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出版者情報
ルーン文字研究序説
完結
- 初版年月日
- 2022年11月25日
- 書店発売日
- 2022年11月26日
- 登録日
- 2022年11月9日
- 最終更新日
- 2022年11月24日
紹介
北欧の神話・伝説に印象的に登場し、今も各地に謎めいた碑文が遺る文字「ルーン」。ゲルマン人がラテン文字に先立って用いていたというこの「幻の文字」をめぐって、「読み書き」の基本から、その起源、歴史的変遷、具体的用例、さらには文化史的背景や研究史にいたるまで、豊富な実例と図版を用いて語り尽くした本格的入門書。『エッダ』の邦訳をはじめとして、北欧古典の翻訳を中心に厖大な業績を遺した著者(2021年没)若かりし日の、確かな足跡を示す幻の名著、気鋭の研究者により編み直され、初の書籍化。図版300点超、また編者による最新の研究動向を踏まえた解説「半世紀の孤独」を添える。
目次
編者序言(小澤実)
第Ⅰ部 ルーン文字研究序説
第1章 ルーン文字──所在と研究の歩み
1 ルーン文字とは
2 Runeという語
3 ルーン碑文の所在
4 研究の歩み
5 ルーン研究の意味と方法
第2章 ルーン文字の起源
1 ギリシャ文字説
2 ラテン文字説
3 北伊文字説
4 総括とさらに二三の問題
第3章 ルーン文字の構造
1 文字のスタイル
2 文字の音価と表記法
3 文字の名とその意味
4 文字の順序
第4章 ルーン文字の用法──ルーンの明かす文化像
1 歴史的背景
2 古フサルクの用法
[1]世俗的用法
ⅰ 武器の名
ⅱ 人名・単記
ⅲ 何某の石
ⅳ 人名連記
ⅴ 何某が作れり
ⅵ われ,何某が作れり
[2]呪術的用法
ⅰ 呪文らしきもの(未解読)
ⅱ 表意的用法
ⅲ 呪文の常套語
ⅳ 墓の守り
ⅴ 異教の神々の名
ⅵ キリスト教的祈願
3 新フサルクの用法
[1] ヴァイキング活動(ギルド的商業活動を含む)
[2] キリスト教改宗
[3] 公共事業
[4] 所有
[5] 呪い
[6] 文学的作品
[7] 暗号
第5章 ルーン文字の歴史
1 ゲルマン共通フサルク(Fuþark)
2 英国のフソルク(Fuþork)
3 デンマーク・ルーン又は北欧共通フサルク(Fuþark)
4 スウェーデン=ノルウェー・ルーン又はレク(Rök)のルーン
5 ヘルシング(Hälsing)のルーン
6 混合ルーン
7 付点ルーン
8 ダーラナ(Dalarna)・ルーン
9 ラテン文字の勝利とルーンの終末
第Ⅱ部 補遺
第1章 ドイツのルーン碑文
はじめに
1 ドイツのルーン研究のあゆみ
2 ドイツのルーン碑文
第2章 ベルゲン出土のルーン碑文
はじめに
1 商用文
2 護符その他の魔術的使用
3 エッダ風詩形をとどめるもの
4 ラテン語をルーン文字で表現したもの
5 その他日常生活をうかがわせるもの
第3章 アイスランドのルーン碑文
まえがき
1 研究の歩み
2 ルーン文字と句読法
3 内容と年代
4 アイスランドのルーン碑文
(南西地区/西地区/西北地区/北地区/東地区/南地区/石碑以外の個物)
参考文献
[編者解説]半世紀の孤独──谷口幸男『ルーネ文字研究序説』(1971)とその後(小澤実)
図版出典一覧
索引
上記内容は本書刊行時のものです。