版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊 ラノベ
モルモン書は現代の偽典 ロバート・M・プライス(著) - せせらぎ出版
.

モルモン書は現代の偽典 ジョセフ・スミスが19世紀アメリカで霊感によって著した
原書: Joseph Smith: Inspired Author of the Book of Mormon

A5判
120ページ
ブックレット
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-88416-258-0
Cコード
C0014
一般 単行本 宗教
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年7月
書店発売日
登録日
2017年6月29日
最終更新日
2018年2月23日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

「偽典」(シューデピグラファ) は、民衆が持つ敬虔な好奇心に答えようとして書かれた側面があり、日本語が与える印象よりずっと宗教的で徳性を養うもの、正典につながっていくものとして重視されている。旧約聖書の申命記、ダニエル書、新約聖書のペテロ後書が偽典視されている。

末日聖徒イエス・キリスト教会(通称モルモン教会)の最も重要な書物、「モルモン書」がフィクション(創作)であると気づくことは、天動説が間違っていて地動説が正しいことを受け入れたコペルニクス的転回に相当する、と一部の理知的な教会員は見ている。

モルモン書に批判的手法を適用することは、末日聖徒にとって馴染みのないことであっても、創始者と末日聖徒の聖典の意義が非モルモンに認識されることになる。そして、モルモン書が欽定訳聖書に広範に依存していることが分かれば、共通の聖書的遺産を受け継いでいることになり、モルモンと非モルモンが和解の方向に向かうことが期待される。 (著者R.M.プライス)

目次

はじめに

1 ロバート・M・プライス「『モルモン書』はジョセフ・スミスが霊感によって著した」
 よみがえった文書
 先行例に続く新参者ジョセフ・スミス
 際限のない物語の世界
 「なぜわたしの名を聞くのですか」(創世32:29)
 「変形エジプト文字」は「異言」に相当
 後期預言者を受け入れた後期聖徒(日本語では末日聖徒)
 預言とその改訂・加筆
 ニーファイ人の菩薩(涅槃に到達できるが、苦しむ衆生を憐みこの世に留まる人)
 「もし遅くなっても、それを待て」(ハバクク2:3)
 黙示と弁明

2 「モルモン書」を現代の偽典と見なした研究者・学者

3 「モルモン書」理解に参考となる19世紀初頭の背景資料

前書きなど

ここに邦訳するロバート・M・プライスの記事の原題は、“Joseph Smith: Inspired Author of the Book of Mormon” で、Dan Vogel and Brent Lee Metcalfe ed., “American Apocrypha” Signature Books, 2002 に収められている。この記事は当のモルモン教会からも日本のキリスト教界からも歓迎されないかもしれない。LDS教会(員)にとってはモルモン書を偽典視・フィクション視することは到底できないからであり、キリスト教界では異端の元凶であるような書物を好評価する記事にはおよそ馴染めないだろうと予測するからである。少なくとも当座はあまり顧みられないことを覚悟している。

しかし、著者のプライスが後に述べているように、モルモン書に一連の批判的手法を適用することは、末日聖徒にとって馴染みのないことであっても、創始者と末日聖徒の聖典の重要性を高めることになる。特に非モルモンの眼にそう映るはずである。そして、モルモン書が広範に欽定訳聖書に依拠していることが分かれば、共通の聖書的伝統を引き継いでいることを知って、モルモンと非モルモンが和解の方向に向かうと期待される。双方の研究者から始めて、徐々にその方向に向かうことを私は希望している。

版元から一言

モルモン経典を聖書学の手法で、歴史批評的に分析したもので、経典を相対化した上で再評価する試みであれば、その手法は興味深い。­-同志社大学石川立教授-

「モルモン書は人を救いに至らせる霊感された虚構(フィクション)と見ることができるか?」答えは「もちろん」である。私はモルモン書の叙事詩的な物語に深い関心を覚える。史実性を巡る論議は周縁的、偏狭的で、取るに足りないことに思われる。-北カロライナ大学グラント・ハーディ教授(LDS教会員)-

著者プロフィール

ロバート・M・プライス  (ロバート エム プライス)  (

ロバート・M・プライス(新約学博士、神学博士いずれもドリュー大学より取得)は、ニューヨーク、アムハーストにある探索研究所(Center for Inquiry Institute) 聖書批判学教授であり、「高等批評学術誌」 (Journal of Higher Criticism) の編集長であった(2003年廃刊まで)。彼の著書には Deconstructing Jesus, Paul as Text: The Apostle and the Apocrypha, The Widow Tradition in Luke-Acts: A Feminist-Critical Scrutiny などがある。また次のような学術誌に発表している。American Rationalist, Dialog, Evangelical Quarterly, Journal of Psychology and Theology, Hervormde Teologiese Studies, Reformed Journal 他。

沼野 治郎  (ヌマノ ジロウ)  (

沼野治郎(言語学修士、ブリガムヤング大学)は、1941年中国上海生まれ。大阪外国語大学中国語科(現大阪大学)卒、1974年から1976年までBYUに学ぶ。1980年以降、徳山大学、広島国際学院で英語教育に従事。1988-2000年、季刊「モルモンフォーラム誌」を刊行。著書に『私が接した言葉とその文脈』、『モルモン教をどう見るか:第三の視点をさぐる』、『現代中国語訳の聖書』がある。その他、ダイアログ誌、モルモン歴史学会報などに論文を投稿している。

上記内容は本書刊行時のものです。