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百回稽古 小川 忠太郎(著/文) - 体育とスポーツ出版社
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百回稽古 (ヒャッカイケイコ) 新装版

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A5判
縦210mm
450ページ
定価 3,800円+税
ISBN
978-4-88458-243-2   COPY
ISBN 13
9784884582432   COPY
ISBN 10h
4-88458-243-8   COPY
ISBN 10
4884582438   COPY
出版者記号
88458   COPY
Cコード
C3075  
3:専門 0:単行本 75:体育・スポーツ
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2011年6月
書店発売日
登録日
2022年1月24日
最終更新日
2022年1月25日
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紹介

 小川忠太郎範士の剣道は人間形成の剣道である。師と仰ぎ尊敬された持田盛二範士との「百回稽古」は、まさにそうした剣道の修行であった。範士は一回一回の稽古を記録することにより、己の足らざるを知り、向上の糧とした。
 日誌はあくまで範士ご自身の修行のために書かれたものであり、本来公開すべきものではない。しかし、人間形成を目指された範士の剣道日誌は、そのまま前途有為な若者の指針として貴重な資料であると信じ、これを生かすべく、ご遺族のご了解を得、敢えて公開するものである。
(中略)
 剣禅一如の修行を貫徹され未在未在と歩まれた小川範士のご生涯、その修行の足跡を辿らせていただきながら、ほんとうの剣道を修行しようという勇猛の士が一人でも多く現われることを願ってやまない。
 (「編集にあたって」より)

目次

 師弟のきずな(序にかえて)
 編集にあたって
一、最後の稽古と思い、合掌の心で願うべし
 ・剣は打ち合いに非ず、命のやりとり也
 ・懸待一致でやれば丹田が円におさまる
 ・気と間で勝てば技は自ら生まるる也
 ・切先は寸時も住するべからず
 ・大正眼は天地一枚中段に帰って二分八分
 ・「心も身も直」とはここ也
 ・最後の稽古と思い、合掌の心で願うべし

二、大事なところは生死の間也
 ・打とうと思わず打たれまいと思わず、然も
 ・どの間に入っても突の気が切れれば負也
 ・近間は突き下げろという原理也
 ・龍尾返しの手の内にて入る
 ・大事なところは生死の間也
 ・生きんとすれば出られない
 ・拳攻めよりスッと中段上太刀に出る
 ・打たれるところは一念の生ずるところ

三、ここは技ではない、心也
 ・歯を噛み息を止める
 ・残心あれば二の技が生まれる
 ・ここは切らせて突き抜ける場也
 ・上からざっぷりあびるとも突き破って勝て
 ・修行は日常生活に在り
 ・不即不離の境界に入る
 ・ここは技では打てない

四、出発点は捨て身、到着点は相打ち也
 ・気位から出れば思わずして技は出る
 ・それは腹力の根本が破られぬから也
 ・三角矩の中心は腹腰と切先に存す
 ・正念の切れたところが隙となる也
 ・勝負のつくところの根本は気也
 ・出発点は捨て身、到着点は相打ち也

五、腰を伸ばす事、即ち座禅也
 ・からむ稽古はものにならぬとの教えはここ也
 ・左拳の位置で手の内の死、活が分かれる
 ・心を小さく使った為に後手となる
 ・間を見失うのは足腰が自在にならぬから也
 ・腰を伸ばすと身定まり切先生きる
 ・腰を伸ばす事、即ち座禅也
 ・打ち間に入ったら逃さぬ事だ

六、常の時と非常の時とそのこころを一にすべし
 ・常の時と非常の時とその心を一にすべし
 ・半信半疑で出した技はあたらぬ
 ・一足一刀ギリギリの間、達人はぐっと腰を伸ばす
 ・技は心から出るのだから気を練ることが大事
 ・剣道は破るところがなくてはいかぬ
 ・自分か苦しいときは相手も苦しいのだ
 ・技の起こる前に気の起こりが写る

七、真行草三つの間
 ・二回の掛け声は内虚の証也
 ・これがシンの立った稽古と言う
 ・気合は両足の親指の先端に置け
 ・真の間、勝敗の分かれは精神也
 ・真行草三つの間
 ・真の間に於て巻き返しの手の内にて対す
 ・審判は心也、自信也、之が根本也

八、ここを空と言う也
 ・技で打たれるのは気の切れた証拠である
 ・下手を使う時でも初太刀一本は必ず取る
 ・又一面ここに勝の場あり。之は相打ちの勝也
 ・無刀流切り落としは独立独歩の境界也
 ・ここを空と言う也
 ・遂に剣禅一致に至りたる也
 ・腹力と切先で乗る
 ・足の指先の気

九、切先の浮くのは心の浮く事、既に負也
 ・伸べ式の手の内は収穫也
 ・切先の浮くのは心の浮く事、既に負也
 ・緊張していて余裕を持つ事が大事
 ・勝敗の分岐点は正念の切れた所也
 ・本覚の切先と左拳の位置、この二つに自得ありたり
 ・左拳を少しくあげて構えると気満ち切先生きる

十、剣道の大敵は自己也
 ・相手が打とうとしたときウムームと入れ
 ・左転右転の足にて対峙する
 ・気が満ちないから機が見えぬ
 ・今後の修行はギリギリの間で気が先になっている事
 ・突きのない剣道は死んでいる
 ・満七十六歳十一か月、持田先生初太刀の双手突
 ・剣道の大敵は自己也

著者プロフィール

小川 忠太郎  (オガワ チュウタロウ)  (著/文

明治34年1月10日、埼玉県熊谷市に生まれる。
吉岡道徳および直心陰流七尾菊太郎の指導を受ける。
大正8年、剣道修行を志して上京し高野佐三郎範士の名信本館に入門。
斎村五郎、大島治喜太、中山博道範士等の指導を受ける。
大正12年、国士舘高等科に入学するとともに森茂の私塾において漢籍を学ぶ。
卒業後、国士舘中学校、国士舘商業学校、早稲田中学校、
茨木県友部にある日本高等国民学校などの剣道教師をつとめる。
昭和5年、臨済宗宗釈宗活老師(両忘協会)に参禅。同7年、刀耕の道号を受く。
昭和6年頃より持田盛二範士に指導を受ける。
昭和15年小野派一刀流第16代宗家笹森順造範士に入門。同37年免許皆伝。
昭和16年、40歳のとき、国士舘専門学校剣道主任教授。
昭和23年、立田英山老師(人間禅教団総裁)に参禅。同31年無得庵の庵号を受く。
昭和28年警視庁剣道師範。同42年警視庁剣道主席範士。同45年警視庁剣道名誉範士。
昭和34年剣道八段、同35年剣道範士、同46年剣道九段を允許
平成4年1月29日没。享年91歳。

上記内容は本書刊行時のものです。