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英国農村における新たな知の地平
Centre for Rural Economy の軌跡
- 初版年月日
- 2012年7月
- 書店発売日
- 2012年7月10日
- 登録日
- 2012年6月6日
- 最終更新日
- 2015年9月7日
紹介
農業、農村、そして地域の経済を理解するために、新たな知の枠組みを形成し続けてきた英国・ニューカッスル大学のCentre for Rural Economy(CRE)。本書は、その知枠組みを示す主要論文を収載し、いまだ衰えることのない今日的意義と現在の農業農村研究の課題を提示する。
目次
序 はしがき
はじめに 「関係性としての空間」:CREが切り拓く農村研究の新たな地平
1 「空間」概念のパラダイムシフト:関係性としての空間へ 2 関係性を読み解く分析理論:Actor Network Theory (ANT) 3 本書の構成
第Ⅰ部 農村を理解するための理論構築
第1章 農村経済―進化論的パースペクティヴ―
1 はじめに 2 都市農村計画と社会的変化 3 農業構造の進化 4 持続可能な農業と農薬規制 5 持続可能な農村発展のデザイン
第2章 縫い目のない網を織る:ネットワーク分析と農村経済研究への適用可能性について
1 はじめに 2 行為の問題 3 権力の問題 4 ネットワーク分析 5 方法論的考察 6 結論
第3章 持続可能な知識
1 はじめに 2 科学的知識 3 現場の知識 4 現場の知識と科学的な知識:再評価に向けて 5 結論
第4章 統制された自由:市場と国家,農業と環境 1 はじめに 2 否定的な自由と肯定的な自由 3 否定的な統制と肯定的な統制 4 統制の枠組み 5 農業と環境への統制 6 対話,民主主義,社会的経済
第Ⅱ部 ネオ内発的発展論
第5章 文化経済と地域開発
1 はじめに 2 地域(文化)経済アプローチの起源 3 文化経済の様式 4 地域空間アイデンティティとLEADERⅠ戦略 5 民族的文化モデル 6 自己同一性と心理学的隠喩 7 結論
第6章 再帰的な専門家と政策プロセス
1 はじめに 2 内発的な社会経済的開発プログラム 3 ケーススタディ 4 再帰的な専門家の範疇 5 再帰的な専門家,官僚制,国家
第7章 大学・知識経済・「ネオ内発的農村発展」
1 はじめに―ヨーロッパにおける農村経済と農村の変化― 2 ネオ内発的発展と知識経済 3 NREプロジェクトのケーススタディ 4 考察 5 結論
第Ⅲ部 小規模農村ビジネスの社会学
第8章 「典型的な地方の食品」とは何か―農業食料セクター・農村セクターの食に基づく開発戦略における地域アイデンティティの検証―
1 はじめに 2 食品と地域との繋がり 3 典型的な地方の食品の呼称制度 4 考察 5 結論
第9章 口蹄疫病が自営業世帯に与えた影響と対応の実相
1 はじめに 2 自営業世帯の概念をめぐって 3 調査方法 4 イングランド北部の農村経済に口蹄疫病が与えた影響 5 自営業世帯にみられた協力的な行動 6 おわりに
第10章 “弱い紐帯”の強さ:スコットランドのハイランドおよび島嶼部における事業主の社会的ネットワーク
1 はじめに 2 社会的ネットワークとは何か 3 埋め込みという概念 4 調査方法 5 ハイランドおよび島嶼部における事業主のネットワーキングと埋め込み 6 結論
第Ⅳ部 次の農村研究に向けて-科学技術研究のパースペクティヴ-
第11章 持続可能なフードチェーンのための社会技術的革新:社会科学の役割
1 はじめに 2 フードチェーンの複雑性 3 技術主導型食料生産モデルに対する反対 4 「パイプの流れの端」から「最先端への参加」に転換する社会科学 5 おわりに
第12章 広域的土地マネジメント問題理解のための包括的なアプローチ―学際的な取り組みの枠組み―
1 はじめに 2 背景 3 学際的作業のための枠組み 4 おわりに
第Ⅴ部 日本の農村研究への応用
第13章 イギリス農村研究のわが国農村への示唆
1 CREによる農村研究の変遷 2 ニュー・ルーラル・エコノミー論-農村をどう解釈するか?- 3 ネオ内発的発展論-農村をどのよう変えるか?- 4 農村とその研究の発展に向けて-新しい研究へのチャレンジ-
第14章 都市・地域計画の分野からの視座
1 はじめに 2 社会的空間の発見 3 都市・地域計画の研究拠点としてのニューカッスル大学 4 都市の再定義とシティ・リージョンの再編 5 都市・地域計画の役割の変化 6 スペーシャル・プランニングへの期待 7 内発力と外発力のハイブリッド 8 共発的地域づくりと3つの公共性 9 むすび
引用文献一覧
上記内容は本書刊行時のものです。