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ドイツの介護保険改革 小磯 明(著/文) - 同時代社
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ドイツの介護保険改革 (ドイツノカイゴホケンカイカク)

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発行:同時代社
A5判
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-88683-946-6   COPY
ISBN 13
9784886839466   COPY
ISBN 10h
4-88683-946-0   COPY
ISBN 10
4886839460   COPY
出版者記号
88683   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2023年5月1日
最終更新日
2023年6月5日
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紹介

2008年の介護発展法、2012年の介護保険新展開法、2015年~17年の介護強化法でドイツの社会福祉政策はどのように変わったか。
ドイツの高齢者総合施設の視察、認知症ケア・在宅緩和ケアの現場、専門家への取材を通して、その取り組みと成果、実践を紹介する。

目次

はしがき
図表・写真目次

序 章 本書の目的と調査の概要
1. 本書の目的
2. 視察調査の概要
3. 本書の構成


第Ⅰ部 2008・2012年改革と介護施設

第1章 ドイツの介護保険改革(2008年・2012年の改革)
1. 新たな2つの改革
2. 介護保険の実施状況
3. 2008年介護発展法
保険料率の引き上げ/ 在宅介護の強化/ 認知症に対する給付の改善/ 介護の質の改善策/ 高齢者居住共同体の促進/ 介護休業の導入/ リハビリテーション優先の原則 
4. 2012年介護保険新展開法
介護政策に関する連立協定/ 介護保険新展開法案の概要/ 新介護職法案の策定/ 

第2章 ドイツの高齢者介護施設(2012年視察調査)
1. 高齢者介護福祉施設(バーデン・ヴュルテンベルク州・エメンディンゲン)
――METZGER-GUTJAHR-STIFTUNG E.V.――
施設の概要/ 教会がなぜ老人ホームを持っているか/ ボランティア/ 職員・スタッフ/ 3つのグループの住居管理/ 在宅介護/ 医療提供と看取り/ 入居経路と要介護度/ 建物の構造/ わが家にいるかのような感じを作りだす/ 入居者部屋/ 入浴設備等/ 住宅街の中の施設
2.  AWOシニアホーム(バイエルン州・ケーニッヒスブルン)
――“Herzlich Willkommen”im AWO Seniorenheim Königsbrunn Bezirksverband Schwaben e.V.
ケーニッヒスブルン/ AWO(社団法人ドイツ労働者福祉事業連合会)の概要/ AWO・シュヴァーベンの事業/ AWOシニアホーム内の見学/ どのような経過で入所してくるのか/ ドイツ介護保険の課題
3. 2012年調査からの示唆
――ケーニッヒスブルンのAWO高齢者施設の視察調査を中心に――
ドイツの介護保険の自己負担は6割 市民保険を検討中/ 介護の質 監査/ AWO高齢者施設/ どのように入所してくるのか/ ホームで何をするのか/ 地域との協力関係/ 在宅サービス/ 現地からの示唆――介護の問題点/ おわりに


第Ⅱ部 介護強化法(2015~2017年)と現場の実践

第3章 ドイツの介護強化法(2015~2017年)
1. 社会環境の変化と給付範囲
ドイツの介護とは/ 高齢化の推移予測/ 65歳以上人口の介護受給者割合と入所・在宅の内訳/ 保険給付範囲 
2. 給付額と財源
介護保険の主な給付額/ 財源 
3. ケースマネジメント
要介護者のリハビリテーション/ 介護度が重くなったら申請するが軽くなっても言わない/ ケアプランをたてるのは介護事業者/ ケースマネジメント制度を整備中/ 負担軽減手当と障害介護給付/ 介護給付対象になる入所サービス 
4. 日本への示唆
介護金庫は変えられるが意味がない/ 自治体は介護保険には介入しない/ 介護金庫とMDK/ 根底にあるのは補足性の原則/ 移民は住み込みの介護労働力/ 民間の営利会社が在宅と施設で進出

第4章 アルツハイマー協会リュッセルスハイム支部(ヘッセン州・グロース=ゲーラウ)
1. 組織の概要
はじめに/ ボランティア理事のペーター・ボイメルさん/ 「高齢」をテーマにしたさまざまな機能を持つ建物/ ドイツ連邦アルツハイマー協会/ アルツハイマー協会リュッセルスハイム支部
2. 協会の歴史と活動
協会の歴史/ 資格と財源調達/ 郡がアルツハイマー協会を支援するのは珍しい/ 470人の会員と13の法人会員、そして40のプロジェクト/ 「認知症との付き合い方」と「診断に関する相談」/ リビングウイルの相談/ メモリークリニック/ 重要な役割を果たす介護事業者/ 
3. ボランティア活動
ボランティアの募集と研修/ ヘルパーの活動/ 利用者家族に1時間10ユーロを請求/ 診断はどのように行われるか/ 認知症の種類によって付き合い方が変わる/ ニーズが高まればサービスも変化する/ 異常行動の人たちともオープンに付き合っていくことが大切
4. 補足と日本への示唆
精神病床へ入院する条件/ 他人が本人の意思についての決断を下すことはできない/ 簡易裁判所が「誰に権利を委任するか」を決断する/ 簡易裁判所が後見人を指定する/ 行政と介護保険とアルツハイマー協会の関係/ 協会はどのような助言をしているのか/ 徘徊にどう対応しているか/ 認知症の人だけではない、いろいろな人たちの集いの場/ 残存能力を引きだすことは喜びをもらうこと/ 認知症国家戦略で変わった連邦政府の認識/ 日本への示唆

第5章 ディアコニースタチオン・フランクフルト・アム・マイン(ヘッセン州・フランクフルト)
1. 教会の歴史と在宅介護
Evangelisches Pflegezentrum/ ドイツ新教徒教会の組織構造/ 教会の歴史/ 2つの請求方法/ 教徒派の教会における在宅介護/ どのような手順で仕事をしていくか
2. 活動の重点
重点の1つは傷の手当て/ 認知症グループホーム/ 使い勝手の良いサービスと退院の次の介護/ 認知症または精神的な病気をもつ人たちの在宅の世話/ 孤独から引き出すための事業/ 職員数と実績/ 強みは専門性が高いこと、課題は人材不足/ 職員の保護にも重きを置いている 
3. 介護改革
介護看護サービスを請求する上での法的な根拠/ 家事的な支援/ 介護保険の給付サービス改革/ 第一次介護強化法による給付拡大/ グループホームの設立補助金/ 第二次介護強化法による新しい要介護定義/  6つの分野の評価比重/ 第三次介護強化法による介護休暇/ おわりに
4. 介護改革の評価
支払い方式/ 退院支援プロジェクト/ 改革をどのように評価するか/ ディアコニーだからこそ質を大事にする

第6章 フーフェラント高齢者総合施設(ヘッセン州・フランクフルト)
1. フーフェラントハウスの概要
ゼックバッハとゲーテハウス/ フランクフルトの交通事情/フーフェラントハウスの機能/ ジャーナル(Hufeland Spiegel)の発行
2. 歴史とケア
 ハウスの設立は最初のミッション/ クリストフ・ヴィルヘルム・フーフェラント/ ドイツで初めてのデイケアセンター/ 5000床のうち1000床が空床/ 特養のフルタイム勤務者は53人/ 自分の生活を取り戻すためのケアの提供/ 身体と精神に必要な機能回復を求めるリハビリ/ それぞれの人たちが求めている環境をつくる/ 在宅介護の必要な人90名を13人で担当 
3. 理念とサービス提供
オリジナルな自分の生活を送れるようにする/ デイケアは普段の生活を取り戻す手段/ 住宅と配食サービス、そして薬を減らす/ 室内プールと保育所/ 高齢者介護のための学校を1977年に設置/ 自治体、疾病金庫と介護金庫の役割/ 自治体から援助を受けている人は約30%/ 入居費用は決して高くはない/ 入居費と自治体からの補助/ フーフェラントハウスはディアコニーの一部 
4. 高齢者は何を望みどう支援するか
 高齢者一人ひとりに合わせて手を差し伸べる/ 従事者全員の経験が新たな発見を導き良い介護につながる/ かかりつけの医師とのコミュニケーションが大事/ 日常生活でどのようなことが行われているか/ さまざまな勉強会を開催/ チームカルチャー/
5. 施設内の視察
入居者のスペース/ 認知症の人のフロア/ 中庭/ バー/ 言語療法と作業療法/ 礼拝堂/ 食堂

第7章 ソーシャルステーション・ベルグアムライム・ウント・トゥルーディング非営利有限会社(バイエルン州・ミュンヘン)
1. ソーシャルステーションの創設
ソーシャルステーションの創設/ 全員がボランティアで活動/ ミュンヘン市に約30カ所のセンター 
2. ソーシャルステーションの活動
68人のスタッフが232人を援助/ ひとり住まいの人が50%/ 高齢者をいかに援助していくかが大きなテーマ/ 東欧諸国の介護労働力/ 介護看護教育の変化/ プライベート保険と社会サービス/ ソーシャルステーションの機能
3. ソシャルステーションの運営
認知症の人がサービスを受けられるようになった/ 患者さんと過ごす時間がようやくできた感じ/ 収入構成/ 介護はマーケットとして大きい/ 人材確保は口コミが一番/ 8時間残業をすれば1日休む/ 警察の介入/ ゾチアルスタチオンの母体は非営利の有限会社/ ミュンヘン市とも密接な良い関係/ 新教の人も旧教の人も人間的にやっていきましょう
4.ステーション内の視察

あとがき
初出一覧
事項索引

著者プロフィール

小磯 明  (コイソ アキラ)  (著/文

1960年生まれ
2008年3月 法政大学大学院政策科学研究科博士後期課程修了
2023年3月 立教大学大学院ビジネスデザイン研究科博士課程前期課程修了
    経済学士(東京経済大学・慶応義塾大学)、政策科学修士・政策科学博士(法政大学)、経営管理学修士(立教大学)、専門社会調査士(社会調査協会)

《現在》
 株式会社カインズ代表取締役社長
法政大学現代福祉学部兼任講師(医療政策論、関係行政論)
 法政大学地域研究センター客員研究員
 法政大学大原社会問題研究所嘱託研究員
 非営利・協同総合研究所いのちとくらし理事
公益財団法人政治経済研究所研究員

《受賞歴》
2020年8月、日本協同組合学会賞学術賞(共同研究)受賞

上記内容は本書刊行時のものです。