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文化的な生物資源利用による農村ランドスケープの生成と変容
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年1月
- 書店発売日
- 2022年1月25日
- 登録日
- 2021年12月16日
- 最終更新日
- 2022年3月30日
紹介
◎農村ランドスケープを紐解く!
それぞれの地域の自然環境条件に対応した農的生産に関わる営みの継続は、その場所での自然の営みと人の営みの歴史を反映した地域固有の景観を醸成する。その地域固有の景観をランドスケープと呼ぶ。各地の農的ランドスケープを訪ね歩いた著者によりその特性、成立要因、変容過程、支えてきた人々について詳細に考察した、注目の書。
目次
はじめに
第1章 生物資源の管理・利用による農村ランドスケープの生成と変容とは
第2章 在来野生植物の文化的利用による農村ランドスケープ
1.静岡県西伊豆松崎町における桜葉畑
(1)桜葉生産の歴史
(2)山採りと桜葉畑栽培における作業の変化
(3)桜葉畑景観の変遷
(4)桜葉畑景観の成立過程
(5)桜葉畑景観の今日的意義
2.茨城県行方市北浦地区におけるショウブ田
(1)北浦地区におけるショウブ栽培の経緯と推移
(2)ショウブ田の栽培暦と分布状況
(3)ショウブ田の景観特性とその意義
第3章 “漆文化” と“観梅”による農村ランドスケープ
1.八溝山地南部域の漆掻き林と半自然草地の関係
(1)秋田氏による漆掻きの概要
(2)漆掻き林の分布実態
(3)漆掻き林の立地特性とその変容
(4)立地および管理状況別の林床植生の特徴
(5)生物多様性と伝統的生物資源利用が交差する空間の価値
2.和歌山県みなべ町における観梅の成立過程
(1)みなべ町における梅林の変遷
(2)写真からみる梅林の立地と観梅スタイルの変容
(3)みなべ町の梅林分布の変遷
(4)現在のみなべ町の観梅梅林の概要
(5)南部梅林の観梅活動の特徴
(6)みなべ町における観梅の名所化のプロセス
第4章 伝統漁法による農村ランドスケープ
(1)那珂川における設置状況と簗の制度的位置づけ
(2)簗の構成素材
(3)簗制作にかかる作業量・資材量および技術継承
(4)簗の存続阻害要因と継続理由
(5)文化的景観としての簗の今日的意義
(6)簗の架かる河川景観の存続にむけて
第5章 気候風土による農村ランドスケープ
1.宮城県亘理町逢隈地区の散居屋敷林
(1)イグネ景観の成立要因
(2)イグネの樹林構成
(3)イグネの管理・利用状況
(4)逢隈地区のイグネの特徴とその保全
2.群馬県甘楽町那須集落の防風垣
(1)高生垣の分布と生育樹種
(2)高生垣の管理・育成
(3)山間集落の高生垣景観の成立要因とその保全
終章 総括 ~開かれた主体に向けて~
【解題】農村ランドスケープ紐解く(一ノ瀬友博・慶應義塾大学教授)
上記内容は本書刊行時のものです。