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古事記歌謡全解 坂田隆(著) - ビレッジプレス
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古事記歌謡全解

四六判
縦189mm 横129mm 厚さ18mm
重さ 308g
280ページ
価格 1,850円+税
ISBN
978-4-89492-203-7
Cコード
C0081
一般 単行本 日本語
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年11月
書店発売日
登録日
2016年6月21日
最終更新日
2016年6月21日
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紹介

軽太子は、天皇位をめぐる争いに敗れて追放される時、「い帰り来むぞ 吾が畳ゆめ」と歌った。
従来は「留守中は私の畳を大切にせよ」などと訳されているが、物体としての畳では軽太子の真意を読み取れない。
歌の眼目となる「畳」は、「すが畳 いやさや敷きて」と詠んだ神武天皇を想起させる語で「天皇位」を暗喩する。
軽太子は「私が即位するはずだった天皇位よ、きっと帰って来てその地位を取り戻すぞ」という強い意志を「畳」に込めた。

●本書は、全歌謡に対して原文・眼目となる語句・歌意の骨子を記し、重要語句の真意を解いて作者の言霊が読者に伝わるように歌意を詳述した。

倭建(やまとたける)は死ぬ直前、大和を偲んで「畳こも へぐりの山の 熊白檮(くまかし)が葉を」と詠んだ。この「葉」は"草木の葉"ではない。
畝火(うねび)の白檮原(かしはら)宮で即位した神武天皇が亡くなった後、皇子たちが天皇位をめぐる争いを始めた。この時に大后の伊須気余理比売(いすけよりひめ)は「畝傍(うねび)山 木の葉さやぎぬ」と詠んだ。"畝火の宮で神武天皇の子たちが難渋な事件を始めた"の意である。
これにより以後、「葉」は"子"や"子孫"を暗喩する語になる。
「畳こも」の「畳」は、「すが畳 いやさや敷きて」と詠んだ&"神武天皇"を暗喩する語。「白檮(かし)」も、白檮原宮に即位した"神武天皇"を暗喩する。
倭建は"神武天皇の子孫であることを誇れ"と言い残して死んだのである。

雄略天皇(若建命 わかたけるのみこと)は若日下部王(わかくさかべのおほきみ)に求婚して承諾を得た後、
「日下部(くさかべ)の此方(こち)の山と 畳こも へぐりの山」と歌った。
この「畳こもへぐりの山」を奈良県の平群(へぐり)地方の山と訳したのでは正しい歌意はえられない。
この語は倭建(やまとたける)の歌にある語なので、「たける」を想起させる。
雄略天皇はその「たける」を、自分の名「わかたける」にかけた。
雄略天皇のこの歌詞の意味は"妻の若日下部王と、私雄略天皇"である。

目次

目次
第1章 著雲(やくも)立つ出雲八重垣(やえがき)──須佐之男命(すさノをノみコト)=記歌1
第2章 青山に日が隠らばぬば玉ノ夜は出でなむ
 §1 八千矛神(やちほコノかミ)と沼河比売(ぬなかはひめ)の歌=記歌2~3
 §2 大国主神(おほくにぬしノかミ)と須勢理毘売(すせりびめ)の歌=記歌4~5
 §3 高比売(たかひめ)が兄の名を顕彰する歌=記歌6
 §4 豊玉毘売命(トヨたまびめノみコト)と火遠理(ほをり)命の歌=記歌7~8
第3章 勇望(いすくは)し国帥(くじ)ら障(さや)る
 §1 神倭伊波礼毘古(かむやまトいはれびこ)命が宇陀の国帥兄宇迦斯(ヱうかし)を殺して祝宴を開く時の歌=記歌9
 §2 「本(モト)掘り撃ちてし止(や)まむ」など戦いの歌=記歌10~14
 §3 神武天皇が伊須気余理比売(いすケヨりひめ)命と結婚する際の歌=記歌15~19
 §4 伊須気余理比売(いすケヨりひめ)命がその子たちに危険を知らせる歌=記歌20~21
 §5 崇神天皇に謀叛の企みを知らせる歌=記歌22
第4章 畳薦(たたみコモ)へぐりノ山ノ熊白檮(くまかし)が葉
 §1 倭建(やまトたける)命が計略を用いて出雲建(いづもたける)を殺した時の歌=記歌23
 §2 弟橘比売(おトたちばなひめ)命の歌=記歌24
 §3 御火燒(みヒた)きノ老人(おきな)が東(あづま)国造に任命される際の歌=記歌25~26
 §4 倭建命と美夜受比売(みやずひめ)の歌=記歌27~28
 §5 倭建命が死期を覚って詠んだ歌=記歌29
 §6 倭建命が大和を偲んで呼んだ歌と辞世の歌=記歌30~33
 §7 倭建命の遺族の歌=記歌34~37
第5章 酒(くし)ノ上常世(かみトコヨ)に坐(いま)す岩立(いはた)たす少御神(すくなみかミ)ノ=記歌38~40
第6章 百伝(ももづた)ふ角鹿(つぬが)ノ蟹
 §1 応神天皇が矢河枝比売(やがはヱひめ)命を妃にする際の歌=記歌41~42
 §2 応神天皇が髪長比売(かみながひめ)を大雀(おほさざき)命に与える際の歌=記歌43~46
 §3 七支刀にまつわる予言の歌=記歌47~49
第7章 末辺(すゑへ)は妹(いも)を思ひ出──宇遅(うぢ)ノ和紀郎子(わキいらつこ)=記歌50~51
第8章 次(つ)ぎねふや山代河を河上り
 §1 仁徳天皇と黒日売(くろひめ)の歌=記歌52~56
 §2 仁徳天皇と石之日売(いはノひめ)命および八田(やた)ノ若郎女(わキいらつめ)の歌=記歌57~65
 §3 仁徳天皇・女鳥王(めどりノおほきみ)・速総別王(はやぶさわケノみこ)の歌=記歌66~70
 §4 仁徳天皇と建内宿祢(たけしうちノすくね)の歌=記歌71~73
 §5 枯野(からの)にまつわる予言の歌=記歌74
第9章 立つ薦(ゴモ)モ持ちて来(コ)ましモノ──履中天皇=記歌75~77
第10章 刈り薦(コモ)ノ乱れば乱れ
 §1 軽太子(かるノひつぎノみこ)・穴穂御子(あなほノみこ)・大前小前宿祢(おほまへをまへすくね)の歌=記歌78~81
 §2 軽太子と軽大郎女(かるノおほいらつめ)の歌=記歌82~89
第11章 皇諸(みモロ)に築くや玉垣築き誤あまし
 §1 雄略天皇が若日下部王(わかくさかべノおほきみ)と結婚する際の歌=記歌90
 §2 雄略天皇と赤猪子(あかゐこ)の歌=記歌91~95
 §3 「秋津島」国号命名の歌=記歌96~98
 §4 三重采女(みへノうねめ)・雄略天皇・若日下部王の歌=記歌99~101
 §5 雄略天皇と袁杼比売(をドひめ)の歌=記歌102~103
第12章 浅茅原(あさぢはら)小谷を過ギて百伝(ももづた)ふ
 §1 袁祁(をけ)命が履中天皇の子孫だと宣言する歌=記歌104
 §2 袁祁(をけ)命と志毘臣(しびノおみ)の歌=記歌105~110
 §3 顕宗天皇の歌=記歌111~112

著者プロフィール

坂田隆  (サカタタカシ)  (

1948年、京都府生まれ。
1973年、京都大学大学院工学研究科修了。工学修士。
1980年、佛教大学文学部史学科卒業。文学士。
現在、大阪府立高等学校教諭を退職後、上代文学想起詞論・日本語学音素論の研究に専念。

上記内容は本書刊行時のものです。