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南日本の民謡を追って―久保けんおの仕事
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2024年3月31日
- 登録日
- 2023年11月27日
- 最終更新日
- 2024年4月10日
目次
● 目 次 ●
南日本の民謡を追って―久保けんおの仕事
Ⅰ はじめに
Ⅱ 久保けんおの生涯
1 生涯を知る手掛かり
2 久保けんお略伝
Ⅲ 詩人・劇作家
1 文学青年時代
2 戯曲「ケサじょ唄ばやし」
3 わらべ歌と文学
Ⅳ 民謡収集家
1 民謡は悲しんでいる
2 土地の歌
3 『南日本民謡曲集』
4 続々と形になる成果
Ⅴ 民謡研究家
1 方言
2 「日本民族旋法論」
3 「土地」からの学び
4 「合唱」の起源
Ⅵ 音楽教育家
1 西洋音楽至上主義に抗して
2 わらべ歌教育
3 口まね合唱
Ⅶ 編曲家・作曲家
1 編曲家
2 作曲家
Ⅷ 音楽史家
1 「民謡に見る西南戦役」
2 「薩摩の音楽芸能史夜話」
Ⅸ おわりに
Ⅹ 参考文献
前書きなど
はじめに
久保けんお(一九二一~九一年)は、鹿児島県が生んだ大変に先駆的で、ユニークで、才能豊かな在野の学者です。
今から百年以上前に生まれ、亡くなってからすでに三〇年以上が経ちますが、その功績は色あせることはありません。
しかし、いかに大きな足跡を残した人であれ、時代が変わり、世代が代われば、自然と語られることは少なくなってきます。
本書は、特に久保のことを知らない、聞いたことがないという若い世代の人たちに、久保が残した貴重な仕事に注目してほしい、その生涯と功績を知ってほしいという願いから生まれました。
久保の仕事の中で最もよく知られているのは、おそらく彼が三九歳のときに出版された『南日本民謡曲集』でしょう。
この書物は、久保が自分自身で集めた南九州の民謡の中から四一五曲を選んで、歌詞と楽譜、それに曲目解説を加えて出版したものです。南日本の民謡を調べるときには、まっ先に参照される「古典」です。
もっと身近なところでは、鹿児島県で愛唱される「茶わん虫のうた」を広めた人として知られているかもしれません。これは大正時代に石黒ひでという人が作った歌で、しばらく忘れられていたのを、久保が再発見し、採譜してから有名になりました。
しかし、久保は民謡採集ばかりを行っていたわけではありません。その生前の活動はとても多彩でした。
本書は、そうした久保の活動を、詩人・劇作家、民謡収集家、民謡研究家、音楽教育家、編曲家・作曲家、音楽史家という六つの側面に分けて紹介していきます。
上記内容は本書刊行時のものです。