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カロートの中 佐藤 武(著) - 中西出版
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カロートの中 佐藤武詩集

発行:中西出版
A5判
144ページ
並製
価格 1,500円+税
ISBN
978-4-89115-366-3
Cコード
C0092
一般 単行本 日本文学詩歌
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年7月27日
書店発売日
登録日
2019年7月25日
最終更新日
2019年8月21日
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紹介

北海道を代表する画家・佐藤武が、絵画同様に表現を追求する詩をまとめた詩集。
空白の領域から、深い精神的な糧の中から言葉となり生まれてくる作品には、
作家としての真実を探し求める姿勢があらわれている。

目次

暮れ行く大地
陽は沈む
土に還るとき
孤独
泡沫
死者の呟き
鈴虫
波濤
貌に纏わる話
蚯蚓の呟き
カロートの中
虫けら
墓石の中
終焉
添い寝
秋の海原
空しい日々
さだめ

愛しき人
故郷
語りかける絵
絵が腐る
雪降るころ
時空を越えるとき
虚無


東風

死(一)
死(二)
夕暮れ
見捨てられた墓
老いる

緑陰の果て
蜉蝣
冬の日
秋日
春がやってきた
蜘蛛の食卓
死者の巡礼
生きたや、死にたや
灰となり
難破船
暮れ逝く水辺
霊園

あとがき

略年譜

前書きなど

あとがき
 詩と絵画はこの宇宙と、自然の空隙から生まれてくる。
 そこに存在する空しさは、この宇宙の広がりにある。
 音もない真空の中、波紋がどこまでも広がってゆく無窮の世界だ。

 絵画は白い空白の領域、無の空間から一つの点を見出す。
 凡てはそこから始まり、精神的な糧の中から平面絵画は生まれてくる。
 詩も空白の領域から、深い精神的な糧の中から、言葉となり生まれてくる。
 描こう、書こうとするものは陳腐なものではなく、空白の無の果てから、新しく生まれてくるものである。
 作家は深い精神性と純粋な想像力が絶え間なく必要だ。
 最も安全な中を進むのではなく、最も不安定で不確実の中から真実を探し求め、作品が誕生する。
 つきることない孤独、つきることない不安、深い暗闇の沈黙の底から作品は未完の形で生まれてくる。時間を捨て、完成へと進むが、絵画も詩も完結することはない。
 未完である。
 未完であるがゆえに煩悶する。
 歓楽からは何一つ生まれてはこない。
(中略)
 詩集『カロートの中』のカロートは墓石の地下にある納骨室のことです。誰しも辿り着く場所、死者が眠る場所です。
 亦このカロートに入ることなく、大海原で、山の奥地で、密林の中で、死に逝く人、戦争で火葬されることもなく、野に放置され、腐敗し、黄泉の世界に逝く人もいます、そのことが哀憐に想う人もいるかと思いますが、奇麗に焼かれ、納骨室に入ることだけが人の死後の形ではないのです。

 死に方は自殺以外選びようがないのですが、死は、どう言った形であれ受け入れなければならない、空しいものなのです。
二〇一九年 春の宵  著者

著者プロフィール

佐藤 武  (サトウ タケシ)  (

1947年北海道千歳市生まれ。幼いころより独学にて絵を描き始める。
1965年、国際青年美術家展[日本・アメリカ展]入選。
1987年、第5回上野の森美術館絵画大賞展で箱根彫刻の森美術館賞・特別優秀賞。
同年、第6回東京セントラル美術館油絵大賞展で佳作賞。
2002年、第11回青木繁記念大賞展で優秀賞。
1967年の初個展以後、札幌を中心に毎年個展を開催。そのほか札幌芸術の森美術館での展覧会など、多くの展覧会に出品。
2009年、紺綬褒章を受章した。

上記内容は本書刊行時のものです。