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ドイツ語と向き合う 井出 万秀(編集) - ひつじ書房
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シリーズ ドイツ語が拓く地平 2

ドイツ語と向き合う

発行:ひつじ書房
A5判
276ページ
定価 4,000円+税
ISBN
9784894769984
Cコード
C3080
専門 単行本 語学総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2020年8月31日
書店発売日
登録日
2020年8月5日
最終更新日
2020年8月5日
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紹介

ドイツ語という言語を切り口に、社会、歴史、文化の問題を論じるシリーズ第2巻。第1部「異言語に生きる」では、複数の言語のはざまで生きる人々の経験のなかでドイツ語が果たしてきた役割を見る。第2部「ドイツ語の主題と変奏」では、標準語、正書法、文法など制度面の転換点に光をあて、ドイツ語が今の姿になるまでのプロセスを俯瞰する。

執筆者:井出万秀、川島隆、黒田亨、佐藤恵、真田治子、大喜祐太、高田博行、多和田葉子、中直一、浜崎桂子、美留町義雄、村瀬天出夫

目次

第1部 異言語に生きる
 第1部 はじめに

第1章 小説家の目から見たドイツ語
多和田葉子

第2章 移民の背景を持ったドイツ語文学
浜崎桂子
1. 「移民の背景を持つ作家」によるドイツ語文学
1.1 ドイツ語で書かれる難民体験―アバス・キダー
1.2 シャミッソー文学賞成立の背景
1.3 シャミッソー賞の役割とその終了
2. カナーケの言葉―挑発する移民の言葉
2.1 カナーケの声―不良移民のアイデンティティ
2.2 挑発としての「カナーケの言葉」―演出された他者性
3. 移民の背景を持ったドイツ語文学の可能性

第3章 カフカとドイツ語 複数の言語のはざまで書く「不可能性」
川島隆
1. 言語への懐疑、ドイツ語への違和感
2. ドイツ語とチェコ語のはざまで
2.1 多言語都市プラハとカフカ家の言語事情
2.2 複数言語状況からの言語懐疑の誕生―マウトナーの場合
2.3 「プラハ・ドイツ語」という神話
3. イディッシュ語との出会い
3.1 イディッシュ演劇と「小さな文学」
3.2 「ジャルゴン入門講演」
3.3 「遊牧民と話すことはできない」―中短編に見る言語モチーフ

第4章 シーボルトとドイツ語
中直一
1. はじめに―シーボルトは山オランダ人?
2. 日本での不自由な生活
3. 情報入手の方途
4. 江戸時代の外国人の言語生活―通詞による媒介
5. シーボルトと蘭学者
6. 蘭学愛好者たち
7. シーボルトと日本語
8. おわりに―蘭学史の中のシーボルト

第5章 森鷗外とドイツ語の名前
美留町義雄
1. はじめに
2. 森鷗外のドイツ留学
3. 於菟
4. 茉莉
5. 杏奴
6. 真章
7. おわりに

第6章 明治期におけるドイツ科学用語の受容
真田治子
1. 西洋医学の導入とドイツ語
1.1 大学東校(東京帝国大学医学部の前身)におけるドイツ医学の導入
1.2 旧東京大学医学部のドイツ語教育
1.3 近世後半から明治期のドイツ医学用語翻訳の様相
2. 哲学用語とドイツ語
3. 現代日本語におけるドイツ語系外来語―明治期の受容のその後
コラム 明治期の医学生と独和辞典

第2部 ドイツ語の主題と変奏
 第2部 はじめに

第7章 愛郷者オトフリート theodiscus とfrenkisg
黒田享
1. オトフリートとは誰だったのか
1.1 修道士にして文人
1.2 『福音書』の成立
1.3 修道士としてのオトフリート
1.4 オトフリートの生涯
1.5 オトフリートの文学的野心
2. フランク人としてのオトフリート
2.1 フランク王国とドイツ語
2.2 オトフリートの宗教的使命感
2.3 ドイツ語の擁護
2.4 オトフリートの愛郷心
3. オトフリートとドイツ語
3.1 theodiscus とdeutsch
3.2 frenkisg か*thiotisk か
3.3 franciscus の位置付け
コラム オトフリートの筆跡

第8章 ドイツ語書きことば標準化の進展とルター
井出万秀
1. はじめに
2. どの言語レベルでの「標準化」なのか
3. 書記方言地域分布
4. 官庁語
5. 印刷ドイツ語
6. ルター以前のドイツ語訳聖書
7. ルター訳ドイツ語聖書

第9章 16世紀の医師パラケルスス 「学術的ドイツ語」の創造者か、「魔術的文体」を操る錬金術師か
村瀬天出夫
1. はじめに
2. ドイツ語著述家パラケルスス
3. パラケルスス文書の出版運動
4. 「言語的ファッハヴェルク」
5. パラケルススの語創造
6. ドイツ語使用の弁明
7. 「言語創造者」としてのパラケルスス
8. 近世の評価
9. パラケルスス語彙集
10. パラケルススの神秘化
11. まとめと展望
コラム 政治教育の実践

第10章 モーツァルト家の人びとが書簡に書き綴ったことば 私的空間の文章語における近しさの色合いをめぐって
佐藤恵
1. 言語資料としてのモーツァルト家の書簡
2. 各書き手における上部ドイツ語的異形の頻度
3. 父レオポルトの規範性
4. 家族という変数
5. 話しことば的要素―もうひとつの近しさ
6. 19世紀における標準化の完了―「正しい」書簡文
コラム 人間模様のなかで消去されたモーツァルトの父の書簡

第11章 『ハイジ』のドイツ語 そのスイス的要素を探る
大喜祐太
1. はじめに
2. スイスの「ドイツ語」
2.1 スイス式標準ドイツ語の特徴
2.2 スイス語法の分類
3. 『ハイジ』のドイツ語
3.1 19世紀後半のドイツ語圏スイスの言語状況
3.2 『ハイジ』のスイス的特徴
3.3 『ハイジ』のドイツ的特徴
3.4 言語解析ソフトKH Coder を利用した分析
4. おわりに
コラム 映画『ハイジ』の方言―アルプスとフランクフルト

第12章 J. グリムの言語論におけるメタファー ドイツ語の瓦礫に照らし出される原初言語
高田博行
1. 「学問」としてのドイツ語文法
2. 言語の構造
2.1 「古い言語」の有機性
2.2 「古い言語」の身体性
2.3 現代ドイツ語文法の「堕落」
3. 言語の発展
3.1 言語の成長
3.2 語彙の育成
3.3 言語の系統
4. 原初言語の痕跡
コラム J. グリムの知っていた日本語―「雷の名称について」(1855)

著者プロフィール

井出 万秀  (イデ マンシュウ)  (編集

立教大学文学部文学科ドイツ文学専修教授

川島 隆  (カワシマ タカシ)  (編集

京都大学大学院文学研究科准教授

上記内容は本書刊行時のものです。