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箱館、風祭り -「立待岬」物語ー みやび つかさ(著/文) - 北斗書房
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箱館、風祭り -「立待岬」物語ー (ハコダテ カゼマツリ タチマチミサキモノガタリ)

文芸
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発行:北斗書房
四六判
縦188mm 横127mm 厚さ13mm
重さ 200g
207ページ
並製
価格 1,250円+税
ISBN
978-4-89290-033-4   COPY
ISBN 13
9784892900334   COPY
ISBN 10h
4-89290-033-8   COPY
ISBN 10
4892900338   COPY
出版者記号
89290   COPY
Cコード
C0193  
0:一般 1:文庫 93:日本文学、小説・物語
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年1月
書店発売日
登録日
2015年9月4日
最終更新日
2016年1月25日
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目次

フェートン号事件と長崎奉行
ペリー来訪
朝倉雁之助が帰藩、藩主前田公と謁見
周作、実家に戻る
千歳御殿での薪能
父、新十郎と八尾村
ペリーが開国を迫る
ペリー箱館に現れる
勘解由のこんにゃく問答
武田斐三郎と箱館諸術調所の設置
箱館諸術調所への留学
北前船
松前への旅立ち
新潟・柳島湊と古町芸妓
越後一の豪農伊沢家
浪人の賊の襲来
松前をめざす
沖の口番屋
松前藩と松前という町
二度の領地召し上げ
「殿様街道」で箱館へ
諸術調所入門と塾頭
栗本鋤雲と箱館医学校
高田屋篤太郎の屋敷
いまも続く御大臣の高田屋
不良外国船船員の取締まり
洋式のストーブの製作
養成所で医師見習い
亀田半島への巡回診療
良庵のご先祖は家老職
南茅部と「越中衆」
八幡宮の夏祭り
五稜郭と新奉行所の建設
亀田丸でロシアへの航海
帰藩命令下る
藩主前田利同守と謁見
幕府海軍医師心得に転進
幕府海軍、最新鋭艦「開陽丸」
阿波沖海戦
将軍の大坂脱出
江戸開城
旧幕府海軍、箱館へ
お喜代と喜びの再会、そしてにわか祝言
松前陥落と開陽丸沈没
半澤が負傷、周作と再会
「蝦夷地に新政権」の設立
箱館病院を接収
失敗した「甲鉄(丸)」奪回作戦
箱館へ総攻撃、旧幕府鑑船は無くなる
箱館病院に新政府軍が乱入
ついに降伏す
周作、新政府軍の捕虜に
周作、そして喜代は
 追記①――その後の武田斐三郎と諸術調所
 追記②――そして時代は明治時代へ
あとがき

前書きなど

あらすじ
 時代は幕末、主人公は富山前田藩青年藩士・野宮周作。主な舞台は箱(函)館。ペリーの浦賀沖来訪をうけ、富山前田藩主前田利同では、西欧列強艦隊からの藩の防衛強化策を図るための人材育成に着手、若手藩士である井村幸正、野宮周作の両名を幕府直轄の箱館奉行所支配の箱館諸術調所(しょじゅつしらべしょ)へ留学させることを決めた。諸術調所の教授には、伊予大洲藩出身の武田斐(あや)三郎がいる。武田は、大坂の適塾、江戸において佐久間書院で蘭学、語学(オランダ語、英語、フランス語)、西洋医学、航海術、軍事などを学び、その後、幕府の命により、北方の防衛強化策として、諸術調所教授に任じられていた。
 富山前田藩と蝦夷地は、北前船によって古くから結ばれ、関係を持っていたことから、長崎や江戸ではなく、箱館諸術調所で学ばせることになった。諸術調所では、井村幸正が英語と航海術及び軍事を中心に学び、練習船「亀田丸」で日本や極東ロシアの沿岸都市に航海もする。また、武田斐三郎が幕府より任されていた五稜郭の建設を手伝う。一方、野宮周作は、フランス語と西洋医学を学ぶと共に、箱館の医師の金井良庵宅で、医師の見習いとして治療を手伝う。そこで良庵の娘・お喜代と会い、お互いの愛を育む。夏祭りでは、将来を約束するが、時代の急変から富山前田藩の国元より井村幸正、野宮周作に帰藩が命じられる。
 野宮周作は、お喜代と別れ、富山藩から江戸へと向かう。井村幸正は江戸家老の武器購入の手伝い(英国商館との通訳)、周作は榎本武揚の幕府海軍の通訳兼軍医を命じられる。
 鳥羽伏見の戦いなど時代が大きく動く中、富山前田藩江戸家老・朝倉雁之助は井村幸正を伴い、摩長軍からの藩の防備強化のため横浜英国商館より、最新式の銃と大砲購入の交渉を行い、それらを国もとに移送。
 幕府では榎本武揚が海軍を編成するも、大政奉還となり、錦の御紋を掲げる薩摩長州軍が無血江戸入城する。榎本武揚ら旧幕府軍は艦船で箱館に逃走する。
 野宮周作は、西洋医学者として高名な高松凌雲(りょううん)と出会い、旧幕府軍と共に再び箱館の地を踏みお喜代との再会を果たす。
 旧幕府軍、箱館・五稜郭入場し仮政権樹立、松前藩攻撃と開陽丸沈没、新政府軍が反撃、土方歳三が戦死、負傷兵が多発、野宮周作は治療に専念する。旧幕府軍の箱館病院に新政府軍乱入。旧幕府軍は降伏宣言、周作は新政府軍の捕虜となり、江戸への移送された。そしてお喜代は、再び周作の帰りを待つ。
 箱館では立待岬で、愛しい人を待つお喜代の姿がみられた。船が人を運び、風が船を運ぶ、つまり、風を待つことになる。「風日待ち」とは、農作からの風の被害がないように神に祈る祭りである「風祭り」と同意であるが、ここでは「祭りを待つ」の意味を込め、お喜代が周作と楽しい夏祭りを待つ思い出でもある。
 そして、舞台の時代は明治となる。野宮周作は新政府の恩赦により、お喜代の待つ、函(箱)館に戻り、感動的な再会を喜び、終生の愛を誓うのである。

著者プロフィール

みやび つかさ  (ミヤビツカサ)  (著/文

本名 辻 雅司(つじ まさじ)

長年、水産食品ジャーナリストとして活躍。国内外での取材活動や視察をもとに学術書、食品産業の啓蒙書などの著書多数。最近の著書では、「バイオサイエンス小説『禁断のメタン菌』」や共著「和食食材かまぼこの世界」。学会奨励賞や学術表彰も受けている。

上記内容は本書刊行時のものです。