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ELAN入門
言語学・行動学からメディア研究まで
- 初版年月日
- 2019年6月11日
- 書店発売日
- 2019年6月18日
- 登録日
- 2019年6月12日
- 最終更新日
- 2019年6月12日
紹介
音声、動作、視線変化など、複数のできごとの時間変化を、映像と音声波形を見ながら自在に分析する強力なツールが、マックス・プランク心理言語学研究所で開発された「ELAN」。いまや、会話分析、マルチモダリティ研究、映画分析、演奏分析からインタビューおこしにいたるまで、さまざまな分野で用いられているELANの最初の一歩から応用までを、わかりやすく解説する。
執筆者:榎本美香、菊地浩平、木本幸憲、伝康晴、細馬宏通
目次
01 ELANをはじめよう
1 はじめに
2 本書の内容について
3 ELANはどう役に立つのか
4 更新情報とダウンロード情報
PART 1 初級編
02 ELANの基本操作 とにかく使ってみよう
1 ELANをインストールし、作業環境を整える
2 メディア・ファイルを準備する
3 新規ファイルの作り方
4 メイン画面の主な部品
5 ビデオと波形の大きさを調整する
6 見たい位置に移動する
7 注釈の入力と再生
8 層を追加する
9 注釈の移動、開始・終了時刻の変更
10 ファイル、テンプレートを保存する
03 ELANを使いこなす
1 複数の層を操作する
2 出力
3 外部ファイルの読み込み
4 入力済みの注釈を編集、再生:格子ツールとテキスト・ツール
5 画面の整理と操作
6 メディアの指定と同期
04 映像と音声収録の基礎知識
1 映像と音声データの違い
2 データ収録
3 ビデオカメラのデータをパソコンに取り込む方法
4 ELANを使わないデータの同期の取り方
PART 2 中級編
05 コーディング 管理語と上位/下位の層
1 管理語:視覚的で簡単なコーディング
2 下位層:注釈にさらに注釈を
3 下位層での注釈の作り方
06 行動を測定する
1 行動を測るための要素
2 注釈の集計、統計
3 沈黙とオーバーラップの割り出し
07 等間隔にデータを区切る
1 等間隔に区切られた注釈の必要性
2 ELANで等間隔の注釈を作る
3 注釈に通し番号をつける
4 等間隔の注釈を入力する
5 時間サンプリングとは
PART 3 応用編
08 動作分析 コーディングから量的/質的分析へ
1 動作の定義、コーディング、分析
2 ジェスチャー単位、レスト、フェーズ
3 ELANで行うコーディングと分析
4 簡単な事例分析:各フェーズを選択再生する
5 管理語で動作フェーズをコーディングする
6 層による量的分析と質的分析の組み合わせ
09 ジェスチャー分析 分類と次元
1 ジェスチャーの範囲
2 ジェスチャーを分類する
3 分類から次元へ
4 観察者間の一致度とCohenのκ係数
10 視線分析 管理語と上位/下位層を使いこなす
1 視線について
2 ELANで視線コーディングを行うには
3 視線の向け先用(上位)の層を作成
4 視線フェーズ(下位)の層を作成
5 視線のコーディング
6 視線フェーズ(下位層)の注釈を作成
7 まばたき
8 うなずき
11 音声分析との連携
1 音声分析ソフトウェアPraat
2 ELANからPraatを呼び出す
3 ELANとPraatで注釈をやり取りする
4 具体例
12 言語分析
1 言語ドキュメンテーションと危機言語
2 言語研究でELANを使用する利点
3 メディア・ファイルの準備
4 言語タイプの設定
5 効率的な書き起こし
6 検索
7 出力
13 事例集作りと高度な検索 手話会話を例に
1 手話研究で事例集を作る意義
2 分析のための事例集を作る
3 二者会話の発話重複を分析する
4 発話単位の注釈付与と文字化
5 おわりに
14 時系列データ分析 行動の時間変化をグラフ化する
1 時系列データをELANに取り込む
2 時刻の入っていないデータの処理
3 映像・音声との同期
15 映画分析と音楽分析
1 映画分析
2 映画分析の例:グリフィス『光は来たれり』を分析する
3 音楽分析
付録
付録1 キーボード・ショートカット
付録2 トランスクリプトを再検討する
付録3 映像を用いたマルチモーダルな研究の歴史
あとがき
参考文献
索引
執筆者紹介
上記内容は本書刊行時のものです。