角を曲がって 2007~2009

開南のバス停から街に出かけたころ 
むつみ橋通りの空き地 
ボーダーとして電柱通り 
与儀に隠れていた小さな川の名前 
「街のほくろ」の記憶 28
墓の境界線をすたりすたりと
そこに映画館があった 
今はもうない首里のトックリキワタ 
市場に本屋があった頃 
錆びていた体育館のカマボコ屋根 
崖の上のナファ 

那覇の町を後ろ向きに漕いで渡る  2011~2014  

壺川ホウホウ 
松川の橋を渡る 
今はない岬めぐり オキナワノタキ 
そこに町家があった 
橋の怪「仲西ヘーイ」 
でつかまえて 
「本の駅」でひとやすみ 
雪の岬に立つ 
街をかける釣り人 
今はなきカツオ節屋 
書を持ち、幻想の街・那覇へ 
哀愁の那覇ぬ町に霧が降るのだ(上) 
そこに街があった 宮城県沿岸を訪ねて 
三重グスクの先にあるもの 
妙に広々としたネイキッドな街角 
アフタヌーン・イン・サクラザカ 
泊港で読書 
虹と堤橋の頃 美栄橋界隈 
読書電車で妄想中 ゆいレールの一番前の席 
消えた那覇の坂 
那覇市役所も遊び場だった 
『ふりだしに戻る』に戻りたい 
マチはいつも通りで 沖映通りえきまえ一箱古本市 
廃屋の彼方へ 久茂地界隈 
雨に濡れても 牧志ウガン界隈 
マージナルな天久の崖 
黙認耕作地は自宅あとだった 
芳子と・石ブラ・散歩 辻町・西町・東町 
下泉で恋をして 山之口貘の青春 
ハート仕掛けの新屋敷 
那覇市歴史博物館の外で 
開南ラプソディ 
若狭の風をあつめて 
台風たぬきがやってきた 首里・弁が岳 
貘の「見えないものを見た話」 
壺屋のダンスホール 
崇元寺のかがやき 
スウィングしなけりゃ、市場じゃない! 2014 
十二月の空飛ぶクジラ 浮島・那覇をめぐる妄想 

あとがき     

前書きなど

 生まれ育った那覇のまちを歩くのに、大げさな理由を持ち出すこともないだろう。ここ数年僕は、気がつけば那覇の町角を古い地図とおぼろげな記憶を片手に、ほろほろと放浪していた。
 最近は「まち歩き」と言えばなんとなくわかりやすい。自転車であてどなく散歩することも多かったのだけど、それも「ポタリング」という名称がついているのである。昼間からひと気のないところをうろうろと徘徊、いや放浪していても、堂々としたものなのだ。ただいまのところ「趣味は、古のまち歩きです」とお答えするのには躊躇しない。
 沖縄・那覇で過ごして気がつけば半世紀……と、自分で書いてびっくりするけれど、こういう歳になると、現在見ている風景にかつてのまちの面影を重ねて見るのは、ごく自然なことかもしれない。僕が知っているアメリカ世からの那覇の街の風景。そして僕の知らない、戦争で消えてしまった戦前の那覇の町の風景……。
 今、那覇は静かに、いや明らかに大きく変わろうとしている。変化は突然やってくるのではなく、まちやがなくなっていたとか、本屋が閉まったとか、駐車場が増えてきたとか、そんな風だった。空き地があちらこちらに目立つようになった。そこがかつて海岸であったことは知っているのだけど、先月まであった建物の、店の名前は思い出せない。これまで感じたことのなかった、ざわざわとした気持ちが湧いてくる。変化する街、失われた町。それが〈那覇まち〉だ。
 でも、ゆっくりと、幼い頃過ごしたすーじをたどって歩いて見る。そして古い地図、古い本を思い浮かべながら、の那覇の痕跡を妄想して自転車を漕いで行く。すると生まれ育ったまちなのに、どこか遠くの知らないまちへ放浪の旅をしている気分になるからおもしろい。ひとり〈那覇まち〉を、時をかけて歩いてみたら、懐かしくも新しい風景にたくさん出会えた。それはきっとこのまちの新しい記憶になるかもしれない。

著者プロフィール

新城和博  (シンジョウ カズヒロ)  (著者

1963年沖縄・那覇市生まれ。城岳小学校、上山中学校、那覇高校をへて、琉球大学法文学部社会学科社会人類学コース卒業。
月刊誌「青い海」、沖縄出版(「まぶい組」として『おきなわキーワードコラムブック』などを編集)をへて、1990年創立のボーダーインクへ。コラムマガジン「Wander」を2005年の終刊まで編集長として関わる。
現在、ボーダーインクに編集として勤務のかたわら、沖縄に関するエッセイを執筆したり、ぶらぶらと那覇まちを散歩したりの日々。
著書に『うちあたいの日々』『〈太陽雨〉の降る街で』『ンパンパッ!おきなわ白書』『道ゆらり』『うっちん党宣言』『ぼくの沖縄〈復帰後〉史』(ボーダーインク)、共著少々。

上記内容は本書刊行時のものです。