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エビ・ヤドカリ・カニから鹿児島を見る 鈴木 廣志(著/文) - 北斗書房
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エビ・ヤドカリ・カニから鹿児島を見る

発行:北斗書房
A5判
90ページ
並製
価格 900円+税
ISBN
978-4-89290-051-8
Cコード
C0040
一般 単行本 自然科学総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年3月20日
書店発売日
登録日
2019年12月12日
最終更新日
2020年4月3日
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紹介

鹿児島県は薩摩半島、大隅半島に連なる大隅諸島、吐噶喇列島、奄美群島という南西諸島の半分を構成する島々を持つ南北約六〇〇kmの長さがあり、緯度では約五度の広がりを持っていて亜熱帯から温帯の気候下にあります。さらに桜島をはじめとする有人無人の七つの火山島もあります。このように鹿児島県は、気候、地形、地質などの点で変化に富んでおり、これらの自然環境の変化に呼応するように生物相も変化に富んでいるのです。
エビ・ヤドカリ・カニ(総称して大型甲殻十脚類と言います)は深海から浅海、潮間帯、淡水域・陸水域、そして陸域とその生息域はとても広いのです。ジャマイカの熱帯雨林に生息するブロメリアガニなどはパイナップルの仲間であるブロメリアの葉軸に溜まるわずかな水たまりの中で一生を過ごしています。これら多様な生息域を持つ大型甲殻十脚類は、反面、海域で成育するプランクトン幼生という共通点を多くの種で持っています。これらの種ではプランクトン幼生の行き着く先は海流などの海況に大きく影響されます。また、定着した場所の気候や地形などは定着後の成長や生残に強く影響し、その結果として各種の生息分布が決まってきます。
ところで、カニ類の進化は、浅海域から始まり一つは深海へ、もう一つは潮下帯、潮間帯、陸水・陸域へと進んだというのが主流の考え方で、陸水域に進出した種では陸水域でその生活史を完結する純淡水種が出現しました。その結果、彼らの成長や生残は陸水・陸域の気候や地形にも強く影響される事となりました。従って、ある地域の特徴を知ろうとする場合、そこに生息する生物群の生息分布状況を把握することは一つの良い方法と考えられています。特に海域とは連続していますが、環境的に不連続になる陸水域、陸域、潮上帯(飛沫帯)、潮間帯(干潟や岩礁)、火山性噴気の噴出する地域、隆起サンゴ礁に由来する洞窟などに生息する種の組成や分布は、その地域の地史、地形、気候などを総合的に反映し、地域の特徴を理解するのに役立つと考えられています。そこで本ブックレットでは大型甲殻十脚類の海域を除いたこれらの地域における種組成、分布様式を通して鹿児島県の特徴を解説することにしました。

目次

I はじめに

Ⅱ 鹿児島の生物地理、地形(火山を含む)、気候

Ⅲ 生物の呼び名と生息場、生活様式

Ⅳ 陸域(内陸部・後背地・潮上(飛沫)帯)と潮間帯の大型甲殻十脚類
 1 内陸部・後背地の大型甲殻十脚類
 2 潮上(飛沫)帯の大型甲殻十脚類
 3 砂質潮間帯(河口干潟・前浜干潟)の大型甲殻十脚類
 4 岩礁潮間帯(磯やサンゴ礁原)の大型甲殻十脚類

Ⅴ 陸水域の大型甲殻十脚類
 1 上流域・渓流域
 2 中流域・下流域
 3 河口域・マングローブ域(汽水域)
 4 マングローブ林の大型甲殻十脚類

VI 特異な環境(たぎり、地下水系(洞窟、湧水池)、アンキアライン)と大型甲殻十足脚類
 1 地下水系(暗川(くらごー)、洞窟、湧水池)の大型甲殻十脚類
 2 たぎり(火山性噴気)の大型甲殻十脚類

VII 生物地理から見た鹿児島の面白さ

VIII 参考文献

上記内容は本書刊行時のものです。