北海道農村社会のゆくえ
農事組合型農村社会の変容と近未来像
- ISBN
- 978-4-89732-415-9
- Cコード
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C3061
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専門 単行本 農林業
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年12月
- 書店発売日
- 2019年12月10日
- 登録日
- 2019年10月28日
- 最終更新日
- 2019年12月5日
紹介
◎変容する北海道農村の将来を展望する
行政・農協と密接に結びついた、北海道独自の農業村落=「農事組合型」村落の変化を、生産力構造や農村社会の姿から捉えなおし、その未来像を描き出す。深刻さを増す限界集落問題や人口減少・農家の減少などへの対策をこうじて、地域づくりを可能とする、そうした北海道独自の村落社会は可能なのか?
目次
序章 揺らぐ「農事組合」型農村社会-本書の課題と構成-
1.「農事組合」型集落の成立過程 2.高度経済成長と集落再編の進展 3.限界集落の進展と農村生 活4.本書の構成
第1部 北海道農村社会の形成
第1章 経済・生活活動からみた北海道の農事組合の性格-栗山町継立第一実行組合を対象として- 1.栗山町における農事実行組合の形成と再編
2.農事実行組合の存立基盤
3.農事組合の組織と機能
第2章 農事組合型農村社会の再編強化とその変容
1.本章の課題
2.高度経済成長期における農事組合型村落の再編強化
3.農事組合型村落の変容 4.農事組合型村落の行方
第2部 急変する北海道の農村社会
第1章 統計データにみる道央水田地帯における農業・農村の現段階
1.課題
2.最近における農地所有者構成の変化-北海道全体の動向と道央水田地帯の地域性-
3.階層分化の地域性
4.農業構造の地域性
5.経営面積シェアの階層構成の地域性
6.結語
第2章 北海道における農村集落の変容とその方向
1.農業集落の成員構成の変化
2.集落再編の取り組みとその主なタイプ
3.「農事組合」型集落の変容-上富良野町E地区とS地区の場合-
第3章 農村における集落組織の変遷と介護施設開設の試み~十勝清水町・松沢地区を事例に~
1.松沢地区の概要
2.戦前:松沢地区における集落の形成
3.戦後:松沢連合会の結成以前
4.戦後:松沢連合会の結成と関係性の変化
5.小学校の閉校とNPO法人「松沢の郷」の設立
6.NPO法人「松沢の郷」の取り組みとその存在意義
7.なぜ可能だったのか
補論 北海道漁村の現状と新規漁業就業者対策
1.漁村の定義と特徴
2.漁村のタイプと現勢
3.北海道漁村の地域的特徴
4.近年における漁業就業者の動向
5.漁場利用再編と漁村再生-寿都町・歌棄地区の事例から-
第3部 北海道農村社会の近未来像
第1章 北海道における集落対策関連施策の展開と課題
1.北海道における人口減少対策・集落対策の推進
2.北海道における集落対策関連施策の実施状況
3.北海道創生総合戦略における農業・農村対策
4.道内市町村の総合戦略
5.人口減少時代における農業・農村対策の展開
6.集落対策の施策推進上の課題
第2章 北海道農村における農事組合と「地域づくり」
1.多様化する農事組合のパターン
2.農村問題と農事組合
3.「地域づくり」の発現と再編
第3章 北海道における支え合いの仕組みづくりに向けて-池田町千代田西区に事例-
1.農家世帯の高齢者の動向
2.「支え合いバス」の取り組み
第4章 下川町とイギリスの取り組みにみるソーシャルビジネスの可能性
1.下川町のソーシャルビジネス設立に係る取り組み
2.LEADER事業とLAG(Local Action Group)
3.農村の維持に貢献する社会的企業
4.北海道におけるソーシャルビジネスの可能性
第5章 バイオビレッジ設立が意味するもの
1.事例:バイオビレッジ
2.分析:人口動態の変化の要因
3.考察:条件空間
終章 農事組合型村落の転換に関わる論点
1.北海道農業・農村の構造変化
2.農業構造改革のジレンマと農事組合型村落
3.農事組合型村落の生産共同体的性格とその変容
4.生活共同体への転換について
5.農事組合型村落の固着性―制度化と役割分業―
6.集落活動のボリュームアップ
7.他律的地域再生
8.集落再編の取り組み方