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星の瞬間 アーティストとミュージアムが読み直す、Hokkaido
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2025年1月31日
- 書店発売日
- 2025年2月8日
- 登録日
- 2025年1月27日
- 最終更新日
- 2025年2月25日
紹介
オーストリアの文学者シュテファン・ツヴァイク(1881-1942)は、
歴史上のある人物が創造的な役割を果たした決定的瞬間を、
星のように輝く“Sternstunde”(星の瞬間)と呼びました。
この言葉を借りて開催された北海道立近代美術館の展覧会
『星の瞬間 アーティストとミュージアムが読み直す、Hokkaido』
では、札幌を拠点に活躍する9名の現代アーティストと
10名の学芸員が、複眼的視点で“北海道の美術”について再検証。
加えて、同館コレクションには含まれていないアイヌ民族による近代の工芸を出品し、
北海道美術史の再考を企図しています。
本展覧会の公式図録である本図録では、同館コレクションの他、
アーティストの新作を含む会場風景と学芸員の論考10篇を収録しています。
目次
序文
謝辞・展覧会概要
展示会場図面
凡例
「北海道の美術」からのキュレーション
アーティストが読み直す、Hokkaido
箱館焼×伊藤隆介
林竹治郎・俣野第四郎×風間天心
林竹治郎×大黒淳一
三岸節子×今村育子
深井克美×鈴木涼子
砂澤ビッキ×端聡
花田和治×高橋喜代史
佐々木徹×武田浩志
杉山留美子×樫見菜々子
アーティスト紹介
ミュージアムが読み直す、Hokkaido
青山熊治×河本真夕
イモンパウク×中村聖司
筆谷等観×土岐美由紀
上野山清貢×薗部容子
小川原脩×光岡幸治
栗谷川健一×野田佳奈子
木路毛五郎×門間仁史
片岡球子×星野靖隆
小寺真知子×久米淳之
藤戸康平×村山美波
学芸員紹介
もっと知りたいあなたに 参考文献
出品リスト
前書きなど
本書は、北海道立近代美術館(以下、当館)の特別展「星の瞬間 アーティストとミュージアムが読み直す、Hokkaido」(以下、本展)の図録として作成したものです。
当館は現在約6,000点の作品を収蔵しており、そのなかで「北海道の美術」は3,100点に及びます。本展ではこの「北海道の美術」コレクションについて、ふたつの角度から「読み直し」を行います。
ひとつは、CAI現代芸術研究所/CAI03(札幌)の協力を得て、現代アーティスト9名がそれぞれ関心のある作品をピックアップし、自身の作品とともに展示します。他者の作品と自己の創作が、眼と思考を通して関係づけられ、展示空間に化学反応が起こることを期します。
もうひとつは、当館の学芸員10名が、同じく関心のある作品を選び、調査研究の成果を展示とテキストによりお伝えします。展示空間は、作品のテーマや歴史的な位置づけの掘り下げが共有される場となります。
オーストリアの文学者シュテファン・ツヴァイク(1881-1942)は、歴史上のある人物が創造的な役割を果たした決定的瞬間を、星のように輝く“Sternstunde”(星の瞬間)と呼びました。この言葉を借りた本展では、過去の「星の瞬間」を明らかにするとともに、未来に向けた「星の瞬間」の創出をねらいました。それは現代のアーティストに向けてコレクションを開放すること、学芸員がコレクションと深く対話することを通して、コレクションに秘められた魅力を探り出すことであり、また、美術へのアプローチの方法が異なるアーティストと学芸員が同時にコレクションに向き合うことで、北海道美術史の語り方を複数化する試みでもあります。加えて、当館コレクションには含まれていないアイヌ民族による近代の工芸を出品したことも、北海道美術史の再考を企図したものです。
なお、当館は2023年7月、リニューアルに向けて「目指す姿」を掲げました。本展はその実現のためのコンセプト「コレクション」「リサーチ」「コラボレーション」の実践でもあります。
本展の開催にご協力いただきました作家の皆様、CAI現代芸術研究所/CAI03、及び関係の皆様に深く感謝申し上げるとともに、美術館活動の基礎であるコレクション研究の深化に力を尽くした同僚の学芸員に、敬意を表します。
上記内容は本書刊行時のものです。