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鹿児島の地形を読むー島々の海岸段丘ー 森脇 広(著) - 北斗書房
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鹿児島大学島嶼研ブックレット

鹿児島の地形を読むー島々の海岸段丘ー

発行:北斗書房
A5判
価格 800円+税
ISBN
978-4-89290-043-3
Cコード
C0044
一般 単行本 天文・地学
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
2017年3月
書店発売日
登録日
2017年3月8日
最終更新日
2019年2月24日
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目次

Ⅰ はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅱ 海岸段丘とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅲ 海面変化と気候変化、氷河変化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 1 海面変化
 2 気候変化・氷河変化
Ⅳ 海面変化と海岸段丘面のでき方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅴ 地殻変動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅵ 地殻変動・海面変化と海岸段丘のでき方との関係 ・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅶ 各地の海岸段丘を読む ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 1 大隅諸島―高低の対照的をなす島、種子島と屋久島―
   ・種子島―海岸段丘の野外博物館―
   ・屋久島―高い山岳を取り囲む海岸段丘―
 2 奄美諸島―北限地域にあるサンゴ礁段丘―
   ・喜界島―日本で隆起量が一番大きいサンゴ礁段丘―
   ・奄美大島と徳之島―古い山地を取り巻く隆起サンゴ礁―
   ・沖永良部島と与論島―全島隆起サンゴ礁段丘でできた島―
 3 鹿児島市街地周辺の台地―火砕流に埋もれた海岸段丘―
 4 クック諸島、ラロトンガ島―安定地域の海岸段丘―
Ⅷ おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅸ 参考文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

前書きなど

 台地(段丘)は鹿児島を代表する風景です。それは、台地の占める割合が大変大きいことと、特徴的な由来を持つからです。鹿児島には、由来からみると大きく二種類の台地があります。ひとつはシラス台地として知られる火砕流台地です。これはカルデラ火山の噴火によってできたものです。火砕流台地は、南九州の面積の五〇%を占めており、日本全体での台地の割合が一二%であることからみても大変広いことがわかります。
 もうひとつは薩南諸島にみられる海岸段丘です(写真1A)。南の方に行きますとサンゴ礁段丘(隆起サンゴ礁)(写真1B)となっています。薩南諸島をつくる鹿児島の島々は、トカラ列島などの火山島以外では、こうした海岸段丘によって占められています。喜界島、沖永良部島、与論島はほぼ一〇〇%がサンゴ礁段丘地帯からなりますし、種子島も海岸段丘地帯はおよそ四五%ですが、他の地形も平坦地形に近い丘陵からなっています。徳之島もおよそ六五%が海岸段丘です。屋久島は高くて奥深い山岳があることで知られていますが、段丘が海岸を連続的に取り囲んでおり、一五%もあります。奄美大島は山岳地帯が広く、特異ですが、三%ほどの段丘地帯が北部の平坦地をなしています。
 このように、鹿児島の風景は台地(段丘)で特徴づけられる地域なのです。こうした台地は平坦で、しかも広く分布しているために、地域の人々の生活を支えるための重要な基盤を形作ってきました。シラス台地は農業など生産の基盤を提供してきましたし、薩南諸島の島々では海岸段丘の環境がなければ多数の人々は生活できなかったでしょう。ここでは、そのような台地のうち、薩南諸島を特徴づける海岸段丘について取り上げます。各島でみられる海岸段丘の地形にはどのようなものがあるか、それらはどのようにしてできたのか、そのような地形やでき方に各地で共通性や地域性はあるかなどについて、島外のものとも比較しながら述べてみます。現在みられる地形は歴史的に作られてきて、これからも作られていくものですから、こうした地形を理解するのには、歴史的な変化過程をみる必要があります。ここでは、そのような見方から海岸段丘を読むことにします。
 各地の海岸段丘を述べる前に、海岸段丘はどのようにできるかという点を少し詳しく解説しました。少し難しいと感じられる人もあるかもしれませんが、これを理解することによって、海岸段丘の理解が格段に高まると思うからです。

著者プロフィール

森脇 広  (

1950年生まれ。
1979年東京都立大学理学研究科博士課程地理学専攻単位取得中退後、1987年から鹿児島大学法文学部人文学科にて、自然地理学を軸として教育・研究を担当。
鹿児島大学名誉教授・理学博士。

[主要著書]
『日本の地形7-州・南西諸島-』東京大学出版会、2001年(共編著)
『姶良市の地形』姶良市誌編集委員会(編)「姶良市誌 別巻1」2016年

上記内容は本書刊行時のものです。